ライター
向井 愛美 ディレクター・編集者

大阪出身。広告代理店出身、元フリートラベルライター。観光業の発展と個々人の選択肢を広げることに尽力したい。とにかく新しい体験や感動に出会える旅行が好き。人生楽しんだもん勝ち。

こんにちは!TABIPPOのManami(@manami_travel)です。旅が大好きで、マーケティングや記事執筆の仕事をしながら世界中を飛び回っています。

自己紹介はこのへんにして。

今回わたしがご紹介したいのは「ルクセンブルク」という国。ヨーロッパにあるとても小さな国で、正式名称は「ルクセンブルク大公国」と言います。

人口は約60万人。国面積は神奈川県より少し大きいくらいでしょうか。

そんなルクセンブルク、実は1人あたりのGDP(国内総生産)が20年以上連続で世界1位なんです。つまり世界で最もリッチな国のひとつ

そして人口の約半分が外国人で、100か国以上の多国籍国家なのだそう。

ここまで聞くと、オフィスビル以外何もなさそう…と想像する方もいらっしゃるのでは?

実はそんなことは全くなくて、首都ルクセンブルク市にある旧市街地は世界遺産に登録されていますし、むしろ国全体を通して自然豊かなんです。

だんだんルクセンブルクのことが気になってきませんか?

というわけで、実際にルクセンブルクを旅してきました!観光名所からグルメまでルクセンブルクの魅力をご紹介していきます。

 

旧市街地とビジネス街が隣接する首都・ルクセンブルク

冒頭でもお話したとおり、首都であるルクセンブルク市内には世界遺産に登録されている旧市街地があります。ここがメインの観光名所。後ほど詳しくお伝えします。

そしてこれがルクセンブルクの面白いところなのですが、その旧市街地と逆の方向を見てみると、先進的な建物が並ぶオフィス街があるんです。

金融業やIT関係のオフィスが多いそう。

これがルクセンブルクが世界でもトップクラスの富裕国であることに関係しています。(気になる方は調べてみてください!よりルクセンブルクに興味がわくかも。)

そんなオフィス街と世界遺産の街、つまり新市街と旧市街が目と鼻の先。小国ならではの景色ですよね。

その新旧の街を繋いでいるのが、この長い橋です。写真の先にあるのは新市街の方。新市街の方もヨーロッパらしい美しい建築物が目立ちます。

左側には緑豊かな森林と渓谷が広がっていますよね。旧市街地は元々、その渓谷による天然の要塞と城壁に守られた城塞都市だったんです。ヨーロッパの中心に位置するルクセンブルクはこれによって大国から自国を守ってきました。

さて、素晴らしい要塞に守られてきた旧市街地はどのような場所なのでしょうか。

 

世界遺産に登録されている旧市街地と要塞

旧市街地に入ると、さっそく高くそびえる像があります。第一次世界大戦と第二次世界大戦の慰霊碑です。

第一次世界大戦時に一度壊されましたが、上部の金の像だけはルクセンブルク市民が守り、当時のままのものが今も置かれています。

市街地はこんな雰囲気。かわいい…!

中世の雰囲気を残しながらも、様々なお店やレストランなどが並んでいます。どこの写真を撮っても絵本みたいに素敵な風景が広がっていました。

旧市街地を散策していると、ガイドさんが「あ!あの方知ってます?ルクセンブルクの有名人です!」と話しかけにいきました。

誰だと思いますか?

答えは、まさかのルクセンブルク首相!なんとたまたまエコバッグを持ってお買い物に行く姿を発見したのでした。46歳のフランクでかっこいい首相でした。

一国の首相にこんな気軽に会えるなんて…なんだか一気にルクセンブルクが好きになりました。

そんなサプライズがありながら旧市街地を散策したあとは、旧市街地を守っていた要塞もぜひ見学してみてください。

ルクセンブルクの語源は、小さな城という意味の言葉。この要塞に守られた小さなお城こそ、ルクセンブルクの起源と言われています。そして、時代を経てハプスブルク家が城壁を大きくしていったという歴史があります。

世界史好きにはたまりませんね。(ハプスブルク家と聞いてわたしもテンションが上がりました。)

 

旧市街地のオススメ観光スポット

旧市街地の観光スポットは要塞だけではありません。ぜひ行ってみてほしいのが「ノートルダム大聖堂」。

パリにあるノートルダム大聖堂が有名ですが、ルクセンブルクのノートルダム大聖堂も美しいんです。

大聖堂の古い部分は400年前に作られ、ステンドクラスは19世紀に作られたものなんだそう。

特徴的な尖塔だけでなく、中の建築やステンドグラスもとてもきれいです。

複数の建築様式が混ざり合ったユニークなデザインが他のヨーロッパ諸国とは異なるところ。ヨーロッパの中心で、様々な国の文化の影響を受けたルクセンブルクならではですよね。

もう1つオススメしたいのが、旧市街地を上から見渡せる展望台の役割と下へ降りる移動の役割を果たす「Pfaffenthal Lift」というパノラマリフト

突き出した展望台から旧市街を俯瞰し、その後、エレベーターで高い位置から景色を見ながら降りられる絶景スポットです。

展望台の床は透けている仕様。正直かなり怖かったです…。実際に上まで来るとかなり高さを感じました。

見える景色がこちら。世界遺産を上から見るという思い出に残るきれいな景色が見られるはずなので、ぜひ行ってみてください!

 

ルクセンブルク郊外を訪ねる

ルクセンブルクに来たら、ルクセンブルク市以外の場所も訪れてみてください。小さい国なので、比較的アクセスも良いと思います。

有名なお城があるヴィアンデン

まず最初におすすめするのは「ヴィアンデン」という都市。ドイツに隣接した都市で、中世の頃はルクセンブルクで3番目の都市だったそう。

今は、1つのお城、2つの博物館、6つの教会がある人口2,000人の小さな街。ただ、この街では1年中なにかしらのイベントが行われていて、ルクセンブルク中の人が訪れるとのこと。

わたしが行った時期はちょうどウォルナットフェスティバル(くるみフェスティバル)の準備期間でした。参加したかった…!

このヴィアンデン、日本でも大ブームを巻き起こした『レ・ミゼラブル』でも有名なビクトリア・ユーゴゆかりの地。街にはロダンが作ったビクトリア・ユーゴの像が飾られていました。

また、彼が泊まったホテルが「ビクトリア・ユーゴ」という名のホテルで存在していたり、2つあるうちの片方の博物館は彼の博物館だったりします。

ヴィアンデンに訪れてほしい1番の理由は「ヴィアンデン城」があるから。中世の古城が多く残るルクセンブルクのお城の中でも、随一の名城と言われています。ヨーロッパの100名城にも選ばれている有名なお城なんです。

外観もこの通り美しいのですが、内観も、さらに城からの景色もとてもきれいなんだとか。というのも、わたしが行った時間にはもう見学時間が終わっていて中に入れなかったんです。この旅、最大級の心残り…。みなさんはぜひ中まで足を運んでみてくださいね!

必見のエキシビジョンがあるクレルヴォー

もうひとつおすすめしたい街が「クレルヴォー」です。ルクセンブルク北部の街で、白い城クレルヴォー城があります。

クレルヴォーに足を運んでまで見てほしいものは、実は写真展。

1955年に有名なニューヨークのMoMAで企画展示された「The Family of Man(ザ・ファミリー・オブ・マン)」がクレルヴォー城で常設展示されており、その写真展が本当に素晴らしかったんです。

この写真展を企画したのは巨匠エドワード・スタイケン。彼がルクセンブルク出身であったことから、世界中で展覧会がなされたあと、ルクセンブルクで永久展示されることになりました。

この写真展は第二次世界大戦前後に撮られた世界各国の写真を集めたもので、世界中の人々の当時の姿を見ることができます。

写真の飾り方にもストーリーがあり、それぞれの写真からも様々なストーリーを読み取ることができます。

日本でも1956年~1957年の間に各地を巡回して展示されていました。今ではここルクセンブルクでしか見ることのできない貴重なエキシビジョンです。

数々の写真を通して世界や平和のことを考えてみる旅もいいのではないでしょうか。また、有名なカメラマンの写真ばかりなので、写真好きのみなさんにはさらに魅力的かと思います。

 

ルクセンブルクはグルメのレベルも高い

ルクセンブルクで飲める特別なワイン

最後にグルメについてもご紹介します!まずはワイン。

実はルクセンブルクではワインが有名。特に白ワインやスパークリングワインの名産地なんです。

ルクセンブルク郊外のモーゼルというエリアには、一面の葡萄畑が広がっています。許可をいただいて収穫後の余りのぶどうを試食させてもらうと、甘くてとても美味しかったです。

ちなみに、このモーゼルに流れるモーゼル川は、フランスとドイツそしてルクセンブルクに流れる国際河川で、この葡萄畑からはフランスとドイツを遠目に見ることができました。島国の日本にはない貴重な体験…!

さて、ワインが美味しい場所で楽しいのは、ワイナリー見学。ぜひワインを飲んだり買ったりする前にワイナリー見学をしてみてください。ワイナリーのガイドさんが説明をしながら案内してくれます。

今回は「Caves St Martin」というワイナリーへ。1919年創業で、ちょうど100周年を迎えた老舗。ここではスパークリングを含む白ワイン8種類、赤ワイン2種類を作っているそうです。

ここで作られるスパークリングワインは、発酵段階で2年寝かせることによって生まれる繊細な泡が楽しめる「クレモン」と呼ばれるもの。

スパークリングといえばフランスのシャンパーニュ地方で作られるシャンパンが有名ですが、クレモンはその地方とは異なる品種のぶどうを使っていることから出来上がりの味が違っていて、また異なる楽しみ方ができるんだとか。

クレモンはフルーティーで酸が少なく飲みやすいのが特徴。いろんな味をこれでもかと試飲させてもらいましたが、どれも本当に飲みやすくて味わい深かったです。ワイナリー見学のお客さんは様々な味を試飲させてもらえるようでした。

ルクセンブルクの歴史と文化を感じる料理

この記事を最初から読んでくださっている方はなんとなくお気づきかもしれませんが、ルクセンブルクはヨーロッパの様々な国の影響を受けている国です。

それゆえに、ミックスされた文化こそがルクセンブルクのユニークな文化とも言えるかと思います。

そういう意味で料理は特にその影響が大きく、これぞ!という料理があまりない印象でした。ただ、全部美味しい。各国のいいとこ取りをしたようなそんな料理だと思います。

特にわたしがオススメしたいのが、お肉料理。こちらはチキンのソテーですが、ソースがホワイトソースでルクセンブルクの伝統的な味付けだそうです。クリーミーかつスパイシーで上品な味でした。

こちらのチキンはLe Place d’Armesというホテルに入っている「LE PLËSS」でいただきました。

こちらは牛肉のタルタル。フランスではメジャーな料理で、生肉に刻んだ野菜と調味料が混ぜ合わされたもの。いくらでも食べられそうでした。お肉も新鮮で臭みがなく絶品。

こちらはCapucinsというカフェのランチ。

というわけで、どこのお店に入ってもヨーロッパらしいかつルクセンブルクのユニークさが入った美味しい料理を食べることができます。それって実は一番グルメなのでは?なんて思ったりしました。

他にもチョコレートやケーキなどのスイーツも有名です。

 

まだ行ったことのないルクセンブルクへ

ルクセンブルクの魅力をぎゅっとまとめてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?小さな国に見どころがたくさんある素敵な国だということが伝わっていれば幸いです!

もっとルクセンブルクについて知りたい方は、ルクセンブルク政府観光局のHPInstagaramを見てみてください。

そしてそして、せっかくヨーロッパに行くなら他の国にも行きたいという方には、ルクセンブルクの隣国ベルギーがオススメです。

ベルギーも小さな国なのでルクセンブルク同様魅力がぎゅっと詰まった国で、両国堪能するのにベストな組み合わせだと思います!

実際わたしもベルギーとルクセンブルクを組み合わせて行ってきました。ベルギーの記事もよかったらご覧ください。

観光もグルメも最高に楽しめる!「美食の国」ベルギー旅のススメ

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