編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

この記事では、TABIPPOがつくりあげた3冊目の旅の本『女子が旅に出る理由』のコンテンツをTABIPPO.netをご覧の皆様にもご紹介したいと考え、本誌に掲載している一人旅体験記を厳選して連載しています。

今回の主人公は、タイでお祭りを開催した小石原浩美さん(当時28歳)です。

世界には、様々な理由やきっかけによってを一人旅を決意して、自分の心と体で世界を感じてきた女の子たちがいます。

手に入れたのは、どんなに高価なアクセサリーよりも魅力的な自分らしさ。

そんな女の子たちが、初めての一人旅のときに「なぜ旅に出て、どう変わっていったのか」。

すべての女性に読んでほしい、女の子一人旅ストーリーをまとめました。

 

\こちらの記事は、書籍化もされています/

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「カオサンの語源はカオス(混沌)だよ」

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photo by bfic 

23歳の時、初めて一人旅に出た国はタイだった。訪れたのは、旅人の聖地「カオサンロード」。

タイの首都、バンコクにある300mほどの通りに安宿、屋台、お土産屋、旅行代理店、旅人にとって必要なお店が隙間なく軒を連ねる。

ここからバスに乗り海を目指す人。ここで手配した航空券 で国境を越える人。ここで出会った旅人と旅を続ける人。世界中の旅人が最初に目指す場所。

その様相は、まさにカオス。

「カオサンの語源はカオス(混沌)だよ」。

そんなふうに言う人もいるほど、この街で出会う旅人がおもしろすぎて、来る日も来る日も長い夜をビールとともに一緒に過ごした。

(あたしは人が好きだなぁ。笑っている顔を見るのが好き。人と人のつながりをつくることが好き。ついでにお酒と食べることが好き)。

 

いろんな自分を旅して知った。

旅というのは不思議なもので、1日や2日しか一緒に過ごしていないのに、出会ってしまえば、ずっと前から友達のような関係になる。そんな空間を日本につくれたら最高だなぁ。

いつか世界一周して、大切な仲間をたくさんつくって、みん なが集まれるお店を持つことが、23 歳のあたしの夢になった。

 

それから私は、世界一周から帰ってきたオーナーが経営する高円寺のカフェで働いた。

立ち上げから1年間、仕事というより家族のように、楽しい時間を一緒に積み重ねていった。それなのに、純粋だった旅への想いは薄れていった。

お客さんにも世界一周をしている人がいっぱいいて、カウンターの中でみんなの話を聞いていると、旅への感覚が麻痺してきた。そして気づいた。

(あたしはきっと、お店をつくるために、『世界一周した』という肩書きがほしいだけだ)。

 

今のあたし、 何がワクワクするんだろ?

分かりやすいし、旅好きの人が来るきっかけとしてはもってこい、みたいな。でも、このままじゃダメだ。何もおもしろくない。どうせなら自分にしかできないことやりたい。今のあたし、何がワクワクするんだろ?

自分を問いつめた。

(あたしはみんなでワイワイ騒ぐのが好き。乾杯が趣味。好きなタイプは、ねじりはちまきが似合う人。あ!)。

妄想ずきゅーーーんって、急にきた。

(そうだ、祭り! 祭りやりたい!!)

 

旅人が大集合する祭りをしたい

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photo by shutterstock

ちっぽけだっていい。「きっかけ」をつくる祭りがしたい。

あの祭りで会おう!って、旅人たちの約束のきっかけになったり。今までバックパックを背負ったことなかった人が、あの祭りがあるなら!って旅立つきっかけになったり。そこで出会った人同士が何かを一緒にやるきっかけになったり。

しまいには、仲間と音楽と酒と、現地の人も巻き込んで、みんなで乾杯できたら。

(うん、めっちゃワクワクするー!)。

リアルタイムで旅している旅人が、一つの街に大集合。そんなの、おもしろいに決まっている。

日にちは12月1日。バンコクのどこかで!

祭りの名前はMATSURIKA にしよう。とりあえずはそれだけ決めた。

「祭+『か』」。

自分のやりたいことに「火」がついたり、「家」族のような仲間が増えたり、人と人をつなぐ「架」け橋となる祭り。

 

始まりは無謀なくらいがいいじゃない!

完全に無謀な思いつき。でも、始まりはそれぐらいがいいじゃない。

当時働いていたカフェのある高円寺は、東京なのになぜか阿波踊りが有名だった。

そしてラッキーなことに、小さい頃から阿波踊りをずっとやっている友達がいた。

(よし! 阿波踊りを祭りのメインにしよう!)。

会場は縁日のような雰囲気にしたい!日本的っていったら、やっぱり書道だな。みんなが参加できるようなライブペイントもやりたい。あ、テーマソングもつくりたい! ライブやるなら、日本の昔からの歌をアレンジして歌ってもらおう。

 

ワクワクすることに向かっていくと話は早い。考えるのはタダなので、思いつきはいくらでも。

決めたのが4月。12月1日まではあと8ヵ月。

職場を退職して2日後に、とりあえずどこでやるのか決めるために、3年ぶりのタイへ。2回目のタイは旅ではなくて、会場探しだ。

 

大人になっても、夢中になれる

そもそも野外が屋内か。野外だったらいくらタイでも田舎に行かないと無理だなぁ。でも日本から弾丸で来てくれる人もいるかもしれないから、やっぱりアクセスがいいところがいい。

そうなるとバンコク。都会でも旅を感じられる場所。うん、やっぱりあの街だなと思ったあたし。

(カオサンの通りをジャックできたらおもしろいな!どこかのお店を貸し切って、そこを拠点に通りでパレードとかやれたらいいなぁ)

 

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