ライター
morinohinako Go with the flow.

Writer / Editor. 山梨県北杜市、沖縄の離島、東京を行ったり来たり。おいしいもの、美しい自然があるところなら、どこでもかけつけます。旅をすればするほど、甘酸っぱい記憶が増えていく。だから私は旅を続けています。

最近よく耳にする「サステイナブルな地球にやさしい暮らし」。けれどひとくちに「サステイナブル」と言っても、いきなりビーガンになったりプラスチックゴミをゼロにしたり、オーガニックなちょっと高い食料品を毎日買うなんて難しいと思いませんか?

私は実際、そんなのハードルが高すぎる!と思い、もう少しやさしいサステイナブルはないのかなと探していました。

そんな中で訪れたインドネシア・バリ島には、自分らしいサステイナブルな暮らしをするヒントがいっぱい。今回は、旅から日常に戻るまでの”わたし的サステイナブルな暮らし”の見つけ方を、4つのステップでご紹介します。

STEP 1:自然の中で、癒される瞬間を思い出す


空港を出て深呼吸すると、鼻いっぱいにその場所独特の香りが広がって「ああ、来たな」と感じます。その瞬間に旅のよろこびが詰まっているような気がします。

バリ島の空気には、海の香りや木々の潤った香り、お香の甘い匂いが漂っていました。

海沿いの街クタ、サヌール、島の奥にある木々に囲まれたウブド。私は1週間のうちの3日をサヌール、2日をウブドで過ごしました。海沿いと森の中では景色も流れる空気も全く違っていて、それもまた島への旅のうれしいところです。


一日中ビーチで海を眺めたり。緑の深い道を散歩したり。

コンクリートジャングルから離れて自然の中にポツリと入ると、最初はそわそわします。けれどだんだんと、「気持ちいい」と感じて周りの自然の呼吸に身をまかせてみることができる。そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。


そうしているうちに気がつくことがあります。自然環境に優しくすることは何も新しいスキルでもなく、実は自分の身体にもともと備わっているものであり、ただ速すぎる流れの中で忘れてしまっていただけなのだと。

自分が「気持ちいい」と感じる瞬間を思い出し素直になることが、サステイナブルへの最初の一歩ではないかと思います。

STEP 2:昔から自然と共に生きている人々の思想を知る


バリ島には、はるか昔から受け継がれている考え方があります。

その考えを体現しているのが、バリ島の多くの人が信仰しているバリ・ヒンドゥーの教えの中にある、「Tri Hita Karana(トリ・ヒタ・カラナ)」という言葉。意味は「人・自然・神との調和」です。

バリ島の人々は、人と自然と神が優劣なくお互いを傷つけることなく、手をつないで共生することを大切にしているのです。そのことが感じられる光景は、バリ島のいたるところで見られます。


家族との時間を大切にし、村での行事に日常的に参加し、常に自然と共に暮らす。

「Tri Hita Karana(トリ・ヒタ・カラナ)」の思想は、自然を踏み台にするような経済を避け、人の心が壊れてしまうような働き方をしない、本当の意味で長く続けていける「持続可能な」暮らしを支えていると感じました。

日本では、こんな考え方はきっと馴染まない。東京とバリ島のあまりの環境の違いにあきらめてしまいそうになりましたが、ふと思い出したのは、子どものころに教わった「お米1粒には7人の神様がいる」という言葉。

日本にも昔から、自然や神を大切に思う心があること思い出させてくれます。風土や文化は違えど、人々の間で伝えられてきた言葉には、人間が自然とどう関わってきたかを教えてくれるヒントが隠されているんですね。

ライター
morinohinako Go with the flow.

Writer / Editor. 山梨県北杜市、沖縄の離島、東京を行ったり来たり。おいしいもの、美しい自然があるところなら、どこでもかけつけます。旅をすればするほど、甘酸っぱい記憶が増えていく。だから私は旅を続けています。

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