おっさん。
最近、筆者もついにおっさんと呼ばれるようになってきました。確かに腹は出てきたし、胃もたれはひどいし、筋肉痛は治らんし…徐々におっさん化する自分に気が付いています。
しかし、筆者は悲しくもなんともありません。というのも、筆者は世界中で素敵なおっさんに出会ってきたのです。あんなに、面白くて、優しくて、愛にあふれた人たちになれるなら、おっさんも悪くないかなと思っています。
というわけで、今回は筆者が世界中で出会った素敵なおっさんのエピソードを紹介していきます。
タイで出会った「娘に会いに来た」おっさん
僕がバンコクの路上で座っていた時、突然隣におっさんが座りました。ボロボロの服に伸び放題の髪。一見するとホームレスのようでした。
話を聞くと、田舎からバンコクに出稼ぎに出た娘に会いに来たとのこと。
正直この時点で「同情を誘って金をとるつもりかな?」と思いましたが、彼はたどたどしい英語で娘のことを話すだけで、最後まで一度もお金も何も要求しませんでした。
娘がどれほど大事か、かわいいか、貯金を全部使ってバンコクまできたこと、いろいろ話ました。
20分ほど話すと、「娘に会いに行くかな。」と言って彼は立ち上がりました。
僕は思わず「なんで僕に声をかけたんだ?」と聞きました。すると、「お金持ちの外国人の君に話を聞いてもらいたかった。君はお金持ちなのにこんな恰好の僕の話を聞いてくれた。こんな服じゃ娘に会いに行く勇気がでなかったんだ。ありがとう」
とのこと。なんかとっても、ぐっときました。
モロッコで出会った「空手教えろ」おっさん
モロッコのトドラ渓谷で趣味の空手をしていると、突然えらそうなおっさんに
「ここに残って空手を若者に教えてくれないか?今晩また相談に行くから、ホテルを教えてくれ。」と声をかけられました。聞くと彼はこの辺の長老とのこと!
なんて面白そうな誘い!!僕の中ではもう8割がたモロッコ永住を決めた瞬間でした。
そして、その夜…彼はいくら待っても来ませんでした(笑)
あのオッサン!だましやがったなぁあああ!!海外では珍しい「何も盗られない、危害を加えられない、怖くない」という単純な嘘にひっかけられてしまいました。オッサンの風格をがっつりと利用されてしまいました。
ブルガリアで出会った「路上乾杯」おっさん
トルコを抜けブルガリアについたその日、喉が僕は乾いていました。
なんだかんだイスラム圏であるトルコは、ビールが高くて僕には買えなかったのです。だから、ブルガリア最初の駅に着いた途端、もっとも近いスーパーまでダッシュしてビールを買いました。
そして、スーパーを出たその瞬間、大びんのほとんどを一気飲み。その様子を見ていた数人のオッサンたちがいきなり僕を取り囲み、一緒に乾杯してくれました。
言葉は全く通じませんでしたが、馬鹿な飲み方をしている若者をかわいがっている雰囲気だけはかなり伝わってきて、とっても嬉しかったです。