ドイツ南東部に位置する「レーゲンスブルク」という町をご存じでしょうか?
かなり小さめの町ということもあり、日本人にはほとんど知られていませんが、中世の面影を感じられる町並みは美しく、町の一部はユネスコ世界遺産にも登録されています。
今回は、そんなレーゲンスブルクに留学していた筆者が、その魅力をまるっとご紹介します。
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バイエルン州にある小さな町「レーゲンスブルク」
photo by pixta
レーゲンスブルクがあるのは、ドイツの南東部。日本人にも人気のある大都市ミュンヘンや、クリスマスマーケットが有名なニュルンベルクと同じ、バイエルン州に位置しています。
小さな町でありながら、石畳の中心街が特に美しく、大聖堂や帝国議会博物館など、見どころに溢れています。さらに、町の真ん中にはドナウ川が悠々と流れ、その上に架かる重厚な石橋も見ごたえ抜群。
photo by Daiki Okamoto
日本人にはあまり観光地として知られていない場所ですが、自然と町両方を一緒に楽しめる土地柄は、きっと日本人の好みに合っています。
半年ほど住んでいた筆者としては、ドイツ旅行の際にぜひ一度立ち寄ることをおすすめします。
ユネスコ世界遺産に登録されている旧市街の見所
レーゲンスブルクでは、その見所のほとんどが世界遺産に登録されています。特に注目すべき建築物とされるのは、レーゲンスブルク大聖堂とドナウ川に架かる石橋。
町のシンボル的存在、レーゲンスブルク大聖堂
photo by pixta
まず、大聖堂からご紹介しましょう。大聖堂とは、キリスト教の教会の一つ。司教が座る椅子がある教会を大聖堂といい、地域の信仰において重要な場所となります。
レーゲンスブルク大聖堂は、1275年に着工しましたが、最終的に尖塔が完成したのは1869年と、途方もなく長い時間をかけて造られたゴシック様式の教会です。
単体で世界遺産に登録されている有名なドイツのケルン大聖堂に比べると、かなり小ぶりながら、外壁は神聖さを感じさせる白さが目立ち、町のシンボル的存在として愛されています。
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内部のステンドグラスが美しいのも魅力の一つ。また、大聖堂の少年合唱団は1000年以上もの歴史を誇るヨーロッパ最古の合唱団であるなど、注目すべきポイントがさまざまある大聖堂です。
ドイツ最古の石橋「シュタイナー橋」
その大聖堂から北に1分ほど歩くと、ドナウ川が流れています。そこに架かる石橋も要チェック。
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「シュタイナーネ橋」と呼ばれるこの橋は、1146年に完成した、とても長い歴史を持つ橋。かつては、かの有名な十字軍が渡ったとされています。
その重厚な美しさは、800年以上経った今も健在。むしろ年季が入った石の橋は貫禄すら感じさせます。単純に美しいだけではなく、ドイツにおいては、一度も壊れていないという点も大きな価値だとされています。
第二次世界大戦において、ドイツではかなりの被害が出たというのは、よく知られていることでしょう。建造物のほとんどが瓦礫の山になってしまった街もあります。
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その中でレーゲンスブルクは、戦火を浴びずにすんだ、ドイツの中でも数少ない町の一つなのです。そのため、美しい石橋は壊れることなく残り、現在もそのままの中世の町並みを楽しむことができるというわけです。