前の記事では、世界一周の旅で実際に持って行ったカメラグッズをご紹介したのですが、今回はその中でも特に重要だった”レンズ”についてもう少し詳しく書いていきたいと思います。
まず最初に、これまでの自分の経験から言わせて頂くと、写真の写りや表現方法は”レンズ”によって決まると言っても過言ではありません。
ダイナミックな風景写真、立体感のあるポートレート(人物)写真、映画のワンシーンを切り取ったかのようなストーリーのある写真。
実はどれもそのシーンに合ったレンズがあり、それを使うことでより良い写真を撮れるチャンスが広がります。
もちろん、それを使ったからといって”絶対に”良い写真が撮れるわけではありません。
あくまでも確率が上がるだけの話で、レンズ含め機材というのは”自分が撮りたい写真”を表現するためのサポート役であって、それ自体はその人の感性とはあまり関係ありません。
ただ、初めて一眼レフを購入して、色々奮闘しながら使ってみても「撮りたい写真と何かが違う、、」とガッカリする人も多いんじゃないかと思います。これだけ奮発して買ったのに…と、実際僕も一眼レフを買った当初はそうでした。
今回は、旅前にレンズについて色々調べ、自分が撮りたい写真を撮るためには何が必要なのか?を悩み抜いた上で選んだレンズを、その作例と合わせて紹介していきたいと思います。
写真に対する考え方は人それぞれなので、全く参考にならない人もいるかと思いますが、1つの例として見て頂ければ嬉しいです。
単焦点レンズ
【使用する場面】
・背景をボカして、立体感のある写真を撮りたい時
・夜や室内など、暗い場所で撮影する時
・ここぞ!という時にじっくり構えて、写りのいい写真を撮りたい時
【実際に使用したレンズ】
・AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
・AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
背景をボカす
まず、一番最初に必要性を感じたレンズが”単焦点レンズ”。一眼レフに限らずカメラを始めた人がまず最初にやってみたいこと、それが「背景をボカす」ことかと思います。
背景をボカすことで立体感が生まれ、被写体がより強調されます。「背景をボカす」ためにはF値という値が重要になってきます。
・ズームレンズAF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G
・単焦点レンズAF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
ここではあまり詳しく書きませんが、F値が「小さい」ほど「ボケやすい」と覚えてもらって結構です。上の2つのレンズで言うと、ズームレンズが一番小さい値でf3.5、単焦点レンズはf1.8です。
「とにかく背景をボカしてみたい!」という人は、店頭でもいいので単焦点レンズを触ってみて、f1.8やf8で比較してみて下さい。同じものを撮影しても違った表情になるかと思います。
ちなみに、f値の比較はカメラの撮影モード「絞り優先モード(Aモード)」でおこなえます。これは設定した絞り(F値)に合わせてカメラ側がシャッタースピードやISOを決めてくれるモードです。
F値を調整すること以外にも背景がボケる要素がいくつかあり、
・ズームレンズの望遠側を使う
・被写体と背景の距離を離す
などがあげられます。この説明をしはじめると”単焦点レンズ”という話から逸れてしまうので今回は割愛させていただきます。
夜や暗い室内での撮影
また、単焦点レンズはよく「明るいレンズ」なんて呼ばれたりします。ここでも、先ほど登場したF値というものが関わってきます。もう少し詳細に説明すると、F値とは「絞り」のこと。
上の図はレンズの絞りを簡略化したものですが、
「F値」を小さくする=「絞り」を開く (例)F=1.8
「F値」を大きくする=「絞り」を絞る (例)F=16
という関係性になっていて、レンズを通る光の量をコントロールする時にこのF値(絞り)を調整します。上の図からも分かるように、fの値が小さいほど絞りが開き、多くの光を取り入れることができます。
そのため、ズームレンズなどよりもF値が小さい単焦点レンズは、夜や暗い室内などでもより多くの光を取り込むことができる(シャッタースピードを稼ぐことができる)。
そのため手ブレなどを抑制でき、ズームレンズではできなかった撮影が可能になります。
「フラッシュをたけばいい」と思う人もいるかもしれませんが、フラッシュを使ってしまうと、光が強過ぎるためその場の雰囲気をうまく表現できません。
暗い場所での撮影は単焦点レンズなど、できるだけ明るいレンズを使い、その場の雰囲気をうまく表現したいものです。