ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、大手部品メーカーで営業をしながら、トラベルライターを両立。長期連休は自転車旅に充て、土日は山に足繁く通うアウトドアスタイルを信条とする。 春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。 2020年9月「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞。入賞作品がプリントされたTシャツがグラニフから発売決定。

旅を楽しむにあたっての必須スキルとなりつつある写真。今ではちまたに高性能なカメラが溢れ、誰でも気軽に手に取れる時代になりました。かくいう私も、3年前にCanonの一眼レフを使い始めて、今では旅には欠かせない存在になっています。

一方で最近、フリーライターとして数々お仕事をいただいている旅人求人サイトSAGOJOさんが主宰する「SAGOJO写真部」の部員になり、いろいろな方とカメラトークをする機会も出てきました。

その中で、私のカメラ歴を振り返ると、登山の経験が写真スキル向上に大きく寄与してきたと気づいたので、筆を執ってみたいと思います。

スマホから一眼レフ、そしてフォトコンで入賞するまで


まず旅の黎明期のお話から。私が本格的に旅を始めるようになったのは、2016年の秋。そこから9ヶ月ほどはスマートフォンで旅先の写真を撮影していました。

現在は、iPhone 11proなどに代表される高性能カメラを搭載したスマートフォンが普及しているものの、そのときはまだ、一眼レフに比べると圧倒的に見劣りする撮影性能でした。そのため、旅の経験が増えていくにつれて、カメラが欲しいという感情が芽生え始めます。


そして社会人になってから、初ボーナスで思い切って一眼レフを購入します。私の妻がCanonのヘビーユーザーで、影響されたことも大きかったです。

一眼レフを購入してからというもの、カメラのとてつもない描写力に感動!旅では必ず携行するようになりました。カメラを持たない旅は、今では考えられません。

撮影した写真は3年半で10万枚以上。トラベルライターとして執筆する記事に活用したり、時には自治体から撮影のお仕事をいただいたりと、写真はフリーでの仕事の幅を広げるのに欠かせないツールにもなっています。

そして2020年9月には、登山アプリYAMAPが主催する「YAMAP夏のフォトコンテスト2020」で応募数8,400作品の中から、私の投稿した写真が入賞。趣味として伸ばしてきた写真スキルが結実した瞬間でした。

写真スキル向上の理由は「たくさんの山に登ってきたから」


そんな私のカメラ歴を振り返ったとき、スキルの向上に大きく影響したのは、私がライフワークにしている「登山」でした。詳細は後述しますが、登山は、構図の探し方や被写体に適した設定など、さまざまなスキルやセンスを磨くのにもってこいなアクティビティなのです。

しかも、慣れれば訓練と意識することなく、無意識のうちに学ぶことができます。結果的に、山へ通えば通うほど自然と綺麗な写真を撮影できるようになる、というのが私の持論です。

ここでは、登山を通して撮影スキルが向上する理由を4つご紹介します。

①いろんな被写体に出会える


まず登山をしていて一番大きい点が、さまざまな被写体に出会えること。登山では、入山から下山まで、周囲の景色がみるみる変化していきます。

例えば、麓の林道から始まり、滝や渓流を経由して、美しい樹林帯へ。そして山頂周辺は森林限界を迎え、高山植物が咲き誇り、展開する爽快な大パノラマ。


このように出会う風景が非常に多彩であり、一回のアクティビティで実にいろんな被写体を撮影できます。

その都度、被写体に合わせてマニュアル撮影を設定するのは、最初は難しいかもしれません。しかしながら、自然のフィールドで何度も試しているうちに、自然と身に付いていきます。

②画角探しのセンスが身に付く


もう一つ飛躍的に向上するのが、画角探しのスキルです。山は非常にさまざまな表情を有しており、その表情をいかにして撮影するか。これが撮影の幅を大きく広げてくれます。

・ボケを有効活用することで、単調な構図を防止。山の世界観をいっそう醸し出す。
・コントラストを高め、山肌の尾根筋をくっきりと。山の迫力や存在感を際立たせる。
・稜線へ続いていく登山道を入れて、奥行きのある風景を撮影する。
・明暗を生かして、強弱のある写真を撮影する。

上記はほんの一例ですが、私が足繁く山に通う中で培った、画角探しのコツです。


自分の感性に訴えかけ、どのようにその場面を切り取るか?それを考えながらカメラを構えていれば、味のある構図で風景を切り取る癖が自然と身に付きます。

③山は表情が次々変わる


今お話しした二つとやや被ってきますが、山に登れば登るほど、山の刹那の表情変化に出会うことがあります。それは本当に一瞬の出来事なのですが、山登りの醍醐味です。

・もやの中、温かな陽光が幻想的に降り注ぐ瞬間
・霧が稜線へ押し寄せ、山の荘厳な佇まいが引き立つ瞬間
・太陽の光がスポットライトのように舞い降りる瞬間
・霧が晴れ、青空と霧氷の共演が見られた瞬間


これらに対して瞬時に対応し、撮影できるようになれば風景写真の上級者といえるでしょう!

また特に山の写真においては、一にも二にもシチュエーションが大切。風景写真のフォトコンテストで入賞するためには、この点は欠かせないポイントです。

④タイミングによってはボツ写真も多くなる


そして最後にお伝えしたいのは、山の写真では失敗作も多いということ。ピンボケや手振れなど初歩的なものから、こう撮影しておけば良かった……!という反省点まで。

また天候が悪ければ、綺麗な写真を撮る難易度が上がります。ガスが濃ければ、綺麗な写真はなかなか期待できません。


またフォトジェニックなシーンに遭遇しても、自分の中でOKが出るまで何度も撮り直す。自分の中で「これは素晴らしい写真だ!」と納得できる一枚のために、何枚もボツを出す。

失敗と試行の繰り返しが、自分の写真スキルを少しずつ向上させることに繋がっていきます。そして、それを訓練と思わず、楽しんで実行できれば、すぐに上達していくはず!

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター・フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、大手部品メーカーで営業をしながら、トラベルライターを両立。長期連休は自転車旅に充て、土日は山に足繁く通うアウトドアスタイルを信条とする。 春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。 2020年9月「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞。入賞作品がプリントされたTシャツがグラニフから発売決定。

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