この記事では、TABIPPOがつくりあげた3冊目の旅の本、『女子が旅に出る理由』のコンテンツをTABIPPO.netをご覧の皆様にもご紹介したいと考え、本誌に掲載している一人旅体験記を厳選して連載しています。
今回の主人公は、世界一周一人旅をした菅野翼さん(当時25歳)です。
世界には、様々な理由やきっかけによってを一人旅を決意して、自分の心と体で世界を感じてきた女の子たちがいます。
手に入れたのは、どんなに高価なアクセサリーよりも魅力的な自分らしさ。
そんな女の子たちが、初めての一人旅のときに「なぜ旅に出て、どう変わっていったのか」。
すべての女性に読んでほしい、女の子一人旅ストーリーをまとめました。
\こちらの記事は、書籍化もされています/
行くだけで女子力がアップする街へ
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街並み、景色、言葉、ファッション、スイーツ、料理。日本とは、まったく違う世界観。パティシエールになるべく通っていた専門学校の研修旅行で、初めて行った海外がベルギーとフランスでした。
私にとっては、二次元だった世界! テレビや映画の世界に降り立った気分! 日本と違う信号も、電車の切符も、街中にふと現れる大きな教会も、すべてが新鮮で刺激的!
(こんな美しい世界で毎日生きている人たちがいるんだ!)。
買い物をしにお店に入ると、自然にフランス語で話しかけられたりして、戸惑いながらもワクワク。身振り手振りで買いたいものが買えた時の嬉しさと言ったら! いろんな国の言葉が話せたらどれだけ楽しいんだろう! と思ったのもこの時。
ファッションも、期待を裏切られることはなく、まさにオシャレのオンパレード。街ゆく人を眺めているだけで、またワクワク。コートにブーツを履いて、あったかいドリンクをテイクアウトして歩く。
その背景には、映画で見た中世のヨーロッパの世界。石畳の道。憧れずにはいられない!
女の子なら1度は行ってみたいところじゃないのかな。行くだけで女子力がアップした気分になっちゃう不思議な街。
もちろん料理も外せない。見たことのない食材、調理法に盛りつけ方。出てくるものを全部写真に収めてご満悦♡思うんです。
景色や風景はテレビや映像でも一応見れる。けれど、その国の本当の料理や食べ物はそこに実際行かないと味わえない!
私の夢は、パティシエールと世界一周
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「あーーーー、ほんと幸せ!!!」。
約 10日間の旅行でしたが、ワクワクが止まらない日々を過ごしていました。世界には約 200の国があって、まだ私は2ヵ国しか見ていないのに、こんなに素敵なものと出逢えた。
(世界をまるごとこの目で見たら、どうなっちゃうんだろう !?)(もっといろんな世界をこの目で見てみたい!)(もっといろんな人、もの、文化と出会いたい!)。
19歳の冬、私は世界一周の旅に出ることを決めました。
やりたいことを「いつか」で終わらせないように
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まずは夢のパティシエールになり、基礎技術を身につけるために3年は働こう。25歳までには旅に出ることを決め、最終面接でも世界一周を宣言し、無事内定をいただきました。
そして入社から3年、転機が訪れました。幸か不幸か、会社の住宅手当がなくなるとの報告を受けたのです。
(そんな、これじゃ貯金できない!)
(これはある意味タイミングかも!)。
思い切って退職をし、世界一周に向けての準備期間として1年の期間を設けました。東京に引っ越し、1LDK の部屋を友達とシェア。バイトのかけもちをする日々が始まりました。
3つのバイトをかけもち、スケジュール帳は真っ黒。だけどまったく苦にはならない!
(これで諦めるようじゃ、それまでだね)
(こんなんじゃ、世界一周なんて行けないよ)。
周りに「世界一周する!」と宣言して。自分で自分に言い聞かせて。夢への力は、本当にすごい。もともとビビりな性格の私が、夢をちゃんと口にしたこと。それだけで、やりたいことを「いつか」で終わらせない決意ができました。
1年後の暑い夏の日。私は日本を旅立ちました。アジアを周り、中東に抜け、ヨーロッパ、南米、アメリカ横断、そして最後は中米へと周る、370日間の旅。
世界をとことん、食べ尽くす!
旅に出る前から、テーマの一つは決まっていました。「世界をとことん、食べ尽くす!」。
将来自分のお店を持ちたいという夢を持つ、パティシエールの私にとっては、世界のスイーツを食べて楽しむだけではなくて、とてもいい勉強となりました。
世界中のパティスリーの商品構成やラインナップ。客層や内装。インテリアやお皿。他にも世界の雑貨屋さんやインテリアショップを見てまわったりして、机やショーケースのイメージも膨らませたり。
これからパティシエールとして働くうえで、やっぱり知らないものや見たことのないもの、食べたことのない味はつくり出せない。いろんな国で、いろんなものを見て触れたことが豊かな感性につながったり、刺激やヒントになるんだと思います。
美味しいシェイクに募る不安はかき消されて
初めての一人旅は、タイからスタート。いざ飛行機に乗るとワクワク半分、不安半分。でも、カオサン通りで味わったミルクレープやフルーツシェイクがあんまりにも美味しくて、私のスイーツスイッチが爆発しました。