ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

旅が仕事になるって素敵だな」――SNSを見ていると、そんなふうに感じませんか?私もそのひとりで、旅しているときに出会った友人たちの活躍をしばしば目にしては、うらやましく感じたり……。

今回はそんな友人たちの中から、株式会社トラベロコ・PR担当の岡慧隼さんにインタビューしました。

岡慧隼さん

BBTU中退、APU卒。株式会社トラベロコ PR担当。
高校在学中コンサルティング会社で見習い後、卒業と同時に単身ミャンマーへ「軍事国家ミャンマーで活躍する日本人」を取材して回る。東南アジア関連NPO勤務、シンクタンク立ち上げに携わった後、大学在学時5人目のメンバーとしてトラベロコに参画。リモートワークでPR活動や国内外でイベント開催などを行う。2019年現在、トラベロコは世界171ヶ国(世界の9割)に展開し、15万人以上のユーザーが登録している。

 

西嶋結

編集の仕事をしています。2012年に半年間の旅行を経験し、現在に至るまで訪れた国は50か国とすこし。日本では積極的に引きこもっています。本好き。
twitter:@yuitabi1990

「セルフ研修」のためにミャンマーへ

 
――お久しぶり!いつもSNSでお仕事の様子、楽しみに見てます。とはいえしばらく会ってなかったから、慧隼くんがどんな仕事をしているのか完全には理解していなくて。今日は、慧隼くんの旅とお仕事についてお話を聞ければと思ってます!

まず、慧隼くんが所属している「株式会社トラベロコ」は旅をしているとよく耳にするんだけど、改めてどんな会社か聞かせてもらえますか?

僕が所属している株式会社トラベロコは、Travelocoというプラットフォームを運営しています。これは一言でいうと、「海外に住んでいる日本人と現地に行く日本人をつなぐプラットフォーム」。海外でしたいことを、海外在住日本人「ロコ」が叶えてくれるサービスです。

使い方はアイデア次第。現地のローカルなスポットを観光したいなら、現地に長く住んでいるロコに案内してもらうのがおすすめです。旅に限らず、仕事で通訳を依頼してみるのもいいかもしれませんね。

 
――旅行初心者のころは特に、こんなサービスが欲しかった!慧隼くんはその中で、どんなお仕事をしてるの?

PRの仕事をしています。今までもっと多くの方にロコに登録していただくためのPRが中心でしたが、今後は、国内の認知を高め、年齢問わず多くの旅人にもトラベロコのサービスを知ってもらいたいと思っています。

だから僕は、国内外でのイベント主催、SNSやメルマガの活用、メディア向けプレスリリースといった社会とのコミュニケーション全般に関わっています。

 
ーーユーザーを増やすための取り組みを担当してるんだね。少し前のSNSの投稿で、海外のいろんな都市に旅しているのを見たけど、それはまた別の仕事だったの?

そうですね。ゆいさん(注:西嶋)が見てくれたのは、「ミートアップ」を開催したときの旅だと思います。

入社して3年目になるんですが、入社当時は、登録してくれていたロコの人数は7000人ほど。ありがたいことにどんどん増え、今や4.5万人ほどになりました。でもあるとき、「ロコのみなさんはロコのお仕事をどう捉えているんだろう」と思ったんです。

そこで、ロコとの交流や満足度などの調査のために、他のメンバーとも協力しながら10カ月かけて24都市を回り、各都市で「ミートアップ」と称した説明会と交流会を開くことにしました。

 
――24都市!旅慣れている慧隼くんならではのお仕事だよね。慧隼くんと私は2012年の夏にミャンマーを一緒に旅したわけだけど、あのときすでに旅の経験が豊富だったの?けっこう若かったよね?

当時は高校を卒業してすぐで、実はミャンマーが初めての海外でした!ミャンマーで働いてみたかったので、現地に行ってみようと思って。

その後も2回ほどミャンマーを訪れたんですけど、「ミャンマーで働くとはどういうことか」を知りたくて、現地に住んでる日本人を探して、話を聞かせてもらっていました。

 
――当時はまだ10代だったんだ……!しっかりしてる印象だったから衝撃かも。当時はビザも必要だったし、今と比べるとずっとマイナーな国だったよね。どうしてミャンマーに興味を持ったの?

高校3年生の夏、日系企業に研修を提供しているコンサルティングファームで見習いのようなことをしていました。その会社の「研修」の内容は、社員の方に海外に行ってもらうというもの。業務の中で「ミャンマーは一番日本人が少なくて、サバイブできる(研修に適している)国だ」という話を聞きました。

なるほど、自分で研修をやってみようと思って、ミャンマーに行くことにしたんです。

 

「本当にやりたい仕事」を見つけるまで

 
――そんな慧隼くんがトラベロコに入ったきっかけは?

ミャンマー旅の後、ミャンマー関連のNPOで働いたり、東京のテレビ制作会社でバイトしたりと、1年くらいいろいろな仕事を経験しました。その後、九州の大学に進学。同級生が就活を始めたタイミングで僕も就活をやってみたけれど、「本当にやりたい仕事」が見つからず、すぐにやめてしまいました。

大学3年生の終わりごろ、「そろそろ仕事を探そうかな」と思い立ち、自宅にこもっておもしろそうなサービスをひたすら探したんです。「入りたい会社を探してやるぞ」と。「シェアリング」とか、興味あるキーワードでひたすら検索。そのときに見つけたのが、法人化して3カ月くらいだったトラベロコ。社員はたった3人でした。

「おもしろそう!」とピンときて、すぐに連絡。まずはバイトとして働かせてもらい、そのまま社員になっちゃいました(笑)。トラベロコは全員リモートワークなので、大学に通いながらでもオッケーだったんです。

 
――柔軟な働き方ができてうらやましい!

本当に楽しく働かせてもらってます。ここ3カ月くらいは東京にいるけど、就職してからこのかた、こんなに東京にいるのは珍しいほど。

就職してすぐの頃は、1カ月ごとに拠点を移動して働いたりもしてました。

 
――それは自主的に?

そうです。僕がメンバー最年少だし、他のメンバーには家庭もある。だから僕が転々として、ロコの人たちと会いつつ仕事をしたらどうだろうって思ったんです。

当時回ったのはアジアが中心。CTOがいるホーチミンなど、4カ国ほどを旅しました。ロコの方にお会いしては、「トラベロコのどんなところが気に入っていますか?」「サービスの改善点を教えてください」などをインタビューしました。

 
――素敵な働き方。そんな働き方がお仕事のモチベーションにもつながってるのかな?

うーん、意外とそうでもないかも。それよりも、自分が惚れ込んだサービスが広まっていく様子を間近で見られるのが楽しいんですよね。「自分の選択は間違ってなかったな」と。だからこそ、サービスをもっと多くの人に知ってほしいし、ますます便利に使えるように育てていきたいと思ってます。

 
――楽しそうだけど、苦労も多そう。

スタートアップなので、1年ごとに役割が変わっていくのはハードかもしれませんね。1年生になるタイミングが頻繁にやってくるんです。1から勉強してチャレンジしなければならなくて、負荷はかかりますね。でもそれも好きだったりします。

リモートワークも、最初は苦労しました。他のメンバーは経験豊富な3-40代ばかり。今までビジネスパーソンとして積み重ねてきたスキルを駆使してトラベロコをつくった方たちです。

そんな先輩方と新卒の僕とでは、能力の差は歴然。先輩方が当たり前にやっていることもできないし、どうやっていいかもわかりません。でもリモートワークだと気軽に聞きづらいですよね。

 
――チャットや電話だと、ちょっとしたことを質問しづらかったりするよね。

そうなんです。それでも質問しないとやっていけないので、なんとか聞きながら進めていました。

とはいえ、思い返してみれば、この段階で「頑張らないとやっていけない」と知れたことは本当に良かったなと。

ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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