ロハスな夫婦とモアイと夕日と
一緒にごはんをつくって、食べて、雨水で洗い物をして。それから、お父さんの木彫りのモアイの作業風景を眺める私。(あれ、本物のモアイは?笑)
半日ホームステイを終えた後、連れて行ってくれました。初めてご対面するモアイは、勇ましく青空の下に立っていて、すべてを見透かされているようなそんな気分。
二人とのお別れは少し寂しくて、バイバイした帰り道、海に沈んでいく夕日が今回の旅で一番きれいでした。
3ヵ月の旅も終盤。最後の国は、オーストラリア!エアーズロックを仰ぎ見て、パースに到着。海の近くにある、のんびりした街パースは、ゆっくり自分と向き合うにはぴったりで芝生に寝転がりながら、これからをじっくり考えてました。
忘れたくない気持ちが、いっぱいある
(帰国したら、旅を振り返りながら、思い出に浸ってこれからへの想いを綴って…としたいところだけど、最後の学園祭に全力出して、卒論にバイトにって、あっという間に日本の生活に戻ってしまうんだろうなぁ。)
忘れたくない気持ちが、いっぱい、いっぱい、あるのに。そんな想いにふけりながら、思い出したのは、
インドでの物乞いの子どもたちとの出逢いのことでした。
「お菓子を買って」と近寄ってきた男の子。まだ2ヵ国目のインドで初めて物乞いの子に出会った私は、とってもとっても戸惑ってしまったのです。途上国ではみんなぶつかると思うのだけど、きっと。
「お菓子を買って」…さあどうする?
(観光客がお菓子を買ってあげるのは、なんか違うし、でも、このまま無視していいのかな…。ううん、でも、よし!この子と一緒にお菓子を食べよう!)
でも…、いざお菓子を買うと、パッて取られてしまって、その子は悲しそうな顔をして、お菓子を後ろに隠してしまった。私もなんだか悲しくて、自分の選択は違ったのかなぁって、また分からなくなったのでした。
けれど、その先で出会ったインド人の男の人との出逢いで、なんだかしっくりくる答えが見つかったのです。
彼は洋服のデザイナーで、自分で店を構えていました。店に並ぶ服は、どれもとってもセンスがいいのです。
私「デザイン画みてもいい?」
彼「デザイン画の描き方とか分かんない」
私「なんで分かんないの?」
彼「学校行ってなかったから。頭の中で考えて、布切ってる」
彼はもう自分のお店を持っているけれど、もっと大きな会社にするのが夢なんだ!と言っていました。
始めた頃は貧乏だったみたいだけど、頑張っていたらロンドンで仕事がもらえて、そのお金でお店を出せて。
彼「人生なんて短いからさ、早く夢を叶えるんだ!大事なのは、今やるってことなんだ!後回しにしてたら、すぐおじいちゃんになっちゃうからね!」
そんな彼も、小さい頃は、親に教えられて、観光客にお金やチョコレートをもらう物乞いをしていたんだって。笑って自分の夢を話す彼を見て、なんだか驚いたし、とっても嬉しくなりました。
インド人がインドを変えていく
カースト制度の上で生きる大多数の人たちは、やっぱり、あれこれ将来のことを選択できる自由はないと思います。
でも、こうやって、自分で未来を切り開いていく人がいるのも事実で。インドって、日本の社長さんなんか目じゃないくらいのお金持ちだって、たくさんいたりするのです。
金持ち層だけでいったら、もう十分発達している。って考えてたら、インド人がインドを変えていくんだよね。そうじゃないといけないよねって、思いました。
成功するかは別として、走り出すことはできるのだ!そんなこと考えていたら、日本で夢を叶えることって、頑張れば大抵のことはできるんじゃないかなって、思った!
(成功するかは別として、走り出すことはできるのである!まず、ね!)だから私は、夢を、もう決めてしまおう!と思いました。日本に帰って、流されて、忙しさを理由にして「そんなことも思ったなぁ」って、なってしまわないように。
私は将来を選択できるし、その道を進むことができる。私の夢。それは、日本にゲストハウスを開くこと。
旅中、私はほとんどゲストハウスに泊まっていました。知らない土地にたどり着き、まずここで旅情報をゲット。オーナーとのおしゃべりで不安な気持ちが癒されたり、友達ができたりして、安心してぐっすり眠れたりしました。
私が一人で旅に出る理由は、もちろん気ままに、思いのままにできるというのも理由。でも本当は、一人はそんなに好きじゃないのです。
おしゃべり好きで、かなりの感動屋で、できれば共有したくて。だから、朝ロビーであった人に声をかける。
「おはよう」「どこから来たの?」
「今日行きたいところ、一緒だね!」
仲良くなって、一緒に街を歩いたり、ごはんに行ったり。これがバックパッカーの醍醐味なんじゃないかなぁ。ゲストハウスには、出逢いが溢れていて、初めて会ったはずなのに、びっくりするくらい、何でも話せてしまったりする。
別れ際にハグする時は、ほんの2、3日しか一緒じゃなかったのに、あれれ、と涙が出てしまったりします。一人になる寂しさと、良い旅を!と、本当にありがとう!がぎゅってすると溢れてくるからだと思います。
新しい人に出逢って、新しい物事や感情に出逢えて、旅先の出逢いっていいなぁ。
夢は、言ったもん勝ち!
そんなわけで、帰国後、東京のゲストハウスで働いています。誰かの旅先の一日や出逢いが、私の毎日の生活になる。数ある国から日本を選んで、数ある宿からここを選んで、来てくれたみんなに本当に本当にありがとうって、思います。
自分にできることはすべて!お答えしたい!と!!とにかく嬉しかったんです。旅先での人のあったかさ。それを私は肌で感じたから。
最初に訪れる宿で、日本に来た海外の人にも、もちろん日本の人にも、たーくさん感じてもらいたいって思うわけです!
(そして来年には、自分でゲストハウスを OPEN させる予定です!ばばーん!)
私は今まで夢なんて、
(口に出してできなかったら、かっこ悪いから言わない)
そう思っていました。でも今回、やっと「世界一周」って言葉を口に出して、そうしたらやっぱり実現は早くて。
今まで思っていてもできなかった大抵のことって、口に出して後回しにしなかったら、できていたんじゃないだろうか、って思いました。旅に出る前、なんとなく就活をしていた自分はどんな気持ちだったっけ?
(みんなそうしているから?そういうものだから?当たり前のことだから?それ、本当にしたいこと?)
「いま、向いた方が前だ!」
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世界一周中に、たまーに書いていた旅ブログの最後の言葉。
「向いた方が前だ!」
自分で開く宿のリビングには大きな机を置きたいな。ただいまって帰ってきたら、みんながそれを囲んで、ごはんを食べたり、おしゃべりしたり。
小さく小さく言うと、つくりたいのはそんな場所。この旅で出逢ったみんなが泊まりにきてくれたら、そこでまた、たくさんたくさん、おしゃべりしよっと!!!
世界一周に出たい!でも勇気が出せない。そんなあなたへ
いかがでしたか?
今回の世界一周ストーリーを掲載している書籍では、15名の感動ストーリーだけではなく、一緒に本を作成した世界一周者50名のお土産話やアンケート、世界の瞬間PHOTOなど世界一周経験者の想いが詰めこまれています。
「世界一周して人生が変わる?」
これは、あなたが本当に実感できるかどうか分からないかもしれません。ただ、少なからず私たち50名の人生は、世界一周がきっかけで変わりました。
この想いをあなたにも感じて欲しい。そしてこの本をきっかけに、旅に出てくれたらもっと嬉しいです。
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