ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

まず「スロベニア」という国を知っていますか?最近、訪れる日本人観光客が増えたとはいえ、まだまだマイナーな国であることに変わりはありません。スロベニアはイタリアの東にある四国ほどの面積を持つ小さな国です。とは言え、この国にはたくさんの魅力が詰まっています。

そこで、今回はスロベニア旅行を強力にサポートするスロベニア鉄道のホームページを紹介します。

 

スロベニア鉄道の概略

Photo by 新田浩之

先ほども書いたとおり、スロベニアは小さな国ですが、鉄道網は充実しています。またイタリア、オーストリア、クロアチアなど、多くの国際列車が乗り入れることも特徴です。そんなスロベニア鉄道の看板列車がマリボル~リュブリャーナ~コーペルを結ぶICE「ペンドリーノ」です。この列車はカーブでもスピードが落ちない振り子式を採用。山がちなスロベニアを快適に駆け抜けています。

ところで、スロベニアはバスも充実しています。バスも便利ですが、車酔いする方は必ず鉄道を選びましょう。先ほども書いたとおり、スロベニアは山がちな土地です。したがって、バスですと数十分にわたってカーブが連続するところがあります。きっと、車酔いする方にとってはつらいはず。

まだ、鉄道はバスと比べればマシです。どうしても、乗り物酔いする方は酔い止めとエチケット袋を持っていくことを忘れずに!

 

スロベニア鉄道のホームページから切符は購入できない!?

Photo by www.slo-zeleznice.si

まずはスロベニア鉄道のホームページを開いてみましょう。パッと見ると、大国の鉄道のホームページと変わらないような気がします。しかし、スロベニア鉄道のホームページから切符を購入することはできません。なお、ドイツやオーストリアからリュブリャナ行きの直通列車の場合、ドイツ鉄道、オーストリア鉄道のホームページから購入できます。

それなら、まったく使えないホームページかと言われると、答えは逆。とてもシンプルなつくりになっているので、他国の鉄道ホームページよりも見やすいのが特徴です。

Photo by www.slo-zeleznice.si

たとえば、首都リュブリャーナから世界遺産ピランの玄関口、コーペルまでのダイヤを調べてみましょう。使い方は簡単。発車駅をリュブリャーナ、到着駅をコーペルにすればいいだけ。もし分からなければ下矢印を押して、駅一覧から入力できます。

Photo by www.slo-zeleznice.si

この画面を見たら「あれっ」と思うはず。実はスロベニア鉄道はバス代行が多い(ような気がします)。私がスロベニアを旅したときも、一部区間において、バス代行がありました。なお、鉄道のバス代行は一般のバスターミナルからは発車しません。駅前からバスが出発します。もし、代行バスのことでわからない場合はバスターミナルではなく、駅員に尋ねることをおすすめします。

Photo by www.slo-zeleznice.si

試しに「IC503」のリンクを押したところ、IC503列車のダイヤが表示されました。ダイヤは始発駅からなので、慌てないように! 慎重に調べると「リュブリャーナ」の駅名が見つかるはずです。

Photo by www.slo-zeleznice.si

スロベニア鉄道のホームページでうれしいポイントは運賃がわかりやすく表示されていること。リュブリャーナからコーペルまでのIC2等の料金は約11ユーロ(約1,400円)です。なお、12歳~26歳の利用客には「ユース」が適用されます。ユースの場合は約8ユーロ(約1,000円)! もし、あなたが26歳以下の場合は「ユース」で切符を購入することを忘れずに。

Photo by www.slo-zeleznice.si

時間があれば、下にスクロールしてください。すると「Obstacles in traffic」と「Train delays」が見つかると思います。「Obstacles in traffic」は「運転障害」です。つまり、鉄道工事の予定が書かれています。鉄道工事が行われている場合は先ほど見たようなバス代行が運行されます。一方「Train delays」は「列車の遅延」です。

Photo by www.slo-zeleznice.si

「Train delays」をクリックしてみました。すると列車別に何分遅れているか、ということが一発でわかります。スロベニアの駅で待っていて「遅いな」と思ったら、「Train delays」をチェックしましょう。なお、駅ホームでも大幅に遅れている場合は構内放送が流れます。

 

国際線を調べるならココをチェック!

Photo by www.slo-zeleznice.si

さて、国際線を調べるにはどうすればいいでしょうか。先ほどの時刻表検索に外国の地名を入力してもまったくヒットしません。

Photo by www.slo-zeleznice.si

試しに時刻表検索、日付の下にある地球儀マークを押すとドイツ鉄道のホームページに飛びました!

Photo by www.slo-zeleznice.si

それでは、スロベニア鉄道のホームページは国際線にはまったく通用しないか、と言われると、そうではありません! 上の欄から「Abroad」にカーソルを合わせてください。すると、国名がズラリと表示されます。

Photo by www.slo-zeleznice.si

試しに隣国のクロアチアを選んでみました。すると首都ザグレブをはじめ、さまざまな都市が表示されます。

Photo by www.slo-zeleznice.si

単なる都市紹介かと思いきや、ここにリュブリャーナ~ザグレブ間の時刻表と運賃が表示されています。おまけに、お得な切符情報まで至れり尽くせり。もちろん、ザグレブのちょっとした有名観光地も紹介していました。

Photo by www.slo-zeleznice.si

今度はスロベニアから少し離れているチェコ共和国の首都、プラハを選択。すると、リュブリャーナからプラハまでの乗換列車を含めたダイヤが表示されます。正直、ここまでサービス精神にあふれた鉄道ホームページはなかなか見つからないと思います。

国際線において乗り換えが必要な場合はこのページを印刷しましょう。印刷したものを駅窓口で見せると、スムーズに切符を購入することができると思います。

ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

RELATED

関連記事