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1998年富山県生まれ。上京後の2年間「TABIPPO学生支部」活動を経験した後、社内インターン生へ。旅と競技観戦が趣味。将来は海外に住むことが夢。

お気に入りを見つける町めぐりがたのしい!笠間エリア


2日目は朝から笠間の中心部のレンタサイクル「かさまCYCLING」を利用してさまざまな場所を巡ってきました。朝早くから、風を感じながらのサイクリングはとても気持ちがよかったのでおすすめ!巡ったスポットを順番にご紹介します。

最初に向かったのは茨城県陶芸美術館。「伝統工芸と新しい造形美術」を テーマとした笠間芸術の森公園内にある、誰もが気軽に立ち寄れる親しみのある県立美術館です。

笠間だけでなく益子の焼物も展示されており、じっくりとみることができます。

ひとつひとつが全く異なる、『かさましこ』地域の焼き物。元々、移住されてきた陶芸家の方が笠間に窯元を置いたことがきっかけで広まった焼物文化でしたが、『かさましこ』地域では元々陶器になる土があまり取れませんでした。そこで型にはまらない自由な陶芸文化が育っていったそうで、笠間・益子のそれぞれでつくられる陶器のことを「笠間焼」「益子焼」と呼んでいるのだそうです。

美術館の職員の方へ伺ってみたところ、一応笠間焼は塗りが厚く、光沢があるようなものが多く、益子焼はすこし土っぽい質感を残しているものが多い、という特徴はあるのだそう。しかし、『かさましこ』地域の陶芸にはしきたりや正解がなく自由で、作り手によって全くことなるとのことでした。

「陶芸って難しそう……」と感じる方もいるかもしれませんが、「伝統工芸」だけが陶芸ではありません。現代作家の自由な作品や、暮らしを彩る器など、陶芸には暮らしを豊かにする力やそのヒントがたくさん隠されていることを感じました。

■詳細情報
・名称:茨城県陶芸美術館
・住所:〒309-1611 茨城県笠間市笠間2345
・地図:
・営業時間:9:30〜17:00(最終入館 16:30)
・定休日:月曜日
・電話番号:02-9670-0011
・公式サイトURL:https://www.tougei.museum.ibk.ed.jp/

次に訪れたのは、日本三大稲荷のひとつである、「笠間稲荷神社」。1300年以上の歴史を持つ、古き良き神社です。あらゆる殖産興業の守護神、かつ火防の神様である「宇迦之御魂神」を祀る広い境内の中はたくさんの観光客で賑わいを見せていました。

仲見世通りには地元で有名な手焼きのおせんべいのお店や、たくさんのお稲荷さんグッズのお店などがあり、どこも見入ってしまいます。

また、神社付近には「門前通り」という商店街が。じつはここ、食べ歩きスポットとして有名で名物がたくさんあるんです。

門前通りの食べ歩きマップを見てみると、メンチカツや胡桃饅頭、そばいなりやゆばソフトなど、食欲をそそられるものばかり。あまり他では食べられなさそうなフードが多く、気になってしまいますね。

■詳細情報
・名称:笠間稲荷神社/門前通り
・住所:〒309-1611 茨城県笠間市笠間1番地
・地図:
・電話番号:02-9673-0001
・公式サイトURL:http://www.kasama.or.jp/

さて、この日のランチは「cafe 柚の木」という古民家カフェへ。初めて来店したはずなのにどこか懐かしさを感じられる佇まい。落ち着いた店内には多くのお客さんが訪れていました。

こちらで楽しめるのはヘルシーなカフェご飯。笠間焼の器で手作りのあたたかさを感じながら食事を楽しむことができました。

■詳細情報
・名称:cafe 柚の木
・住所:〒309-1611 茨城県笠間市笠間4472
・地図:
・電話番号:080-1243-4291

続いて訪れたのは「久野陶園」。笠間焼の発祥の地である、関東最古の窯元です。250年以上前に、信楽の1人の陶工がこの地を訪れ焼き物を始めたそう。

笠間市の指定文化財にもなっている登窯(のぼりがま)をはじめ、大量生産体制のためのベルト式動力轆轤(ろくろ)など、歴史文化資料としても貴重な設備や道具が数多く現存している、大切な場所です。


しかし、窯業の後継者不足や建物の老朽化など、たくさんの問題を抱える現状。いつからか、窯元の時間は止まってしまっていました。行政管理も難しく、再建のために行き着いたのはクラウドファンディング。


日本の遺産を守るフラッグシップになるために、そして未来に日本の文化を引き継ぐために。高いポテンシャルとエネルギーを持つ笠間の可能性を、このまま失うのではなく、この貴重な歴史的文化遺産を後世へと残していくために。たくさんの想いを詰め込んだクラウドファンディングは元々の目標の約3倍、1200万円以上を集めての大成功に終わりました。


さらに久野陶園は、新たな存在価値を生み出し、多くの人に愛され必要とされる場所となるためのフリースペースや、カフェ・イベントスペースの創設を計画するなどの取り組みをしているそう。きっと歴史ある場所を守ることの意義を教えてくれる、とても大切な場所になると思っています。完成が今から待ち遠しいです。


最後に訪れたのは、関東の出雲大社である「常陸国出雲大社」。今年で30周年と比較的新しい神社ながら、その名の通り日本最古かつ最大のパワースポットである、かの島根県出雲大社よりご分霊を賜っています。

何より目に留まるのは島根県出雲大社を想起させる大きなしめ縄。1本の長さ16メートル、重さ6トンもある大しめ縄は、島根県の出雲大社のお膝元である出雲国飯南町で地元産の稲わらを使用し、手作りで生産されたものを運んできたものだそう!


境内には、主宰神が鎮座する本殿をはじめ、水難守護の龍蛇神社や医道に通じる薬神神社もあり参拝することができます。 また、稲庭うどんが味わえる食事処やガラス工房を併設する「出雲館」、アートギャラリーを備える「桜林館」など本殿以外の施設が充実していることもポイント。

さらには、笠間のまちを見下ろすことのできる展望スポットも。訪れたのが夕暮れの時間だったことも相まって、施設も景色も綺麗に映えていてとても心に残る場所でした。

■詳細情報
・名称:久野陶園
・住所:〒309-1634 茨城県笠間市福原2001
・地図:
・電話番号:02-9674-3000
・公式サイトURL:https://izumotaisha.or.jp/

『かさましこ』地域でほんとうの豊かさを見つけよう

今回訪れた『かさましこ』地域では、手仕事を中心として栄えてきた地域の歴史、今に受け継がれている思いをたくさん感じてきました。

陶芸だけにとどまらず、様々な素材を扱う作家や、アーティスト・デザイナー、おしゃれなカフェが集まり、年間を通じてさまざまなイベントや催し物が開催される等、地域の人々の心にも豊かな文化がしっかりと根づいている地域でした。


職人は、想いを込めてひとつひとつ大切に陶器を生み出していること。込める想いや関わり方は様々だからこそ、『かさましこ』地域の陶器は自由で型にはまっておらず広く愛されるものであること。

また受け取り手も、実際に自分で手に取ってお気に入りを選んで、その想いを継ぎ、暮らしに溶け込ませていました。手作りの“一点モノを大切にする”暮らし方はとても素敵で、『かさましこ』の陶芸文化のファンが増え続けている理由が、とてもよくわかりました。


穏やかな自然のそばで、大切なものを探し愛でるワクワクは、一度知ると癖になってしまいそうな、なんだか大人な楽しみ方。

一人で、友人と、また大切な人と。あなたも、自分だけの“お気に入り”を見つけられる地域『かさましこ』を訪れてみませんか。

All photos by Akane Uozaki

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1998年富山県生まれ。上京後の2年間「TABIPPO学生支部」活動を経験した後、社内インターン生へ。旅と競技観戦が趣味。将来は海外に住むことが夢。

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