アメリカを西から東へ縦断し、大都ニューヨークから渡った先はメキシコの首都メキシコシティ。
思っていたよりも大きくてきれいな空港と都市の高層ビルディングが並ぶ発展している姿とともに見えるのは、交通渋滞の概念を覆されるような車の数と強引な運転と、公園のあちらこちらに居る物乞いの人々と…
そんなメキシコに着いて3日目。
私のお腹は悲鳴を上げました。お腹だけならよかったのですが、発熱もしまして、宿のスタッフさんに相談したところ、すぐさま病院送りとなりました。
海外での初診療。日本人宿のスタッフさんに連れられ、ドキドキしながら順番を待ちました。
狭い通路を越えた先に4畳の診療室
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宿から歩いて5分ほどのところにある場所に、診療所がありました。
連れて行ってもらったので場所に迷うことはなかったのですが、マンションみたいな建物の奥行った先にある小さな扉の中がその診療所でした。
大きな看板が出ているわけでなく、大人2人は並んで進めない程の細い通路を進み、先にある扉の奥。
知っている人にしか絶対に分からないようなここで診てもらうことに対して不安が一気にやってきます。
小さな診察室なので待合場所なんて無く、診察を受ける人以外は、扉の前の細い通路で待たなければなりませんでした。
通訳として一緒に連れて行って下さった方に確認して頂き、私の番となり入室を許されました。
目の前に現れたお医者さんは…
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座っていたのは若くてイケメンのお医者さん。同行の方いわく、この先生は腕もよく当たりだよとのことで一安心。
日本の病院と同じように症状を伝えて問診を受けた後、血液検査をする運びとなりました。
そして、ここからわたしは思っても見ない指示を受けることになるのです。
注射針は病人自ら買いに行く
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「じゃあ血液検査と注射を打たせてもらいますので、この紙を薬局へ持っていってまた戻ってきてくださいね。薬局は出て左にあるから。」とイケメン先生がさらっと伝えてくる。
…へ?
説明の後に何か書かれた紙を渡されました。
「薬の処方せんならまだしも、注射のために?なんで?」
と思っていたところ、どうやら注射セットも診察を受けてから薬局で買い、それを使用して注射を打ってくれるというスタイルの模様。
小さな診療所を出てすぐ先の薬局で紙を渡し、注射の容器と針を買い、診療所へ戻りました。