ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

社会人になったとたんに、ぱったり旅しなくなってしまった人は多いはず。かく言う私もそのひとりでした。学生のときには休学して長期で旅したり、友だちと予定を合わせて中東や南米に行ったりしたものですが、いつのまにかあきらめてしまっていました。

それでもやはり、旅の誘惑はつきまといます。SNSを開けば誰かが必ず海外にいるし、気づけば自分もスカイスキャナーを開いていて……。

そんなわけでさまざまな工夫を凝らし、“リーマントラベル”に挑戦してきました。今回は、旅仲間からよく聞かれることを踏まえつつ、私自身のリーマントラベル体験についてご紹介できればと思います。

 

「有給休暇は取れたの?」


photo by Yui Nishijima

結論から言うと、就職して1~2年目はまったく取れませんでした。リーマントラベルをはじめたのは、3年目からです。

新卒で入った会社は、なかなかの激務でした。休暇中でも1日単位でノルマが積み重なっていくので、休むという発想自体なし。夏休みも存在しませんでしたし、有給休暇(以下、有休)は上司に「お願い」するものだと認識していました。

転機が訪れたのは入社3年目のとき。部署異動して、部署統括マネジャーはいるけれど自分と同じポジションの人はいないという状況になりました。それはつまり、自分の段取りで仕事を進められるということ。すこし余裕ができ、その後転職するまで何度か旅に出ることができました。

タイミングとしては、有休を溜めて年に1~2回、転職前にまとめて、など。有休は旅行につぎ込みました。

 

「上司や同僚と気まずくなりそう……」

photo by Shutterstock

上司や同僚に恵まれていたので、いつも快く送り出してもらいました。感謝。

出発前の準備や帰国後のお礼には気を遣っていましたが、空気を読まない勇気も必要だと思います。あれこれと気を遣いすぎるよりも、「いつも頑張ってるから、たまには休暇が必要だよね!」と思ってもらえるよう、仕事に集中することを意識していました。

旅人採用のように、旅人であることを買われて就職したり、上司や同僚も旅人だったりするともっと旅しやすいかもしれませんね。うらやましい。

 

「リーマントラベルを実現するコツは?」

photo by Shutterstock

有休取得はサラリーマンの権利だとはいえ、まとめて取るのはちょっと後ろめたいもの。でも諦める必要はなし。平穏に有休を奪取するために工夫していたことをご紹介します。

 

(1)仕事に集中する

「有休を取っても誰にも文句を言わせない!」という強い気持ちで、常に仕事に全力投球。普段から忙しそうな人の仕事を率先してお手伝いしたり、雑用を率先してやったりということも心がけていました。

ただこれは、周囲へのアピールというよりも、「ちょっとくらい休んでも自分の居場所はなくならない」と自分を安心させるためだったかもしれません。

 

(2)旅行キャラを確立する

旅好きだとアピールしておくことで、「そろそろ旅立たなくて大丈夫?」「次はどこに行くの?」と言われるような雰囲気を作るようにしていました。

 

(3)旅行のタイミングをみきわめる

繁忙期は避けるようにしていました。

私(編集職)の場合は、ライターさんから原稿を提出してもらう時期をあえて固めて、一気に仕事をやっつけられるようなスケジューリングに。1か月の中に繁忙期と閑散期を設ければ、閑散期に旅しやすくなります。

photo by Shutterstock

(4)できるだけ早くから周知しておく

旅に出ると決まれば、すぐに周知するようにします。予約はしていなくても、客先同行の道中などで上司と雑談するタイミングがあれば、「いつ」「何日間くらい仕事に影響が出て」「どこに」を軽く予告しておくのもおすすめ。「再来月に2日ほどお休みをいただいて、セブ島に行くかもしれません」という感じ。

もちろん周知だけでなく、仕事の調整も前倒しで。社内の共有スケジュールにも「休暇をいただきます※連絡はチャットでお願いします」などと入れておくとわかりやすい。

ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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