編集部
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

みなさん、こんにちは!TABIPPO編集部の西嶋です。

今回は、1月22日にTABIPPOオフィス本社で行われた講義 「シェアリングエコノミーがもたらす新しい社会と生活」の様子をレポートします。登壇者は、石山アンジュさんとecboの工藤慎一さんです。※ゲストプロフィール詳細は、文末に記載しております。

そもそもPOOLOとは


POOLOのことを初めて知る方も多いかと思うので、簡単に説明すると、TABIPPOが今年3月に21世紀型のグローバル人材を育成するべく200名のメンバーを募集し、新しい学びの場としてオンラインとオフラインの両軸でコミュニティを作りながら、1年間を通して21世紀型のグローバル人材に育っていくというプログラムです。

詳細については、POOLO公式サイトをご覧ください。次期POOLOに参加してみたいなと考えている方はぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

石山アンジュさん


今回の登壇者の一人目は、一般社団法人シェアリングエコノミー協会の事務局長を務める石山アンジュさんです。シェアリングエコノミーを通じた新しいライフスタイルを提案するだけでなく、政府と民間をつなぐパイプ役として、規制緩和や政策推進にも携わっておられます。

今のお仕事に就くきっかけになったのは、新卒で入社したリクルートで、個人の自由や人生よりも組織の利益が優先されてしまうという事実を目の当たりにしたこと。もっと個人が自由に生きていける世の中を作りたいという想いのもと、シェアをこれからのスタンダードにするべく活動されています。

新しい幸せのかたち


Airbnb、メルカリ、Pairs……シェアサービスが浸透するにつれ、ついさっきまで他人だった人の家に泊まったり、知らない人の自家用車に乗せてもらって移動したりすることが当たり前になりつつあります。

そんな私たちに、石山さんはこう問いかけます。「子どもの頃、お母さんから『知らない人の車に乗っちゃ駄目よ』と教わりませんでしたか?」

かつての常識とは180度違うサービスが生まれ、さらにはインフラ化しつつある昨今。個人間で売買・貸し借り・共有などが簡単にできるようになり、新しい社会の仕組みが生まれ、ライフスタイルも変化を遂げています。

シェアの経済規模は過去最高の1兆8,000億円を越え、2030年には11兆円にまで達すると予測されているほど。シェアが生活の充実度や幸福度の向上に寄与しているというデータもあるそうです。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000022734.html

ただコストを抑えるためにシェアするだけでなく、消費を通して人とつながることも出来る新しい豊かさの形でもあります。

シェアで変わる「働き方」と「家」


-「働き方」が変わる
シェアによって、個人主体型の経済活動が可能となり、従来の働く世代だけでなく、子育て中の女性、地方に住む高齢者、障がい者など、誰もが「稼げる」機会を得られるようになりました。世界中の人を対象に、個人が持つ経験・知識・場所・モノなどを提供して、好きな場所で・好きな時間に・好きなだけ仕事をすることも可能になりました。(インターネットを使うと、仕事の自由度が広がるという意味ですね)


-「暮らし」が変わる
シェアによって、複数の拠点を持つことも珍しくなくなります。好きな場所で仕事ができるので、「オフィスに通いやすいこと」を住まいの条件にする必要もなくなり、好きな場所を選びやすくなります。

また、借りる/買うだけでなく、一般の人でもAirbnbをはじめとする民泊サービスの誕生により、家を貸す/宿にするという選択肢を気軽に持てるようになりました。さらに、趣味・価値観の合う人と家をシェアする人も増えていくと思います。

シェアの事例


「シェアリングシティ」という取り組みを展開している自治体が、日本には76あります。

たとえば、北海道北部に位置する天塩町(てんしおちょう)。過疎化が進んだ天塩町では、公共交通サービスの維持ができなくなり、バスの本数が減っただけでなく、タクシー会社も撤退してしまいました。

そこで始まった取り組みが、「自家用車に誰かを乗せて運転出来る人」と「乗せてほしい人」をマッチングするというもの。「自家用車を持っていて、時間が空いている人」が例えば「病院まで乗せていってほしい高齢者」を救うことも出来ます。

これらの「共助」の発想は、人口減少地域だけでなく、オリンピックをはじめとする大規模イベントや、災害時でも活用できると注目されています。

信頼のかたちも変わっていく


「時代と価値観が変化し、豊かさのパラダイムシフトが起きています」と石山さんはいいます。

豊かさの定義は「所有」から「共有」へ、個人の価値は「ステータス」から「信頼」へ、そして「わたし個人主義」から「私たちみんな主義」へと変化しました。その結果、
「頼れる人や安心できるつながりがをどれだけあるか」が、大事な時代になったのです。


第一の信頼は「ローカルな信頼」。例えば、お隣に住む石山さんから何のラベルもついていないお醤油を借りたとしても、「石山さんから借りたお醤油だから大丈夫」と信頼できることを表します。

第二の信頼は、「制度に預ける信頼」。「国が認めた基準を満たしているメーカーのお醤油だから大丈夫」という信頼です。

第三の信頼は、「分散化された信頼」。これこそが、シェア時代の新しい信頼の概念です。味見した100人による「このお醤油には、毒は入ってなかったよ」という集合知を信頼するものです。「食べログ」もこの「分散化された信頼」の一例だといえそうです。

「第三の信頼の時代だからこそ、新たな信頼のデザインが求められます。ユーザーもまた、リテラシーを高め、サービスに頼るだけでなく、自分で見極める力をつける必要もあります」と石山さんは締めくくりました。

工藤慎一さん


二人目の登壇者は、ecbo株式会社の代表取締役社長、工藤慎一さんです。Uber Japanの立ち上げインターンを経て、2015年6月にecbo株式会社を設立。2017年1月より「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をつなぐ、荷物預かりシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」を運営。さらに2019年9月には、宅配物受け取りサービス「ecbo pickup(エクボピックアップ)」を発表されました。あの本田圭佑さんから出資を受けたこともあるそう!

ecbo pickup(エクボピックアップ)…カフェや美容室、カラオケ店など50業種以上あるecbo cloak(エクボクローク)加盟店で、EC等で購入した宅配物のかんたん受け取りができる、日本初のサービスです。

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西嶋 結 ライター・編集者

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