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永野 桃 TABIPPO編集部 / フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

長崎の離島の一つである小値賀(おぢか)島。長崎・佐世保から高速船で約二時間のところにあるこの島で、これまで見たことのない島民が参加して作り出す「小値賀島DIY Wedding」のモニター挙式が、はじめて行われたのです。

東京から片道約5時間かけて向かった先には、とにかく美しくあたたかい結婚式が待っていました。

長崎県五島列島の北に位置する小値賀島

小値賀島は、長崎県にある五島列島の中の一つ。長崎空港からバスまたはジャンボタクシーで1時間〜2時間掛けて佐世保駅へ、そこからさらに、1時間半程度かけて高速船を利用し、ようやくたどり着ける島です。

「小値賀町はね、なんもないの」と、島民の方が声を揃えて笑って答える通り、いわゆる目玉となる絶景観光スポットも多くなく、コンビニもありません。

お店は夜早くに閉まりますし、夜は真っ暗になる小値賀島にあるのは、島民の皆さんのあたたかさと自然。小値賀島は、それだけで十分な島なのです。

島丸ごと参加!「小値賀島DIY Wedding」

「小値賀島DIY Wedding」のモニター挙式を開催するきっかけとなったのは、長崎にある活水女子大学の学生さんが考案した、「小値賀でウェディングをする」という企画。これが、大学生観光まちづくりコンテスト2018最高賞となる観光庁長官賞を受賞したのです。

この受賞プランを長崎県と小値賀島と、ウェディングの第一線で活躍している「ワタベウェディング」がブラッシュアップし、事業化の検証としてモニター挙式をすることになりました。

小値賀島は島民の声全会一致で「なんもねえ」島。裏を返せば、「なんでもできる」島ということで、島を挙げてこのウェディングプランのモニター挙式を実施することに決まりました。

「小値賀島DIY Wedding」という名の通り、アーチや署名台は流木を利用、テーブルやお花台などは、島民が協力して造り上げました。

挙式に参列者が座る長椅子は、島民の方からの借り物。ブーケやヘッドドレス、挙式後のパーティーのテーブルに並ぶお花などは、島のお花屋さんが手掛けました。ヘアメイクも小値賀出身の方が担当し、パーティーの料理はほぼすべて小値賀産の食材で作られています。

そして、極め付けは挙式会場。なんと、潮が引かないと現れない砂浜の上で行います。言い換えれば、写真のように潮が引かなければ会場は出来上がりません。

主役は「長崎大好き」カップルの可愛らしいお二人

実は、今回は一般公募から選ばれたカップルのウェディング。たくさんの応募の中から、「大好きな長崎を盛り上げたい!」という想いで応募された、邦彦さんと佳奈さんカップルです。

二人の出会いは大学時代に入っていたオーケストラサークル。邦彦さんが佳奈さんに一目惚れ、佳奈さんは邦彦さんのいつも笑わせてくれるところに惹かれ、交際がスタートしました。そんなとき、邦彦さんは仕事で長崎に。

二人は遠距離恋愛になるも、佳奈さんは邦彦さんが長崎にいる2年間で6回も会いに行かれたそう。長崎と東京を行き来し、プロポーズを長崎五島で行い無事ゴールインとなりました。

そんな二人がこの「小値賀島DIY Wedding」のモニターを知ったのは、東京にある小値賀島をテーマにした居酒屋。二人で食事をしていたとき、今回の企画を知り応募されました。

「なんもないと言われていましたが、僕たちの要望に“なんでも”応えてくれる島の皆さんに本当に感謝しています。明日は天候だけが心配ですが、晴れそうで嬉しいです」と、挙式前日、ワクワクした様子で話してくれました。

「まさか小値賀でやるなんて!」島民の方のインタビュー

「小値賀島DIY Wedding」は、街に住んでいる島民の方がたくさん協力して作り上げます。今回結婚式に主に携わった方々を写真とともにご紹介します。

フラワーアイテム「ききょうや」

ブーケやヘッドピースを手掛けた「ききょうや」さん。新婦から希望のアクセサリーイメージが送られてきて、それに合うよう福岡までお花を取り寄せて完成させたそう。生花で作られたブーケとヘッドピースはとても上品で可愛らしいです。

担当した藤田ハツヨさんは、「送られてきたイメージ画像に、見たことのないお花があって。似たようなものを探すのに、島から出て福岡まで探しに行って、大変だったけどなんとかできてよかった」と安心していらっしゃいました。

ペーパーアイテム 活版印刷「OJIKAPPAN」

パーティーの席札を担当した活版印刷の「OJIKAPPAN」さん。先代まで続いた「晋弘舎」さんは100年以上ほどの歴史を持つ歴史ある印刷屋さんです。

一枚一枚、名前を変えて紙に文字を印刷していきます。そうして、深みのあるあたたかい席札が出来上がりました。

ヘアメイク「ふじや美容室」

新郎新婦のヘアメイクを担当したのは「ふじや美容室」さん。新婦の「ゆるふわ系で」というリクエストに答え、可愛く仕上げました。「小値賀で結婚式なんて、びっくりですが嬉しいです」と答えてくださいました。

パーティー料理 古民家レストラン「敬承 藤松」

挙式後のパーティーで料理を担当した、古民家レストラン「敬承 藤松」さん。小値賀産の食材を使ったコース料理を提供し、列席者の胃袋をガッチリ掴みました。

メインのお造りはギリギリまで何にするか悩み、料理を出す朝に上がった魚を豪華に盛り付けるそう。前日にディナーで上記写真のお料理をいただきましたが、新鮮さはもちろん、美味しさも飛び抜けていました。九州地方独特の甘いお醤油につけて食べる刺身に手が止まりませんでした……。

ウェルカムドリンク キッチンカー「flour jams」

挙式前にウェルカムドリンクを提供してくださったのは、キッチンカー「flour jams」さん。普段は「キューバサンド」「チキンとアボガドのサンド」などの人気商品を引っ提げて島中を回っています。

当日は、運営スタッフのまかないを作ってくださいました。

運営スタッフ「チームおぢかウェディング」

そして、この「小値賀島DIY Wedding」成功のために、半年以上も試行錯誤をして作り上げた運営スタッフ「チームおぢかウェディング」のみなさん。

会場選びからセッティング、参加者の呼びかけなど、小値賀島が大好きで、小値賀島のためにたくさんの時間を使って今回のウェディング成功へ、最後の最後まで走り回っていらっしゃいました。

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永野 桃 TABIPPO編集部 / フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

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