ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

お二人が考えるワーケーションの課題とは?

浦川

それでは最後にお二人に、ワーケーションを誘致する立場として困っていることはありますか?

やりたいアクティビティが多すぎること(笑)。場所が魅力的すぎて、一度の滞在ですべてやってもらうのは中々大変なんですよね。ワークの時間も確保しないとなので。1週間とか長期宿泊してもらえれば良いのですが。

高橋さん

シーカヤックで参加者同士の仲も一段と深まる!

こちらは「野鳥の森」ハイキング。実は豊かなアウトドアフィールドが広がる南房総。

「房総フラワーライン」はサイクリングには最高な快走路!

浦川

確かに悩みどころですね。でもワーケーションとして利用する場合、ワークが前提。ホテルの重要性はもちろんのこと、仕事の時間が確保できるかも見ています。

観光は一回で十分という方も多いと思いますが、ワーケーションであれば環境が整い、魅力的な場所なら、リピーターも出てくるんじゃないかと。そうなれば一回で全てできなくても、次訪れる時に、前回できなかったことをやる!くらいのマインドでも良いかもしれませんね。

全部やりたがるというか、やらせたがるというかね。

高橋さん

浦川

それが結構、来る側と受け入れる側のギャップというか。でもいざワーケーションに来た方が「疲れたぁ〜」となると…(笑)モニターツアーとしては一通り体験するのは良いかもしれないけれど、いざ売り出す時にはそのバランスが大事になりそうですね。
なのであえて、部屋以外は何も提供しないフリーというプランも試験的に提供しているんですよ。宿泊者がどのようにワーケーションを組み立て、過ごされるのか教えていただく意味でも。

利渉さん

浦川

実際TABIPPOも、基本リモートワークOKなので、そんな感じでホテルを利用している社員も多いんですよ。なので仕事ができる環境が整ったホテルの連泊プランがあると打ち出せば、結構ニーズもあるのではないかと思っています。

我々からすると平日の呼び込みが大変なので、ワーカーによって稼働率が上がるのは有り難いですね!

利渉さん

ズ・バ・リ南房総・館山の魅力とは!?

浦川

それでは最後に、館山/南房総のここが醍醐味!ここを体験してほしいというものがあればお話しください。

やはり、冒頭説明した「山と海と道」というところに戻るのですが。南房総では、それを現地の人々が大切にしていることが際立っていて。鋸山(のこぎりやま)とか高宕山(たかごやま)では、地元のYAMAPユーザーさんがボランティアで登山道を直していたり、今回プログラムで行ったような沖ノ島の再生プロジェクトに多くの人が参加していたりね。

そういった現地の人達と関わりあいながら、自然に対する距離感を縮めていく。という体験をぜひ味わってほしいですね。

高橋さん

e-Bikeで走った南房総の田園地帯。自然と人の営みが共存する。

台風で木々が倒れた「野鳥の森」。今後、復旧作業をプログラムの一つに組み込むことも構想している。

いつまでも守っていきたい美しい南房総の海。

浦川

やはり人と関わるのは、個人で来るとなかなか難しいので。そういう場を設けてもらえると嬉しいし、リピートに繋がっていくかもしれませんね!

こういった事業を行う時に、YAMAPさんみたいに自然環境を活かしながら魅力的なコンテンツを企画してくださる存在は重要だと思っていて。

一方でホテルを運営する我々としては、鍵となってくるのは「食」。やはり長期で滞在するとなったら、食の重要性が大きいと思うんですよ。だから地元の美味しいものをお客様に飽きずに食べていただいて、南房総の魅力として認識していただけたら良いな、と思います。

利渉さん

ホテル併設レストランBUONOで振舞われるご当地食材を使ったパスタランチ

近くのレストラン・オステリア ベッカフィーコで食べた地元魚介のアクアパッツァ

近くにもう少しご飯屋さんがあると良いんですけどね。海鮮のお店とかね。

高橋さん

確かに、そうですよね。

利渉さん

浦川

それこそe-Bikeがぴったりですね。e-Bikeで15分〜20分圏内まで広げればお店もある感じですか?

機動力抜群のe-Bike!10km圏内ならどこでもスイスイ行けちゃう。

20〜30分前後まで広げれば、結構食事ができるところもありますね。昨日行った安房神社周辺には美味しいお寿司屋さんがいくつかあります。

高橋さん

浦川

気軽に出れないからこそ、みんなで誘い合ってご飯を食べに行って、そこで親睦を深められたら良いかもしれませんね。

3日目は房総半島の南端までサイクリングし、極上海鮮ランチを食べてきました。ワーケーションのモデルルートになるか!?

以上、今回のワーケーションツアーを企画したYAMAP/高橋さん、JR東日本/利渉さんと、実際にツアーを体験した浦川さんの生の声をインタビュー形式でご紹介しました。

ワーケーションとは、ただ単純に仕事のついでに観光を楽しめたら良い、というものではなく、仕事とプライベートの相互作用をはかり、より充実した毎日を追求するライフスタイルなのですね。

まだまだ発展途上で様々な形が模索されているワーケーション。今後の動向に目が離せません!

さて、次の後編記事では私が実際に体験したアウトドアワーケーションの詳細について、たっぷりとご紹介したいと思います。きっと、サラリーマンでも意外とワーケーション楽しめるかも?と感じていただけるのではないでしょうか。

後編はこちら

All photos by Yuhei Tonosyou

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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