オーストラリアの北東部にある、クイーンズランド州。自然豊かなこの土地を山下歩さん、KAIKIさん、Kecoriさんの人気アーティスト3人組が旅してきたという情報をTABIPPOでキャッチ。
そしてなんと、この地を旅する中で感じたことを、どうやらコラボ楽曲として制作したらしい…!
そんな気になるミュージックビデオを、まずはご覧ください。
プロフィール
等身大で綴った歌詞と包み込むような歌声で注目を集めるシンガーソングライター。数々の名曲をカバーし、同世代の女性を中心に幅広い層からの支持を得ている。2018年10月に自身初となるミニアルバム『little voice』を発売。フリーのシンガーとしては異例の1000枚以上を売り上げる。
人生で一番濃い旅、クイーンズランド
−−今回のクイーンズランドはどんな旅でしたか?
Kecori:実は私、ハワイやグアムへ観光で行ったくらいしか海外へ行ったことがなかったんです。そんな中で行ったクイーンズランドへの旅は、これまでと比べ物にならないほど濃い思い出がたくさんで、人生で一番楽しい旅でした。
KAIKI:今回の旅で「オーストラリアって、実はこんなところだったんだ!」と再発見しました。一つの場所についてこんなに深く知ることはあまりなかったので新鮮な旅でしたね。
歩:僕はロケハンと撮影を合わせると、1ヶ月間くらい滞在しました。ただ単に観光地へ行くだけではなく、アボリジニや地元の人たちとたくさんコミュニケーションを取ったんです。現地の人々の想いが自分の中に入ってきて、めちゃめちゃ濃い旅になりました。
––今回の旅の中で、一番印象に残っていることはどんなことですか?
Kecori:どれも印象に残っていますが、一番は野生のイルカに餌をあげたこと。あとは、レディエリオットの海に入ったこと。今までカメを見にいったことはあるんですけど、すごく遠い距離だったんですよ。でも、レディエリオットで泳いだ時は、私の隣にカメがいました。すごく鮮明に覚えています。目が垂れていて、本当に可愛いかったです。
歩:僕は幸運の蝶と呼ばれる「ユリシス」との出会いですね。その蝶を見ると、めちゃめちゃ幸運になれるというレアキャラで、羽が海みたいに真っ青なんです。熱帯雨林のツアーに参加したときに、なんと3頭も飛んでいたんですよ! 10年勤めているツアーガイドにとっても初めの経験だったらしいので、もう大興奮でした。あの経験は忘れられないですね。
KAIKI:本当にすごかったよね。僕は旅の中で、動物保護の施設に行ったことが印象的でした。今まで色々な旅をして、色々な景色を見てきたけれど、人間の行為がどう動物に影響しているのかなんて、考えたことがなかった。そういう深いインサイトな部分を自分から見てみることということがなかったので、亀がプラスチックを食べてしまったというストーリーを聞いたりするのは、かなり衝撃でした。普段考えないのに、人間の生き方について真剣に考えるタイミングになったので、印象的でした。
−−そもそもこの旅に行く前に、クイーンズランドのことは知っていましたか?
Kecori:知らなかったです。歩くんに聞いて、初めて知りました。
KAIKI:僕は結構ライブや撮影でオーストラリアに行かせてもらっています。ロケ地が全部クイーンズランドだったので、ちょっと知った気になっていたんですけど、今回の旅で「全然知らなかったんだ!」と思うことが9割ぐらいありました。
歩:僕はオーストラリアに留学をしたことがあって、このプロジェクトで3回目のオーストラリアでした。僕もKAIKIと同じで、95%は知らなかったことを自覚しました。今回は北から南まで縦断したので「掘り下げたな〜!」という感じです。今まで魅力を知り尽くせていなかったんだなと思いました。
3人から見たクイーンズランドの魅力とは?
––掘り下げた旅を経て、クイーンズランドのどんな魅力を発見しましたか?
歩:僕は今沖縄に住んでいるし、田舎が好きなんですが、日本の田舎や自然に比べて、オーストラリアはどこに行っても、生命が溢れている。命がめっちゃ溢れていて森の中を歩いても、常にトロピカルな鳥のBGMが聞こえていて、海に潜れば、カメもサンゴも、サイケデリックな色をした魚たちがいっぱいいる。この地球にはたくさんの命が溢れているんだなということを体感させてくれました。クイーンズランドはそこにいるだけで強力なエネルギーをもらえる魅力的な場所だから、「今、パワーが欲しい人」におすすめしたいです。
Kecori:たしかに。観光地でありながら人工的な感じが全然しなかった。それがすごく魅力的だなと感じました。雄大な自然や温かい人々に囲まれて、健やかな心を育めるパワースポットのようだとも思います。日々の生活から離れてとてもリフレッシュできる効果があるので、お仕事を頑張ったあとにゆったり一人旅に行くのもいいし、カップルでのんびりしてもいいなと思いました。
KAIKI:クイーンズランドは思った以上に、人間と自然との距離が近い。動物保護の話もそうなんですけど、ちゃんと考えて、アクションを起こしている。人間が自然の中で生きているという認識をして、それに対してアクション起こしているというのが魅力かなと思いました。そういった日本では味わえない文化がクイーンズランドには溢れているから、ここに来るだけで自分の視野が広がった気がします。
MVには旅のリアルが詰まっている
––今回の楽曲の歌詞にはどんな思いを込めましたか?
歩 :僕は歌詞執筆のために、一足先にクイーンズランドに入ったんです。書こうと思えば、日本からでも書ける。例えばネットで情報を調べても、歌詞は作れると思うんです。だけど、そうしたらこの歌は絶対に成り立たなかった。現地に行ったからこそ完成させられた歌詞だなと思うんです。
例えば、オーストラリアにアボリジニの人たちがいることは世界的にも知られていますが、アボリジニの人が森を守るという役割を担っていることなどは、実際に行ってみないと分かりませんでした。ネットの情報だけでは絶対に感じ取れない部分、地元の人の想いの二点を歌詞に込めました。
−−そんな歌詞をどうまとめていったのですか?
歩:旅の途中、その場で思い浮かんだ歌詞をスマホに書き留めていました。全行程が終わった日の夜にメモを見ながら、数時間ぐらいで書きましたね。その後は3人で話し合って、どの部分をサビに持ってくるかなどをメロディーに合わせてまとめ上げていった感じです。
––KecoriさんとKAIKIさんの歌詞についての思いを教えてください
Kecori:自分のパートの歌詞が一番ときめきます。とにかく歌っていてものすごく楽しいんですよ! ありのままの自分で歌えて、自然と楽しさがブワッと込み上げてくる感じがするんです。
KAIKI:レコーディングをした後、いざ旅に出た中で歌詞の意味をリアルに実感しました。「この体験をして、歩はこの歌詞を書いたんだ!」というのが分かった時、とても嬉しかったです。現地で歌っている時の方が日本で音源に合わせていた時よりも、感情が倍増した感じがします。
Kecori:うんうん。この歌詞はこのことだったんだ!みたいな発見があったよね。最初、何を言っているのか分からない単語も実はいっぱいあったんですけど、クイーンズランドに行ってみたら「あぁ。こういうことか」って(笑)
––3人の思いが詰まった、満足のいくMVということですね。
歩:はい。僕も映像を見るたびに泣きそうになります。めちゃめちゃ良かったです。映像も最高だったし、このチームでやって大成功だなと!