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永野 桃 TABIPPO編集部 / フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

長崎の小値賀島から行ける人がいなくなった島・野崎島。2018年、世界遺産に登録されたことで、知られるようになりました。高度経済成長をきっかけにだんだん人が島を離れ、今は施設管理関係者以外は、ニホンジカやイノシシなどが住むほぼ無人島に。

そんな野崎島へ日帰りで行ったところ、想像以上に映画「ライオン・キング」を彷彿させるような絶景と、ゆるりと旅を楽しめる土地が広がっていました。野崎島の歴史やアクセス方法を合わせてご紹介します。

長崎にある人がいなくなった島・野崎島

長崎にある野崎島は、「西海国立公園」の一部で、「重要文化的景観」にも指定されている島です。かつては3集落あり、神道の野崎集落の他に、17~19世紀に禁止されていたキリスト教を密かに信仰していた、潜伏キリシタンが野首・月森集落に住んでおり、島全体で650人もの人が住んでいたそうです。

そのうち、高度経済成長がきっかけで皆本島に移ることとなり、2001年には元の住民はいなくなりました。

今は廃墟ばかりが並んでおり、住んでいたそのままの状態で家屋などが残っています。

野崎島から本島に行くのにはかなりお金がかかるもので、家で使っているものを船で運ぶより、引越し先でいろいろ揃えた方が安かったそうです。机の上にはお茶セット残され、人だけいなくなったような家も。

上記の写真は、実際に住んでいた家を観覧用に手入れをした施設。実際に住んでいた人の生活を垣間見れます。

そんな野崎島は、2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つである「野崎島の集落跡」として、世界遺産に登録されました。

野崎島に残るキリシタンの教会「旧野首教会」

野崎島に潜伏していたキリシタンたちは、厳しい弾圧を受けながらも信仰を守り抜き、禁教の時代が終わり、カトリックへ復帰しました。そして、1908年、野首集落の住民、17戸のキリスト教信者がコツコツ貯めたお金で教会を建てたのです。

住民がいなくなったあと、教会はポツンと残されたままでしたが、後世へ残したい「未来遺産」として、小値賀町が1985年に全面改修を実施。しかし、残せるものは残していこうということで、一部のステンドグラスは昔のものを使っていたりと、歴史を感じられます。旧野首教会は信仰を貫いた精神の象徴として、今も高台にたたずんでいます。

野崎島に住んでいるのは鹿やイノシシ、鳥などの野生動物だけ

元の住民がいなくなった野崎島ですが、今は鹿やイノシシ、鳥などの野生動物たちが住んでいます。鹿はどんどん数を増やし、今は400頭前後いるとされていて、野生動物では一番多い動物。鹿の研究者たちが度々訪れ、観察もするそうです。

イノシシは近年、海を泳いで渡って住み着いたそう。たくさんのイノシシが食糧を求め海を渡って、やっとのことでたどり着き、繁殖しています。そのほかには国指定の天然記念物であるカラスバトなどの鳥たちが、住み着いています。

イノシシは夜行性なため、私が訪れたときは見かけることはありませんでしたが、ニホンジカは人間を観察しているかのように、恐る恐る距離を取りながらこちらを見ていました。

野崎島には、ニホンジカが約400頭いると言われていますが、多くの鹿は山の奥にいるので、奈良の鹿のように寄ってくるわけではありません。人懐っこくもなく、どちらかというと堂々とそこに住んでいるという印象です。

私たちが住処にお邪魔しているといった表現の方が正しいのかも。邪魔しないように軽いハイキングを楽しみます。

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永野 桃 TABIPPO編集部 / フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

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