ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

ドイツでも屈指の人気観光地、ライン川のほとりに位置するリューデスハイム(※)。「ラインの真珠」と呼ばれるほどの美しさで、世界中の旅人を魅了し続けています。

私も12年前にはじめて行ったときにこの街に恋し、その後何度もリピートするほど大好きな場所になりました。

今回は「リピート旅」をした旅人目線で、人気のリューデスハイムの魅力と、駆け足ではなく”のんびりと楽しむ”プランをご紹介していきます。

※正式名称:リューデスハイム・アム・マイン

どの季節も美しい、リューデスハイム


メルヘンチックでかわいすぎる街並みが広がり、古城もたくさんあるリューデスハイム。ライン川クルーズの起点の街でもあり、人気の寄港地となっています。「ライン渓谷中流上部」として2002年、ユネスコの世界遺産にも登録されました。


葡萄畑に囲まれたリューデスハイムは、白ワインの名産地という一面もあります。

夏の緑色が広がる光景は圧巻ですし、秋の紅葉する葡萄畑も感動の美しさ!葡萄の葉っぱは黄色からオレンジ色に変わり、とってもかわいいんですよ。


さらにリューデスハイムでは、年間を通してさまざまなイベントが開催されているのも旅行者に嬉しいポイントです。

ワインの生産地ということで、ワインにまつわるお祭りも盛りだくさん。5月にはスパークリングワイン祭り、8月には大規模なワイン祭りがあります。

続いて10月(年によっては11月)にはフェーダーヴァイサー祭りといって、発酵途中で秋にしか飲めない期間限定ワインの味を楽しむお祭りが開催されます。

もちろん、冬のクリスマスマーケットも、まさにおとぎの国の世界観で見逃せません。

どの季節に行っても、違った楽しみ方・違う景色を見ることができるのが、リューデスハイムの大きな魅力なのです。

つぐみ横丁をのんびり散策&ローカルフードを満喫


リューデスハイムといえば、「つぐみ横丁(Drosselgasse)」と呼ばれる小道が有名です。

ワイン酒場やレストラン、カフェが並ぶ通りなのですが、葡萄のツタやカラフルな花で飾られた一軒一軒が本当に素敵で、シャッターを押す手が止まらないこと間違いなし!

かわいい街並みが多いドイツ国内でも随一の魅力的な風景が広がる場所で、個人的にお気に入りの場所です。


お店の看板のデザインも要チェック。そのお店の商売を表していて、ドイツの職人芸が光ります。

わずか150メートルにも満たない小道なのですが、何度行っても心ときめかせてくれる場所なのです。


強く思うのは、「つぐみ横丁はただ通り過ぎるだけではもったいない!」ということ。

150メートルほどの短い小道なので、写真を撮りながらでも5分もあれば歩き終わってしまい、「あれ?こんなもの?」と物足りなさを感じてしまうかもしれません。


しかし、”ザ・観光地”のように見えても、つぐみ横丁にあるのは昔から長く続くレストランやカフェばかり。

伝統的なドイツ料理もおいしいですし、地元産のワインもお手頃価格で楽しめるので、ここで一息つくのもいいものですよ。春から夏にかけては、オープンテラスがとくに気持ちよく、レストランでいただくワインは最高!のひと言です。


カフェタイムにおすすめなのは、「リューデスハイマー・カフェ」と呼ばれる名物コーヒー。

地元産のブランデーと生クリームがたっぷり使われたご当地コーヒーなのですが、注文するとパフォーマンス付きで提供してくれて、目でも楽しめるドリンクなのです。たいていのカフェでも取り扱っているので、休憩がてらいかがでしょうか。


時折聞こえる教会の鐘の音に耳を傾けたり、つぐみ横丁の景色を眺めたりしながらのんびりとすごす時間は、なんとも贅沢なひととき。

長い間記憶に残るのは、駆け足で巡った観光スポットよりも意外とこういった瞬間だったりしますよね。ぜひ特別な時間を過ごしてみてください。

葡萄畑の上を、ワイン片手に空中散歩


つぐみ横丁を抜けて右に進んでいくと、お土産屋さんやワインショップが連なる通りに出ます。

その左手にあるのが、オープンエアのゴンドラリフト乗り場。丘の上にあるニーダーヴァルト記念碑までの1.4㎞をゆっくりと登っていくのですが、その足元一面に広がる葡萄畑の景色はまさに圧巻。


ワイン好きな方には、ワイン付きの乗車券がおすすめです。

葡萄畑とライン川の絶景を眺めながら飲むワインは、本当に格別。ワインの名産地であるリューデスハイムならではの特別な体験です。


チケットにはいろいろなコースがありますが、シンプルにリューデスハイムへ戻る往復チケットが一般的です。

ただ、時間に余裕のある方には「Assmannshausen Tour」というチケットのご購入をおすすめします。これは、ゴンドラ到着エリアのニーダーヴァルト記念碑から、森の中を1時間ほど歩いた先にある椅子式のケーブルカーで、隣町の「Assmannshausen」という街に降りていくコースになっています。

ドイツには、老若男女問わずハイキングに親しむ文化があります。1時間のハイキングでドイツのカルチャーを気軽に体験できますよ。


到着する隣町「Assmannshausen」はライン川クルーズの発着点でもあるので、ここからライン川クルーズで次の目的地へ移動するといいでしょう。

さまざまな会社がライン川クルーズを運航していますが、おすすめは大手の「KDライン」という会社。チケット購入や詳細は公式サイトをご覧くださいね。

とくに11月~12月にかけては、クリスマスの特別クルーズも運航しています。

大人だけなら音楽の生演奏付きの豪華ディナークルーズを、子連れならサンタさんが登場するクルーズを選んでみるのも楽しそうですね。

■詳細情報
・名称:Seilbahn Rüdesheim
・住所:Oberstraße 37, 65385 Rüdesheim am Rhein
・地図:
・営業時間:時期によって異なるので、公式サイトを要確認
・電話番号:067222402
・料金:片道6.5ユーロ~、往復10ユーロ~(チケット内容により異なる)
・オススメの時期:初夏~秋
・公式サイトURL:https://www.seilbahn-ruedesheim.de/en/prices/

お花畑が広がる丘から、ライン川の絶景を眺める


リューデスハイムからゴンドラリフトを登った先に待っているのが「ニーダーヴァルト記念碑」という大きな銅像のある眺望エリア。

ドイツ帝国の統一を記念して作られた女神ゲルマニア像が、広場の中央に佇んでいます。リューデスハイムの街並みとライン川を一望できる、本当に気持ちがいい場所です。


銅像のまわりには季節の花々が植えられていて、7月ころに訪れると写真のような紫色のお花畑が広がっていました。

ドイツ音楽の「三大B」と称される作曲家のひとり、ブラームスはリューデスハイムを何度も訪れたことで知られており、このニーダーヴァルト記念碑の除幕式にも参列したそうです(ちなみに他の「B」はバッハとベートーベン)。

音楽家までをも惹きつける魅力を持ったリューデスハイムは、今も世界中の旅人たちを魅了し続けています。

一日かけてのんびりリューデスハイムを楽しもう

リューデスハイムは小さな街なので、半日観光ですませる方が多いのですが、のんびり滞在するからこそ感じられる魅力が溢れる街です。

ぜひ、一日かけてのんびりとローカル気分を味わってみてはいかがでしょうか。

All photos by Yu Villegas

ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

娘二人が産まれてからも、旅は引き続き人生の生きがい。格安航空券を見つけては、週末旅に出かける日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数34ヵ国。現在はワーホリ以来12年ぶりにドイツ滞在中。 インスタやブログでも旅情報を発信中。

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