例えば、日本語は基本的にa, i, u, e, oの5つしか母音がないのに対し、アメリカ英語で16個、イギリス英語で20個とも言われています。言語的な性質に乖離があればある程、慣れるまでに、相当の時間と労力を必要とすることになります。
理由4、日本人の言語の学び方が影響
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日本の学校では、少なくとも6年間は必ず英語を勉強しますが、学校で習う文法・読解中心の勉強法では、スピーキングやリスニングといった、瞬発力の求められる’コミュニケーションのための英語’は、身につけられません。
ペーパーテストで高得点をあげても、満足に話せないと感じている人も多いのです。これは、アジア系の学生に共通して言えることのようで、勉強=読み書き、と捉える向きがずっと継承されてきているからだと思われます。
(しかし、これは、思春期をすぎてからの言語学習法としては、理にかなっていて、ある意味強みにもなるので、完全に否定すべきではないでしょう。)
理由5、英語の自発的な目的が持てない
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理由1でも書きましたが、そもそも論で、日本で英語が求められると言う状況は、基本的に「(英語の試験の)スコア」を求められる、という意味だと言えるのではないでしょうか。
その他は一言で言うと、「話せたら良いな」という憧れが、英語を習う原動力になっているパターンが大半かと思います。
子どもの習い事でも、英会話は人気で、必ず上位にランクインしますが、将来仕事で使えるレベルになるかというと、それはまた別の問題ですし、日常で使わない言語の学習を継続するモチベーションを長期間、憧れだけで保つのは、大変困難だと言えます。
まとめ
今回は、どうして日本人が英語を出来ないのか、ということについてお話ししてきましたが、”日本人は外国語学習が苦手”というより、”日常の環境において、学習意欲をどう保持するか”を、個人の意思任せだけにしていては、根本的に難しいのかもしれませんね。
Dead Languageの一つ、ラテン語は、読んで理解する人はいますが、もはや誰も喋る人はいません。言語は、常にブラッシュアップしていないと著しく運用能力が低下しますし、話されてこそ、本当に生きているということなのでしょう。
学習の際は、年齢に応じたバランス配分を考慮しつつ、瞬発的なコミュニケーション能力をあげるという目標を明確にして、地道に向き合いたいですね。