これまで訪れたことのなかった九州。そのなかでも約3か月間過ごした「熊本」は、心からまた訪れたいと思うほど魅力的な場所だった。
今回は、滞在して実際に感じた熊本の良さやおすすめスポット、過ごし方を紹介していく。
見出し
- 1阿蘇山周辺の絶景スポットをめぐる
- 1.1大観峰で360度パノラマを楽しむ
- 1.2草千里ヶ浜で広大な草原を散歩する
- 1.3中岳火口を間近で感じる
- 2熊本城と街歩きで歴史を感じる
- 2.1熊本城を歩いて武士気分を味わう
- 2.2熊本市電で街をぶらり散策する
- 2.3偉人たちの住まいでタイムスリップ体験する
- 3黒川温泉でまったり過ごす
- 3.1湯めぐり手形発祥の地をめぐる
- 3.225カ所の温泉・7つの泉質を比べてみる
- 3.3たくさんの温泉卵を味わう
- 4五輪の書を記した洞窟・霊巌洞を訪れる
- 4.1五百羅漢の独特な表情・佇まいに出会う
- 4.2霊巌洞の神秘的な雰囲気を感じる
- 5国道からすぐ!夫婦滝で自然の神秘を楽しむ
- 5.1同じ場所で滝になる2本の川を観察する
- 5.2滝つぼまで間近で迫力を感じる
- 6【番外編】3か月滞在して気づいた「熊本あるある」
- 6.1水が豊富で綺麗
- 6.2軒先にぶら下がるトウモロコシ
- 6.3森の中にきのこの原木
阿蘇山周辺の絶景スポットをめぐる
阿蘇の草原と馬牛注意の看板
熊本の観光地といったら、まず1、2番目に名前が出てくるのが「阿蘇」。
まるで海外のような、広大に広がる青々とした草地、放牧された牛たち、眼下に栄える阿蘇の街並みが忘れられない。見渡すかぎり木がなく、なだらかな大地や山が続いている景色がとても新鮮で、心を奪われた。
大観峰で360度パノラマを楽しむ
大観峰からの眺め
最初に訪れたのは大観峰。夏特有の地表からの熱気の影響でやや霞んでいたが、その中に見える独特なカルデラ地形が不思議だった。
4度にわたる巨大噴火によって山の中心がなくなり、今の地形が生まれたという歴史を思うと、自然の力に圧倒される。見渡す限り広がる柔らかそうな草地を見ていると、思わず飛び込みたくなるほどだった。
草千里ヶ浜で広大な草原を散歩する
青々とした草地広がる草千里ヶ浜
大観峰から車で約40分。一面に広がる草原を馬が歩く姿が見られる草千里ヶ浜へ。
遠くには烏帽子岳や杵島岳といった阿蘇五岳の山々がそびえ、道を挟んだ反対側には阿蘇火山博物館やカフェ、レストラン、お土産店が並ぶ。
ここで1日のんびりするのもよさそうだ。
白馬が草原を歩く姿はまるで海外みたい
中岳火口を間近で感じる
エメラルドグリーンの火口湖から白い煙が上がる
草千里ヶ浜から車で約10分。先ほどまでの”緑の世界”から、岩がゴロゴロとむき出しになっている”グレーの世界”に変わる。
ゴロゴロとした岩肌と地層が織りなす模様
車を降りた瞬間、焦げ臭い匂いが鼻をつく。今も活発に活動を続ける噴火口からは、モクモクと白煙があがっていた。
大観峰や草千里ヶ浜とはまた違う”生きている地球”を肌で感じる。日によっては火山ガスの影響で火口付近に行けない場合もあるので、近くまで行けたのはラッキーだった。
奥に火山シェルターと賽の河原のように積まれた石
熊本城と街歩きで歴史を感じる
外壁が白く美しい熊本城
熊本といったら、くまモンと熊本城!……ということで、熊本市街にも行ってきた。
お城が見える市内には路面電車が走り、西洋文化が入ってきた頃の名残を感じる街並み。散策すればするほど、もっと熊本のことを知りたくなった。
熊本城を歩いて武士気分を味わう
熊本城の本丸御殿の下を通る「闇り通路(くらがりつうろ)」
熊本城を見て「今まで、ちゃんとしたお城を見たことがなかったんだな」と気づいた。
白く美しい外観と、地上6階・地下1階建ての城内は、階ごとに熊本城を管理した藩主や時代の変化が詳細に展示されていて、見どころ満載。
細川時代に水害対策として、蛇行した川を真っすぐ流れるように大整備を行ったこと、2016年の熊本地震で崩れた石垣は石にすべて番号が振られ、地震前の写真を元にパズルのように復元したという話が衝撃だった。
熊本地震の傷跡が今なお残る
・名称:熊本城
・住所:〒860-0002 熊本県熊本市中央区本丸1−1
・地図:
・営業時間:9:00~17:00(最終入園16:00)※天守閣最終登閣は16:30まで
・定休日:12月29日 ※荒天などにより休園する場合があります
・料金:高校生以上 (個人)800円 (団体)640円、小・中学生 (個人)300円 (団体)240円
、未就学児 無料
・公式サイトURL:https://castle.kumamoto-guide.jp/
熊本市電で街をぶらり散策する
路面電車「熊本市電」レトロバージョン
路面電車のあるところには、歴史あり。昨年、全国各地をめぐって気づいた法則だ。
路面電車「熊本市電」は、一律200円。5分おきくらいにどんどん電車が来るので、市内散策にとても便利。車窓から見える熊本市街は、現代の建物と古い建物が入り交じり、調和している雰囲気が印象的だった。
偉人たちの住まいでタイムスリップ体験する
最古の洋風建築「熊本洋学校教師ジェーンズ邸」
明治時代、西洋の文化が入ってきた名残を感じられるのが「熊本洋学校教師ジェーンズ邸」。
熊本県内に現存する最古の洋風建築で、現在は県の重要文化財に指定されている。近くには夏目漱石の旧居もあり、彼らが生きていた時代に思いを馳せるひとときとなった。
夏目漱石大江旧居
・名称:熊本洋学校教師ジェーンズ邸
・住所:〒862-0956 熊本県熊本市中央区水前寺公園12−10
・地図:
・営業時間:9:30~16:30
・定休日:月曜日(祝・祭日の場合翌日)、年末年始(12/29~1/3)
・料金: 大人・高校生 200円、小・中学生 100円、未就学児 無料(熊本市内の小・中学生は無料、また65歳以上の方も無料)
・公式サイトURL:https://kumamoto-guide.jp/spots/detail/72
黒川温泉でまったり過ごす
夏祭り時期で提灯がともる黒川温泉
熊本市街からバスで約3時間。人里離れた山奥にあるのが「黒川温泉」。初めて知った場所だったが、今まで知らなかったのがもったいないくらい最高の温泉地だった。
湯めぐり手形発祥の地をめぐる
使い終わった湯めぐり手形は黒川地蔵尊に掛けられる
全国の温泉地でよくある”湯めぐり手形”を最初に作ったのが黒川温泉。
「一軒で儲かるのではなく、地域全体で黒川温泉郷を盛り上げたい」との思いから生まれた湯めぐり手形を象徴するように、どの旅館も看板の色味が統一され、一体感のある温泉地である。旅館の人手不足や長時間労働をなんとかしようと挑戦している旅館もあり、20~30代も働きやすそうな雰囲気だった。
25カ所の温泉・7つの泉質を比べてみる
黒川温泉の地図。パンフレットには各温泉の泉質や温泉ソムリエによる、おすすめ湯めぐり方法が記載されている
日帰りできる温泉の数が25カ所、泉質も7種類とその豊富さにビックリ!
温泉街の中心地は川に沿うように旅館が建っていて、昔ながらの石段や岩で作られたお風呂や滝が見られるお風呂など、地形を生かした作りに温泉に辿り着くまでもワクワクが止まらなかった。
中心街から少し離れた温泉は、敷地が広くゆったりとした露天風呂が多く、まるで京都のような手入れされて美しい庭の中に温泉があるようだった。また入浴方法も立湯、寝湯、顔湯などさまざまなタイプがあり、すべてを満喫するには時間が足りなかった。
たくさんの温泉卵を味わう
いこい旅館の温泉卵
他の温泉地と違うなと感じたのが、温泉卵があちこちにあること。泉質によって味も違い、私のお気に入りは南城苑の温泉卵。鉄成分の影響か、お肉の燻製ような香りがして美味しかった。
黒川温泉に行った際は、湯めぐりだけではなく”温泉卵食べ歩き”もおすすめしたい。
南城苑の温泉卵。殻がひび割れていた部分が黒くなっている