ライター

東京都出身、大自然に憧れるギャップ系女子。「1度きりの人生、世界を見てから死にたい!」という想いから20歳で初めての海外旅行へ。2ヶ国目のタイではタクシーで爆睡し、3ヶ国目のフランスでは列車で爆睡して待ち合わせに2時間遅刻してしまうほど大雑把で大胆な一面も。憧れの旅人はスナフキンで、将来は気の向くままに世界を放浪しながら仕事をして、自分の旅本を出すのが夢。

時には周囲から心配されることも…

ーー平野さんはどうして中国以降もついて行くと決めたんですか?

 

ケニー:東京力車に入って年齢が近かったこともあって、一緒にご飯行ったり飲みに行ったりをよくしてたんです。2人とも志が高い方だったので、なんかこう自分が持っていないものを持っているというか。ただちょっと、彼らの旅について語学の方は大丈夫なのかな?っていう心配があって。

応援していただいている友達がいるんですけど、彼らと一緒に会議をした時に、世界一周について一方的にというか社会的な意見で「このままで大丈夫なのか」とか、「間に合わないんじゃないか」とか、すごくネガティブなことばかりを言われて。

ーー誰もが通る道ですよね。心配してくださっているというか。

ケニー:もちろん一般的な意見なんですけど、鈴木は完全にポジティブな人間なんで、「やってみないとわかんないし」って。それも一理あるじゃないですか。でもやっぱり聞いてると、仲間がそういう風に言われるのは正直悔しかったんですよね。その時に「結局自分は1ヶ月だけでしょ?」 って友達に言われて、「いや、全部行きます」ってボソッと言ったのがきっかけです。

内心は人生1回しかないし、それぞれ家の事情とかもありますけど、やるんやったらちゃんとオリンピック目指してやっていきたいですね。

最初はフライング気味でしたけど、まぁこうやって無事に1年間やってきて、これから2年目3年目に向けて準備していって、もっとよくなるのは間違いないと思ってます。

ーー頼もしいですね。

 

人力車の旅は波乱万丈ばかり!?

ーー人力車の運搬方法と、運搬中で思い入れのあるエピソードを教えてください。

ケニー:結局1年目は僕たち勢いで行ってた部分があったので、本来だったら事前に申請しなきゃいけなかったりとか、やってみないとわかんない部分とかあったんですよ。勢いでうまくいったところもあったんですけど、ベトナムとインドだけはちょっと書類の件で…。

ーーベトナムの税関でのYoutube拝見しました(笑)

▲人力車運搬をかけたベトナム税関との攻防は、こちらの動画をご覧ください。

ケニー:ベトナムの場合は最終的にうまく出せたんですけど、インドに関してはもう文化の違いというか完全に次元が違うんですよね。本当に悪口とかじゃなくて、仕事を1日に1つしかやらないんです。

結局、最終的にはインドで人力車を出せなくて、僕らがインドから帰ってきてもうすぐ2ヶ月経つんですけど、やっと一昨日くらいに「日本へ送るための会社に荷物を持って行きますよ」って言う連絡がきて。ということはまだインドにあるんです(笑)

ーーすごいですね(笑)

すーさん:めちゃめちゃ遅い。

ケニー:向こうで出せてインドの人力車と共演できたらいいなと思ってましたけど、最初は書類を突っ込まれて。結局僕らも知識がなかったのでしょうがないんですけど、それでも諦めず最後の最後までいってそれでもダメだったんで、それはもう書類の問題ではなくて完全に国の問題なんですよね。

でも、次は必ず事前に大使館に行って申請したいと思います。僕たちはビジネスでやるためじゃなくて、“日本の文化を広める”っていう完全にボランティアなので。

今回の1年間で一番大変だったのはその人力車の件ですかね。それ以外はやっぱりその土地に踏ませていただいて、そのおかげでいろんな人たちとも出会えたし、すごく楽しかったですよ。

▲インドの人力車が見たい一心で見つけたのがこちら。

すーさん:インドにはカラフルな人力車があったので、1日いくらでレンタルっていうのをやってもらって。形はもう全く人力車と一緒なんですよ。何故かというと、日本が昔インドに送ったんですよね。日本は文明の利器によって電車や車とかがどんどん出来上がって、もう使わなくなった人力車を、大体昭和の戦後あたりにインドにガーッと送ったらしくて。

ーーそうなんですね。インドって牛とか普通に歩いてますけど、走りづらさとかはなかったんですか?

すーさん:ガンガン追いかけられましたよ(笑)ベトナムでも、人力車ではなく自転車に乗っている時に追いかけられました。僕が追いかけられたあと現地の人力車が横を通ったんですよ。何も起きなかったですね。

ーー何でしょうね(笑)

てんすけん:個人的に嫌いだったんでしょうね。

すーさん:せやな(笑)もうね、エピソードがありすぎて何喋ったらいいか、わからないです。

 

アジアは優しい国が多かった

ーー実際に現地の人の反応はいかがでしたか?

すーさん:初見は「どうやって来たの?」って目ん玉飛び出るくらいびっくりしてましたよ。でも国によって違いますね。中国は、多分ケニーがものすごい感じたと思います。

ケニー:上海の方は基本的に日本をリスペクトしてくださっていました。ただ、やっぱりまだ反日というあれじゃないですけど、昔の教育を受けたままで、日本人って聞いただけでもう嫌だっていう人もいますし、でも僕たちが出会って来た中国人の人たちは良い方たちばっかりで。

上海以外だと台湾、香港、深圳(シンセン)とか、廈門(アモイ)っていう都市も素晴らしくて、みんなすごい仲良くしていただいて。ご飯もご馳走してくれたりとか、ホテルに人力車止める時も、「いいよいいよ」って。中国って気は遣いますけど、意外と悪くないですよ。

すーさん:あとは中国にある日本の料理屋さんでイベントをやりました。お店の前に人力車を置いて、ご飯食べた人を乗せたりして。別に食べなくても乗りたい人は乗せてましたけど。

ーーそれは自主的にイベントを?

すーさん:たまたまご飯を食べに行った中国の日本料理屋さんに、浅草寺のお守りが置いてあって。「僕ら人力車で世界一周してるんですよ。」ってオーナーの奥さんに話をしたら、「是非ともうちとコラボでイベントやりましょ」って話になって。ただ、そこ4階だったんですよ。大きいショッピングモールだし、業務用のエレベーターあるかな?と思ったら、なくて(笑)

ーーえ、じゃあ階段で人力車を…

すーさん:もう、血だらけになりながら(笑)しかも螺旋階段で。

てんすけん:腕とか色々と擦りむくんですよ。

ーー凄まじいですね。

すーさん:ベトナムとかは普通に喜んでくれましたね。やっぱり暖かい国は、反応めっちゃいいです。ベトナムとか、タイとか、カンボジアとか。いや〜カンボジアはすごいよかったですね。初対面から「ハロー!」って言って、すごいフレンドリーに近づいて来てくれて。アジアは親日多いんやなって思いました。

 

カンボジアでは、まさかのアクシデントも!

ーー世界一周中に印象的だったエピソードを教えてください。

すーさん:一番印象的だったのは、カンボジアですね。僕たち普段からめっちゃ仲良いんですけど、一緒にいすぎて、どんどんどんどん一緒にいるだけでストレスが溜まっていくというか。それがちょうど半年目くらいのカンボジアやって。

そん時に、ドキュメンタリー撮影のためにNHKの撮影班の方々が来てくださっていて。プノンペンからシェムリアップまで大体500kmくらいある道のりを、ずっと密着取材だったんです。カメラはただ回してるだけで、たまにインタビューが入るような。そういう環境の中で走ってたら、いろんな事件が起きたんです。走ってる最中にてんすけんが倒れたりとか。

ーーえ!病気ですか?

すーさん:熱中症で。僕ら元々カンボジアのビザをとって入国したんで、「カンボジアに3ヶ月居れるー」って思ってて。それで走ってる最中にようようパスポートを見たら、「残り10日くらいでカンボジア出えへんかったら不法入国ちゃう?」っていうのが判明して(笑)みんなでミーティングして、ヒッチハイクでシェムリアップの手前まで乗せていただきました。

ーー人力車のことも考えると、大変でしたよね。

すーさん:なかなかきつかったんですけど、てんすけんとケニーがつかまえてくれて。僕はその時ヒッチハイクの看板に書くクメール語をおばちゃんに教えてもらってました。「あんたその字じゃ小さいわよ」って呼ばれて、書いてもらってる途中に、「おーいつかまえたよー」って(笑)

てんすけん:車の前に土下座してお願いするっていう作戦でした。カーブのとこで待っていれば徐行スピードじゃないですか?そこを狙って。それで一気に300kmくらい一日でワープして(笑)余裕でビザ間に合うやんって感じでした。

ーーすごい体当たりですね。

すーさん:ほんでシェムリアップまで走ろうかって時に、お腹空いてみんなで売店でカップラーメンを食べたんですよ。そん時に、カンボジアの12、3歳くらいの女の子たちが、日本語でバンバン喋りかけてきて。全然都会だったら理解できるけど、アンルンピーっていう村っすよ、村。

ーー結構喋れるんですか?

そう!しかも一人じゃなくてまた何人もいてるんですよ。それで村の子たちに「この村案内してよ」ってお願いして。そしたらシェムリアップのいろんな問題に直面したんです。ゴミ山があったりとか、今でも原始的な生活をしていたりとか。

そこの村に1日泊めていただいたんですけど、村の人たちがこんな初対面の僕たちにご飯を作ってくれたりとか、みんなで池に飛び込んで魚をとったりとか、すごい映画にありそうな生活も送れて。感謝の気持ちで村の人たちみんな集めて人力車に乗せたりもしました。

▲当時のリアルな様子はこちらから!

ライター

東京都出身、大自然に憧れるギャップ系女子。「1度きりの人生、世界を見てから死にたい!」という想いから20歳で初めての海外旅行へ。2ヶ国目のタイではタクシーで爆睡し、3ヶ国目のフランスでは列車で爆睡して待ち合わせに2時間遅刻してしまうほど大雑把で大胆な一面も。憧れの旅人はスナフキンで、将来は気の向くままに世界を放浪しながら仕事をして、自分の旅本を出すのが夢。

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