編集部
Asuna エディター

元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

みなさんこんにちは、先日夫と西日本をマイカーで旅してきたAsunaです。2週間ほど旅していたのですが、友人の家と、祖父母の家以外はずっと車中泊でした。各地の温泉や美味しい食べ物、綺麗な景色を堪能し、未だ余韻に浸っています。

夫と決めた今回の旅での第1目標は、「毎日ちがう場所で朝日を拝もう(撮ろう)」でした。自然が美しい場所ばかり旅していたので、必然的に朝焼け・夕焼けと星空スポットを探しまわったのは言うまでもありません。

photo by Asuna Igari

わたしが集中して写真を撮るのは、早朝・夕焼け・星空の3回です。もちろん街スナップなども撮るのが好きですが、大きな三脚を担いで真っ暗な森の中を歩いてまで撮りにいくのは、すべては「大好きな瞬間の空を見るため」なんです。

早朝、人が少ない時間に静かな場所で淡く染まっていく空を見ている時の幸福感は、言葉に表すのが難しいほど。

今回は、密にならずに自然を満喫できて、広大な空を見上げる旅をおすすめスポットと併せてご紹介していきたいと思います。

なぜ、この時間帯をすすめるの?

photo by Asuna Igari
SNSに写真を投稿する機会が増えた今、有名なフォトスポットに行くと多くの人がいます。

なるべく人がいない瞬間を狙っても、どうしても写真の中に知らない人が映り込んでしまったり、周りの人が気になって思う存分楽しむことができなかったりするなんてこともあるでしょう。

それに今は「なるべく密になることを避けたい」そんな時期。

だからこそ、人がいない(動かない)時間を選ぶのです。早朝・夕刻・深夜のなかでも「早朝」は1番狙い目。場所によって誤差はありますが、9月現在のおおよその日の出時刻は4時半〜6時。

空の色が徐々に変わり始めるのが日の出から1時間半ほど前からです。つまり3時半頃になります。そう、みんな寝ているんです。

photo by Asuna Igari
もちろん日中眠くはなるので、体調の調整は必要になってくるのですが…。

けれど、周りに人がいないということは、目の前に広がる大自然や広い空を独り占めしているような感覚を、明けていく空の色のように、ゆっくりじっくり味わうことができるのです。

それでは、わたしが今までシャッターを切ってきたおすすめのスポットを、時間帯別にご紹介していきたいと思います。

早朝はここがおすすめ

茨城県/日立駅

photo by Asuna Igari
茨城県の中でも太平洋に面しているJR日立駅。駅のロータリーにコインパーキングがあります。駅舎が新しくエスカレーターを登って左に行くと改札、右に行くと太平洋を眺めることができるスポットとなっています。

隣には、シーバーズカフェといって、海を見ながらパンケーキやエスニック料理を楽しむことができるカフェもあります。

営業時間は朝の7時から。晴れた日は太平洋を一望できるのも、素敵ですね!

photo by Asuna Igari
全面ガラス張りのこの空間は、ロマンチックな朝焼けを拝むことができるのです。このようにベンチも置かれていて、座りながらゆっくり眺めることもできておすすめ。

photo by Asuna Igari
もちろん、駅舎を出て外でも朝焼けを眺めることができるので、写真を撮りたい人は外に出て撮ると、すぐ下を通っている高速道路と一緒に朝焼けを撮ることもできますよ!

愛媛県/糸山展望台

photo by Asuna Igari
ここは、愛媛県の今治市にある糸山展望台。ここは、今治側から日本三大急潮の1つである、来島海峡と来島海峡大橋を間近で見ることができるスポットです。

上の写真は、朝日が昇る直前、空が真っ赤に染まった瞬間にシャッターを切った時のものです。糸山展望台に行くには、まず糸山公園駐車場に車を止めて、展望台を目指して7分ほど階段を登ります。

山の上に作られた展望台なので、森のなかに階段が続くような場所です。電灯はありませんので、スマートフォンのライトや懐中電灯で足元を照らしながら行くことをおすすめします。

photo by Asuna Igari
展望台が見えたらラストスパート。石でできた展望台の螺旋階段をぐるりと登ると、そこは絶景。徐々に明るくなっていく空と、昇る太陽をバックに来島海峡大橋を見ることができるのです。

夕暮れはここがおすすめ

千葉県/岡本桟橋(原岡海岸)

photo by Asuna Igari
ここは、千葉県南房総市富浦にある、原岡海岸です。海に突き出るように作られた岡本桟橋は、木の板とコンクリートでできています。太平洋に面したこの海岸は、夕暮れ時に訪れるのにぴったり。しかもなんと、空気が澄んでいる日には、海の向こうに富士山を見ることができるんです。

富浦ICを降りたら、道の駅富浦に向かって車を走らせ、そのまま127号線を北上すると、左手に「原岡海岸」と書かれた小さな看板が見えます。

photo by Google Map
その看板が立っている細い道を左に曲がると、海岸脇に原岡海岸の駐車場があります。海岸に出る手前にもに左手小さめの駐車場が見えるのですが、そこは民宿の駐車場なので停めることのないようお気をつけください。

photo by Asuna Igari
いかがでしょうか、太陽が沈んだ後、赤色から紫、それから青色に変化していくマジックアワータイム。わたしは、日の入りを見にきた他の観光客をよそに、日没後1〜2時間はその場を離れません。このように徐々に色が変わっていく空を眺めている時間が大好きだからです。この日は家族で来ていたので、妹に被写体になってもらいました。

香川県/父母ヶ浜

photo by Asuna Igari
ここは香川県西部の三豊市にある海水浴場、父母ヶ浜(ちちぶがはま)です。ここは、「日本の夕陽百選」に選ばれている観光スポットです。

さらに、とあるフォトコンテストでこの海水浴場の写真が受賞作品に選ばれたことで一躍有名になりました。

JR予讃線の詫間駅からバスで20分ほどの「父母ヶ浜」のバス停で降りて目の前に広がる、広いビーチには、毎日たくさんの観光客で賑わっています。広い駐車場もあるので、交通手段に困ることはありません。

photo by Asuna Igari
海岸より少し歩いて人がいない方向へ進み、静かなところでゆっくり夕焼けを眺めていました。夕陽が沈んだ反射で真っ赤に染まった雲が、恐ろしいほどに美しくて、シャッターを切るのも忘れて見入ってしまいました。海に反射して赤くキラキラ光る波の粒もまた、とても美しかったです。

photo by Asuna Igari
実はこの父母ヶ浜、他にも干潮の時に絶景写真を撮れるということで有名なのです。ただし、風があまり吹いておらず、水面が波立たない時なのだそう。

干潮によって潮が引いた砂浜にできるのは、およそ500メートル以上にも及ぶ干潟。この干潟にできた水だまりに空が反射して写るので、運が良いと上下対象で鏡張りのような写真が撮れるのだとか。

それからというもの、「日本のウユニ塩湖」と言われるようになり、人気観光スポットになったのです。夕暮れ時と、干潟の瞬間が重なるのは年に数回だというので、いつか再チャレンジしてみたいと思います。

星空はここがおすすめ

高知県/道の駅四万十とおわ

photo by Asuna Igari
道の駅で、なんと肉眼で。こんな美しい星空を見ることができるんです。信じられますか?ここは、たまたま私たち夫婦が駐車場で自炊をするために立ち寄った道の駅。

「営業時間内に来てお店見たかったね〜」なんて話しながら、車を降りた瞬間言葉を失いました。どーんと目の前に大きな天の川が流れていたんですもの。

この、
道の駅四万十とおわ
は、四万十川のそばに建つ道の駅。公式ホームページにも載っているように、今年6月から四万十川ジップラインができたり、道の駅ならでわの農産物直売所、伝統工芸品などを数多く取り揃える人気スポット。建物は新しく、駐車場も70台以上収容可能なのだとか。

photo by 道の駅四万十とおわ公式ホームページ
道の駅を正面に見て左端にトイレがあるのですが、トイレの脇に実は階段があり、そこを降りると川のすぐそばまでいくことができるのです。

この天の川の写真を撮影したのも、その場所。建物が電灯の明かりを隠してくれるので撮影スポットにはぴったりでした。今度は明るい時に来て店内を見て回ったり、名物の高知県産の鰻重も食べてみたりしたいと思います。

岩手県/小岩井農場の一本桜

photo by Asuna Igari
ここは、岩手県雫石町にある小岩井農場の一角。一本桜を見ることができる、春におすすめのスポットです。小岩井農場のメイン駐車場とは別に、一本桜を見れる柵の目の前に駐車場があります。

ここは、電灯などがないので、星空と桜の木を撮影することができるとっておきの場所。昼間のうちから撮影場所を確保しておく人がいるほどでした。

代々守ってきた景観をこれからも守り続けるのいう点から、柵の内側に入って撮影することはできないのですが、柵よりずっと遠くに咲く一本の桜の木と、その桜を背後から見守る岩手山が壮大で、昼間の景色もおすすめなスポットです。

photo by Asuna Igari
公式ホームページに、写真撮影や自然保護について書かれているので、訪れる際には、一度ご覧になってみてくださいね。

また、夜間、星空を撮影しに行かれる際には、電灯がないからこそカメラを構えている人たちにとっては、ライトで照らされるのが迷惑になることがあります。車や懐中電灯などのライトは必要最小限になるよう、気をつけましょう。

人が少ない時間だからこそ気をつけたいマナー

photo by Asuna Igari
人がいない時間を狙って動いているのは、わたしたち夫婦のように「写真中心」に旅をしている人や、本職カメラマンの方、人がいない時間帯だからこそ、大切な人と静かに過ごしたい人などです。

観光客が大勢いる場所では特に気にならない行動も、そこにいる人数が少ないからこそ気になってしまうこともいくつかありますので、最後にお伝えしたいと思います。

駐車スペースには気をつけよう

photo by Asuna Igari
以前わたしが書いた車中泊に関する記事にもあるように、行きたい場所の近くに駐車場があるのかどうかをしっかり下調べをしてから行きましょう。コンビニエンスストアのように長時間駐車お断りの駐車場に停めていくのは、お店に迷惑がかかります。

そんなときに1番おすすめしたいのは道の駅。24時間駐車場やトイレを開放しているところが多く、電灯もあるので安心。人気(ひとけ)がなかったり、後続車から見にくい山道などでの駐車は避けましょう。

声のボリュームは下げよう

photo by Tatsuya Igari
絶景に驚き、大きな声で感動を伝え合いたい気持ちはとってもわかります。わたしもそうです。「うおおおおおお!」と声が出てしまいそうなのをぐっと堪えています。

その場所に自分たちよりも先に来ている人たちは、ゆっくり景色を味わっているかもしれませんし、真剣に撮影しているのかもしれません。また、近所にもし民家などがあった場合は、早朝や深夜などは特に迷惑になってしまいます。

こんなときは、「独り占めするんだ」とう気持ちで、心の中いっぱいに景色を楽しみ、味わってくださいね。

ライトは必要最小限で

photo by Asuna Igari
カメラで星空や雲海、朝焼けを撮影している人は、シャッタースピードを遅くして長時間露光で撮影していることがほとんど。これは、⚪︎秒間で1シャッターと決めて長時間、カメラのセンサーに光を取り入れ続ける撮影機能・方法です。

例えばこちらの夜景写真。ここはしまなみ海道を一望できる、愛媛県の亀老山展望台から撮影したものですが、わたしは、この1枚のシャッターを切るのに30秒かけています。つまり、シャッターを押してから30秒間の間に前を横切った光や鳥、人物などは全て写真に映り込んでしまうのです。

photo by Asuna Igari
ですので、細心の注意を払って、少しの揺れも生じないように撮影している人もいるということを念頭に置いて、ライトの光は必要最小限にしましょう。

写真を撮りに来た人、ゆっくり景色を眺めに来た人、ただ散歩に来た人など、どんな人も、同じ景色を見てそれぞれが気持ちの良い時間を過ごすことができるよう、一人ひとりが気をつけることができると良いですね。

静かでのんびりした旅=密にならない旅

photo by Asuna Igari
大切な人とのんびり過ごす旅は、とっておきの時間。密になることを避けて「おうち時間」を充実させることも1つの工夫ですが、出かける時間帯を工夫すると、密にならずに絶景に出会うことができるかもしれません。

晴れた日の夜は星空を、早朝は日の出を、夕暮れ時には夕陽を、大切な誰かと静かに楽しむ旅、みなさんもしてみませんか?

【特集】NEXT JAPAN TRAVEL – あたらしい旅、だいすきな場所。-


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元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

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