ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

もうすぐ2023年が終わる12月、今年は一年を振り返っている方も多いでしょう。みなさんは家庭、仕事、余暇についてどのような一年を過ごされましたか?

筆者にとってはどれも全力投球で駆け抜けた一年でした。仕事の合間を縫っては遠方へ足を運び、年間の4分の1以上を旅に充てることができました。

その中でアクティブに通い続けたのが山です。中部エリアを中心に、北は最果ての日本百名山「利尻岳」から、南は九州の「くじゅう連山・祖母山」まで。野趣に富んだ山の世界との出会いの連続でした。

そこで今回は、2023年に筆者が登った山の中からおすすめの山をお届けします!花の名山から四季の移ろいが見せる奇跡の絶景まで、色鮮やかな写真とともにご覧ください。

憧れの山域をたっぷり歩いた2023年


過去4年間ほど、年間30〜50座を目標に登山を続けてきた筆者。2023年のテーマとなったのは”父親と憧れの山域へ”です。登山愛好家であれば一度は登ってみたいと願う山域を、自分の父親とともに目指しました。

65歳を超える父親は筆者と比べても遜色ない体力の持ち主ですが、年齢を考えるとハードな山は厳しくなってくるところ。そこで今のうちに、憧れの山域へ遠征しつつ、親子水入らずの登山旅行を満喫しました。

登山を通して景色と達成感を共有する時間こそ、親子にとって欠かせないコミュニケーション。2人ともまるで子どものようにはしゃいだ時間が最高の思い出です。

利尻山|高山植物が彩る最北の百名山【北海道】

今年の目玉となったのは、日本最果ての百名山「利尻山(りしりさん、標高1,721m)」。北海道の中でも最北にある離島・利尻島の最高峰です。厳しい気候条件にあり、天気予報も芳しくなかったため、霧雨の中でのスタートでしたが、昼が近づくにつれ天気が好転。

中腹にある長官山では、これぞ利尻山と言える美しい山容を望みました。天空のお花畑に、圧倒的な高度感を楽しめる稜線の道。山頂では360度の絶景パノラマが広がり、まさに北海道のスケールを存分に味わえた山行でした。


ずっと晴れという天気もいいのですが、山の醍醐味は劇的な景色変化。何も見えない霧雨から雲の上まで辿り着き、少しずつ視界が開け、展望台では日本海を望みます。そんなドラマチックな情景を他の登山者と共有したひとときが強く思い出に残っています。

新調したFUJIFILMのミラーレス一眼XH-2のフィルムシミュレーションを使って、道中の風景を切り取るのも一興です。


標高は1,000m後半ですが、緯度を考慮して本州の標高3,000m級に遜色ない気候の利尻山。山頂付近には息を呑むほど美しい花畑が展開します。まるで登頂を祝福してくれているかのような高山植物の群落に感動しました。

下山後は宿まで自力で歩くというストイックさも魅力の利尻山。海から山までひとつづきで大自然を味わえる日本有数の名山です。

■詳細情報
・名称:利尻山(利尻富士)
・住所:北海道利尻郡利尻富士町/利尻町
・地図:
・アクセス:利尻北野営場まで旅館の送迎バスを利用。利尻北野営場にて前泊も可能。
・所要時間:往復約9時間
・オススメの時期:夏
・備考:高山植物の見頃は7月〜8月です。Yamap(https://yamap.com/mountains/80)のログで、登山道の状況を確認しながら計画を立てましょう。
・YAMAP公式サイトURL:https://yamap.com/mountains/80

くじゅう連山|ミヤマキリシマが彩る新緑の山塊【大分県】


6月上旬になると、鮮やかに咲き誇るツツジ・ミヤマキリシマ。九州の屋根と言える「くじゅう連山」は、まるでピンクの絨毯のようにミヤマキリシマの大群落が広がる、日本屈指の山域として知られています。

初夏のくじゅう連山はまだ新緑の季節で、緑が徐々に濃くなる時期。気温はそれほど高くなく、爽快な山の風に吹かれながら、くじゅう登山口から6つもの山頂をつなぐ壮大な一周コースに挑戦しました。


ミヤマキリシマの有名なポイントは平治岳ですが、他にもすばらしかったのは「北大船山(きたたいせんさん)周辺」。くじゅう連山の主峰を背景にピンクと緑が織りなす山肌は、言葉にもならないほどの絶景でした。

また一つひとつの山頂ごとに少しずつ趣が違い、最初から最後まで変化に富んでいるコースは、くじゅう連山の表情の豊かさを物語っているように感じられます。


もう一つおすすめなのは、「立中山(たっちゅうざん)周辺」。くじゅう連山登山の基地になっている”坊ヶつる”からアクセスしやすい山です。ミヤマキリシマの密度や周囲の景色とのコラボレーションは群を抜く美しさでした。

登る人の体力や習熟度によっていろいろなルートバリエーションを作れるのも、くじゅう連山の魅力の一つ。次は紅葉に囲われる御池を見に、秋のくじゅう連山にも登りたいです。

■詳細情報
・名称:くじゅう連山(平治岳・大船山・立中山)
・住所:大分県竹田市久住町大字有氏
・地図:
・アクセス:長者原ビジターセンターまで九州横断自動車道・九重ICから車約28分
・所要時間:長者原ビジターセンターから平治岳まで片道約4時間、平次岳から大船山まで徒歩約2時間、大船山から立中山まで徒歩約1時間45分、立中山から長者原ビジターセンターまで徒歩約3時間10分
・オススメの時期:初夏(6月)
・備考:ミヤマキリシマの見頃は6月上旬〜中旬です。Yamap(https://yamap.com/maps/5)のログで、登山道の状況を確認しながら計画を立てましょう。
・YAMAP公式サイトURL:https://yamap.com/maps/5
ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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