アメリカ音楽の歴史が始まったとされる街、テネシー州・メンフィス。筆者・阿部サキソフォンは中学校入学と同時にビッグバンドジャズ部に入部し、大学でもジャズ研究部で活動をしていました。
大学在住中にアメリカ留学をし、学校の休暇を利用してジャズのルーツと言われるブルース発祥の地「メンフィス」を訪問。あまりメディアでも取り上げられることの少ない「メンフィス」、その楽しみ方をご紹介します。
エルヴィスを生んだSun Studio
1950年、地元の音楽プロデューサーによって開かれたレコーディングスタジオ。2003年にはアメリカ合衆国の歴史的建造物に指定されました。
ここを一躍有名にしたのは、永年のロックスター「エルヴィス・プレスリー」。1953年に彼はこのスタジオで「That’s All Right, Mama」を収録し、デビューのきっかけとなりました。
スタジオ内には歴史を感じる展示品ばかり。エルヴィスが実際に使用したと思われるマイクスタンドもそのままになっています。ここで彼がレコーディングしていたのか…!と考えると、思わず鳥肌です。
Memphis Rock ‘n’ Museumで音楽の歴史を学ぶ
ブルースの誕生からゴスペル、そして70年代のロックミュージックに至るまでの歴史が紹介されています。
オーディオガイドを利用することができ、音楽の変遷を詳しく知ることができます。私は英語のガイドを使いましたが、日本語のガイドも数台あるそう。
館内には曲名がズラリと書かれたボードが数カ所展示してあり、ボタンを押すと曲を聴くことができます。詳しい歴史を知らなくとも、博物館を楽しめます。
ギブソンギターの製造過程が見られるGibson Memphis Factory
ギブソン・メンフィス・ファクトリーは2000年に、ESシリーズの生産拠点として発足。2013年にカスタムショップから独立し、観光客も有料で工場を見学することができます。
私はサックスを吹いているので、正直ギターにはあまり詳しくありません。それでもギブソンのギターが実際に形になっていく姿には、思わず興奮。
工場見学のツアー中には毎行程ごとにサンプルを実際に渡してくれるので、マニア以外の方でも十分楽しむことができます。
ちなみに、工場内は写真撮影不可。世界のギターが生まれる瞬間を、自分の眼に焼き付けておきましょう。
夜はBeale Streeetに繰り出してライブ鑑賞
メンフィスで一番有名な通り「ビールストリート」。通り自体はそこまで距離はないのですが、あちこちから音楽が聞こえてきて、ついふらっと入りたくなります。
私が3日連続で通ったほど気に入ったのは、こちらの「Blues Hall Juke Joint」というお店。バンドもお客さんもノリがよく、演奏しながらお客さんに近づくと一緒に踊りだすことも。