ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

2018年11月20日の旅大学にご登場いただいた「珍国の女王」高井英子さん。当日は「珍国案内人」として今までさまざまな国に渡航されてきた高井さんより、そのご経験をたっぷりお話しいただきました。

今回はTABIPPO.NET編集長・前田塁との対談という形で、お仕事のやりがいや旅を仕事にする秘訣、おすすめの珍国をうかがいました。

 

高井英子さんってどんな人?

1973年生まれ。福岡県出身。現在45歳。某大手企業を経て、21歳で家族が経営する旅行会社へ就職。24歳の時にワーキングホリデーで渡豪。25歳で帰国。同旅行会社に復職。35歳の時にアフリカを中心に日本人が余り行かない珍しい国や地域専門に添乗員として地球を飛び回る生活に。2016年に自身が代表となる法人設立。現在の訪問国は107カ国。著者、珍国の女王を2016年に出版。複数の地元メディアで旅コラムを担当している。学校や企業、各種団体等で数々の旅の講演活動も行う。

 

前田塁ってどんな人?

前田塁ってどんな人?

photo by nochi kosho

1987年、大阪府生まれの三重県育ち。株式会社TABIPPOでWebメディア「TABIPPO.NET」の運用と開発が得意な編集長やってます。慶應義塾大学卒、ニューヨーク交換留学、大阪ガス、オプト勤務を経てTABIPPOを創業しました。

51ヶ国訪問、世界二周して、ワークライフカオスに生きてます。最近はWebメディアの仕事以外にも、コンサルやったり、ラジオのパーソナリティーしてますが、次の夢は宇宙飛行士です。

Twitter:@NY_ruisu
ブログ:Work Life Chaos

 

「珍国」って何?

前田 塁(以下、前田):今日はよろしくお願いします。高井さんは「珍国の女王」名義で活動されていますが、珍国と一言で言ってもその定義は人それぞれだと思っています。旅好きでない人にとってはラオスやキューバは珍国かもしれませんが、TABIPPO.NETの読者にとってはそうではないかもしれませんよね。高井さんの「珍国」の定義を教えてください。

高井 英子(以下、高井):私は、生活をしていて耳にしない国、ニュースでもあまり取り上げられることのない国を「珍国」と定義しています。珍“国”と呼んでいますが、「フランス領○○」のような、海外地域圏のこともひっくるめて珍国と呼んでいます。アルメニアやジョージア、トルクメニスタン……このあたりは、「珍国」と「そうでない国」の境目に位置している国かもしれませんね。

Photo by Hideko Takai

前田:渋谷で100人にインタビューしたとして、99人は知らない国という感じでしょうか。高井さんはそんな珍国を含めて、どれくらいの国に訪問してこられたんですか。

高井:国だと100くらい、海外県など地域を含めると120ほどでしょうか。自分で把握できているのはこれくらいです。情勢が変わって入国できなくなってしまった国もありますが……。

前田:すごい数ですね! どんなお仕事をされているんですか?

高井:旅行会社の代表として、一般的に訪れる機会が少ない国や地域をメインに訪れ、旅人に紹介する仕事をしています。また本を出版したり珍国を紹介する記事を書いたり、企業、学校、各種団体で講演したりといった活動も行っています。西日本新聞では連載を持たせていただいていて、2019年6月末で丸3年を迎えます。こちらも一冊にまとめたいですね。

前田:素敵なお仕事ですね。やりがいも多そう!

高井:海外旅行が好きなので、終わりがない旅ができていることがやりがいであり、生きがいでもありますね。一般的に、どんな旅にも終わりがあるもの。でもこの仕事をしている限り、フィニッシュがない仕事ができるんです。

 

テンションが上がるのは台湾、好きなのはソマリランド

前田:その一方で、大変なことやご苦労も多そうですが……。

高井:ガイドとしてお客様に説明しなければならないことは、この仕事の大変なところですね。渡航前にすべての情報を頭に入れていかなければなりません。添乗のお仕事が続くときには、調べた情報をスクリーンショットで保存しておき、飛行機の中で猛勉強することもあります。

前田:珍国といえば、2018年10月に東ティモールに行ったのですが、情報が少なくて苦労しました。高井さんはお仕事のとき、どんなふうに情報収集されているんですか?

Photo by Rui Maeda

高井:私が渡航する国や地域は、日本語の情報がほとんどありません。英語サイトで勉強するか、フランス語の情報を翻訳して読んでいます。英語でもフランス語でもアクセスできなければ、現地でパンフレットをかき集めることも。

前田:高井さんは、いつも旅をされているイメージですが、何度も行った珍国はありますか?

高井:一番多いのが、6~7回行ったソマリランドです。プライベートでも行きたいくらい好きな国ですね。治安がよく、人もいいんですよ。その他、クルド人地域やナイジェリアも多いです。今となっては、初めての国に行くことはありません。

Photo by Hideko Takai

何度も訪れている国は、現地の友だちに会えることが楽しみのひとつ。珍国にはほとんど人が来ないので、「次いつ来るの?」と催促がくるんです(笑)。

前田:定番国に行かれることもあるんですか?

高井:台湾が好きですね。ソマリランドのほうが好きですけど(笑)。
テンションが上がるのは台湾、好きなのはソマリランドという感じです。

前田:近場も行かれるんですね!ソマリランドは治安がいいとおっしゃっていましたが、珍国だからといって必ずしも治安が悪いわけではないんですね。

高井:そうですね。アフリカでも治安がいいところは多いですよ。ソマリランド、ボツワナ、ナミビア、インド洋の島国あたりはとくに治安がいいです。

その他、カリブ海あたりの海外圏は天国です。セントマーチン、アンギラ、モンセラート、グアドループ。プエルトリコもよかったですね。

ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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