ライター
Saki リトアニア留学経験者

リトアニアに1年留学に行ってました。よろしくお願いします。

こんにちは、Sakiです。リトアニアの郷土料理ってどんなものかご存じでしょうか。留学前、私はリトアニア料理が口に合わなかったらどうしよう……と、よく不安になっていました。

しかし、リトアニアの料理は結構日本人の口に合うんです。今回はそんな、未知なるリトアニアの郷土料理についてご紹介します。

 

リトアニアのご飯の特徴

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リトアニアのご飯は、とにかくじゃがいもの使用率が高いです。じゃがいものパンケーキに、じゃがいもで肉を巻いたもの、じゃがいもを蒸したもの。多くの場合、じゃがいもに味が薄めのサワークリームを付けて食べます。

冬はマイナス25度くらいまで下がるリトアニアでは、体温を上げてくれるじゃがいもが必要だったと言われています。じゃがいもは土の中で育つので、厳しい冬を乗り越えられました。歴史的に見ても、各国の飢饉を乗り越えてきた背景には、じゃがいもの存在がありますよね。

そういった環境が揃い、じゃがいもがよく活用されるようになったそう。今でも、じゃがいも2キロが300円くらいで売られているのをスーパーで見かけます。

 

ツェペリナイ

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じゃがいもをたっぷり使用した、まさに「リトアニア料理」を代表しているのがこちらのツェペリナイ。肉の周りにじゃがいもを巻いた料理です。例のごとく、サワークリームを付けて食べるのが風習のようです。

味付けは薄く、サワークリームも味が薄いので、どちらかというと日本の和食的な味わいです。大抵のレストランでは1個入りか2個入りが選べますが、最初は1個入りを注文した方が無難です。

なぜなら、1個でも結構お腹いっぱいになるから。巻いてあるじゃがいもがもちもちしているので、咀嚼が進み、満腹感を感じるのでしょうね。これもじゃがいもの特徴のひとつ。少ない量で満腹になることができるという点でも重宝されていたのかもしれません。

「ツェペリナイ」という名前は飛行船を意味する「ツェッペリン」からきています。ちなみに、ツェッペリンはドイツ語。ここにも、ドイツに占領されていた歴史が感じられます。

 

キビナイ

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キビナイは、肉の周りをパイで包み焼いたもので、本当に絶品。中から溢れ出る肉汁とあつあつのパイのコラボレーションがたまりません!リトアニアを訪れたら絶対に食べてもらいたい一品です。おやつとしても夜食としても食べやすく、私はこれのせいで10キロ太って帰国したほど。

キビナイの起源はリトアニアの民族ではなく、「カライメ族」というクリミアからきた傭兵が発祥ですが、一応リトアニア料理ということになっています。そのカライメ族がいたのが、ヴィリニュスから電車で30分ほど行ったところにあるトラカイです。

 

レストラン「Senoji Kibinine」

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トラカイに来たら必ず訪れたいのは、キビナイを初めて作ったと言われているレストランの「Senoji Kibinine」。トラカイ城からは少し離れた位置にありますが、歩いて行くとそれほどの距離ではありません。

このレストランでは、カライム族が作ったキビナイを継承して作り続けており、現在のものとは味付けが多少異なることから「オールドキビナイ」と呼ばれているのだそう。ヴィリニュスにも支店がありますが、こちらのレストランのみが何年も続いている老舗なので、雰囲気も合わせて楽しめます。

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同じ系列店のキビナイの移動販売もヴィリニュスでやっているようですので、こちらもおすすめです。

■詳細情報
・名称:Senoji Kibinine
・住所: Karaimų g. 65, Trakai 21104
・地図:
・アクセス:Trakai駅から徒歩40分
・営業時間:10時~22時
・定休日:無し
・電話番号:+370 528 55865
・料金:料理による
・所要時間:1時間程
・公式サイトURL:https://www.kibinas.lt/

キビナイ販売店「SENOJI KIBININĖ kavinukė prie įėjimo į požeminį parkingą」

また、ヴィリニュス市内には、キビナイを専門に売っているお店があります。専門店ができるほど、中に詰めるものの種類が豊富なキビナイ。ここでは牛肉やマッシュルームはもちろんのこと、ベジタリアン向けの野菜のキビナイも食べられます。

こちらはレストランではなく小さなお店で、椅子とテーブルが1組置いてあるだけ。キビナイを買うと、売っているおばあさんがオーブンで温めてくれます。寒い外で食べる温かいキビナイは最高です。

私もよくここに通っていましたが、販売しているおばあさん達は英語が話せません。指をさして「これ」と言うとたまに間違ったものが出てくるので、注意深く何を取るか見ておきましょう。

■詳細情報
・名称:SENOJI KIBININĖ kavinukė prie įėjimo į požeminį parkingą
・住所:Gedimino 9A, 01105
・地図:
・アクセス:Arkikatedraバス停から徒歩5分
・営業時間:10時~21時
・定休日:無し
・電話番号:+370 659 67417
・料金:キビナイによる
・所要時間:10分~20分

 

ケプタドゥオナ

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リトアニアのおつまみ、ケプタドゥオナはビールとよく合います。特に、リトアニア名産の黒ビールとの相性は抜群。お酒好きな方は絶対に試してほしいセットです。

ケプタドゥオナとは、そのままケプタ(揚げた)ドゥオナ(パン)という意味で、黒パンを油で揚げ、味付けしたシンプルなもの。大体ケプタドゥオナを注文すると、あつあつのチーズが付いてくるのですが、これに付けて食べるのがまた絶品。リトアニアのバーやレストランには絶対にあるので、入店した際には注文してみてほしいです。

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黒パンとはライ麦パンのことで、歯ごたえがあり酸っぱいです。甘酸っぱい味と言ったら分かりやすいでしょうか。とにかく、独特な風味があるので好みが別れます。

実は、私は黒パンが得意ではないのですが、このケプタドゥオナだけは美味しく食べられました。カリカリしていて、お煎餅のような感覚なので、「ヨーロッパに来たのに黒パンが苦手で食べられない」といった方にもおすすめです。

 

シャルティバルシチャイ

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少し前、日本でも話題になったピンクのスープこと、シャルティバルシチャイ。「バルシチャイ」って、何かの料理と発音が似ていると思いませんか?そう、ロシアのビーツを煮込んだスープ「ボルシチ」とよく似ています。

リトアニア語でバルシチャイとはボルシチのことで、シャルティとは冷たいという意味です。ロシアの暖かいスープとは違い、リトアニアでは夏に飲む冷製スープ。

ビーツにケフィアというヨーグルトのようなものを混ぜるのですが、ビーツが入っているおかげでスープが真っピンク色。私がSNSに載せたところ「インク飲んでる?」といった声も見られました。それほどに鮮やかなピンク色をしています。

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そんなシャルティバルシチャイの味は、正直、場所によってまちまち。美味しいところもあれば、独特の風味が出すぎているところもあります。美味しく食べたいなら、自分で作ってしまうのがおすすめ。

作り方は簡単で、ビーツにケフィアを入れ、卵やきゅうり、ねぎを入れるだけ。10分も要りません。

注意してほしいのがケフィアの購入。リトアニアで購入する際は表記がリトアニア語しかない上に、牛乳の隣に並んでいます。非常に紛らわしいです。

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こちらは、私が牛乳と間違えてケフィアを購入してしまった時の写真。そう、見た目まで牛乳そのものなのです。見分け方としては、牛が描かれているか否か、これに頼るしかありません。店員さんに聞くのもいいですが、英語が通じないこともあるので注意してくださいね。

 

豚耳

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リトアニアでは、豚の耳は細く切って燻製のおつまみにしたり、料理に入れたりします。おつまみのプレートを頼むと、大体チーズやベーコンと並んで豚の耳が入っているくらい、リトアニアでは人気な食べ物のようです。キクラゲのような見た目のものがあれば、それは豚の耳。正直、見た目では豚の耳かどうかわかりません。

食感はコリコリとしていて、味はほとんどベーコンと変わらず塩っぽい感じで美味しいです。これもビールとよく合います!

料理では、グラタンなどに入れられていて見えないことが多いので、もしかしたらリトアニアで気がつかないうちに食べているかもしれません。もし、メニューに「kiaulės ausis」と書かれていたら、それは豚の耳という意味なので挑戦してみてください。

 

ギラ

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リトアニアのスーパーで絶対に見かけるのがこちらのギラという飲み物。真っ黒で何だかアヤシイものがたくさん使われていそうな見た目。

実は、ここにも黒パンが使われており、フルーツなどを一緒に発酵させた飲み物なので、このような色をしています。着色料などは入っていない、完全にオーガニックな飲み物。実際、スーパーで買うよりも自分で好みの味に作る方が好きという方も多くいるみたいです。

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味は、各自発酵させているもので異なりますが、大体はお酒の風味のコカ・コーラのような味がします。リトアニア国内ではソフトドリンク扱いなのですが、発酵させているので1%くらいのアルコールが含まれていることに注意が必要です。アルコールアレルギーの方は特に気をつけてください。

 

リトアニアの郷土料理は何を食べても美味しい

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日本から300キロ離れた東欧の国、リトアニアの料理をご紹介しました。リトアニア料理は紹介したものだけでなく、他にもじゃがいもを使った料理が多く存在します。じゃがいもをスライスして焼いた、じゃがいものパンケーキなどは日本でも作れるので、リトアニアが恋しくなったらおすすめです。

また、近隣の国料理を味わえるレストランも多くあり、ヴィリニュスでは本場イタリアのピザが安価で食べられたり、本場のケバブが食べられたりします。リトアニア観光の合間に、リトアニアレストラン巡りをしてみてください。

ライター
Saki リトアニア留学経験者

リトアニアに1年留学に行ってました。よろしくお願いします。

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