ライター
Jyaiko カタール在住/約100ヵ国渡航

横浜生まれ中東育ち。現在はカタール在住。今まで住んだことのある国はエジプト、アメリカ、カタール。人生の約半分は海外暮らし。高所恐怖症で飛行機も苦手なのに、旅がしたくてなぜか客室乗務員として空の上で働いている。現在行ったことのある国は約100ヵ国。興味あることは国際協力とモアイとラーメン。

こんにちは。みなさんはスヴァールバル諸島という名前は聞いたことがありますか?私もつい最近まで知らなかったこの諸島。北極から約1,000kmの場所に位置しており、ノルウェー領となっています。

ここでは今まで経験したことのない日照時間ゼロの極夜の雰囲気を味わえたり、犬ぞりやスノーモービルなど北極圏ならではの興味深いアクティビティに参加することができます。

他では味わうことのできない特別な旅となったので、今回はその世界最北端の地スヴァールバル諸島の魅力についてご紹介したいと思います。

 

世界最北端の地、スヴァールバル諸島とは

photo by Shoko_Jyaiko 北緯78度に位置するスヴァールバル諸島。

スヴァールバル諸島はいくつかの島で構成されていますが、大半のエリアに人は住んでいません。住んでいるのはホッキョクグマ、ホッキョクキツネ、トナカイ、アザラシなどの野生動物が主です。

この諸島の中、唯一有人島であるスピッツバーゲン島にあるロングイェールビーンという街の人口は約2,000人。1,000人以上が居住する街としては、世界最北端に位置する街と言われています。

そんな北極圏に位置するスヴァルバール諸島の特徴は、1年間のうち日が沈まない白夜が約4カ月、そして日が昇らない極夜が約4カ月続くということです。私はその極夜が終わる数週間前にあたる1月末にここを訪れました。

 

 極夜と幻想的なブルーライトを体感する!

photo by Shoko_Jyaiko

私たちがスヴァールバル諸島の街、ロングイェールビーンにある空港に到着した時間は午後2時。まずその時の暗さに驚きました!

photo by Shoko_Jyaiko 午後2時の様子……。

photo by Shoko_Jyaiko 空港の外の様子。

それから明るくなることもなく、時間が経つと共に徐々に暗さは増してきます。これが極夜かと不思議な気持ちになりました。

そして、これが翌朝の朝食の時間(午前9時)の外の様子です。

photo by Shoko_Jyaiko

朝ごはん食べているのか夜ごはん食べているのか分からなくなります。その後外出すると、少しだけ明るくなった気がしてきました。午前11時頃には幻想的なブルーライトを見ることができました!

ブルーライトとは冬の極夜が終わりかける頃に、太陽は昇らないけれども、その明りで幻想的な青い光が空と大地を染めることを指します。ちょうど朝日が昇りかける前の状態で、その光が白い氷河や山を照らし、それがなんとも美しい幻想的な風景を生み出すのです。

photo by Shoko_Jyaiko

この景色を見れるのも約2時間ほど。午後1時頃にはまた暗くなりだし、午後2時頃にはあたりはもう夜のような暗さになります。

ちなみに、ホテルにはこのようなスクリーンがありました。

photo by Shoko_Jyaiko

「太陽が昇る日まであと19日、19時間、12分、47秒」。スヴァールバル諸島住む人たちは、太陽が昇る日を心待ちにしているのでしょう。

 

犬ぞり体験をしてみよう!

photo by Shoko_Jyaiko

北極圏ならではのアクティビティ、犬ぞり体験をしてみました。まず連れてこられたのは犬の訓練施設。ここには約100匹のアラスカンハスキーがおり、人の手によって繁殖から訓練まで行われています。

皆どの犬もとてもフレンドリーで、撫でに行くと飛びついてキスをしてきます。

photo by Shoko_Jyaiko

この元気で走る気満々の犬たちを、ガイドさんの指示に従ってソリに結び付けていきます。犬同士も仲の良し悪しがあるようで、仲のいい犬同士でソリを引くグループを決めるそう。一番重要なのが先頭を走る犬で、一番力のいるソリに近いところを引く犬は大きめなオス犬でした。

 

ソリの準備ができたらいざ出発です。時刻は夕方5時過ぎでしたが、現在極夜のスヴァールバル。あたりは真っ暗なので、ヘッドライトと前の人の明り頼みで進みます。ソリが動きだしたと思ったら犬たちは元気はつらつで大興奮!ものすごい勢いで走りだしていきます。

photo by Shoko_Jyaiko

二人で乗るので、一人は操縦者としてソリの上に立ち、もう一人は搭乗者としてソリに座ります。行きと帰りで役割交換をするので両方経験することができます。

真っ暗な道を犬たちが駆け抜けていく姿はとても圧巻で、「北極圏に来たんだなぁ」としみじみ実感することができました。

 

スノーモービルに乗って銀世界を駆け巡ろう!

photo by Shoko_Jyaiko

スヴァールバルの街、ロングイェールビーンでは住民の方々がスノーモービルを自由自在に操り、移動している姿をよく目にします。そのくらいこの北極圏の永久凍土の地で、スノーモービルは必需品。

スノーモービルに乗ってスヴァールバル諸島の様々なエリアに行くツアーも、たくさん用意されています。私たちもテンプルフィヨルドというロングイェールビーンから約50km離れた所に行く計7時間のツアーに参加してみました。

 

私はペーパードライバーなので運転はせず、一緒に行った相方が運転してくれるスノーモービルの後ろに乗って参加しました。

スノーモービルツアーの留意点は、自動車免許証が必須であるということ。運転する参加者はガイドさんに免許証を見せましょう。

日本の免許証は日本語で書かれているため、国際免許証が必要なことも。ツアー会社によって決まりが違うので、国際免許証をお持ちでない方は、必ず事前にツアー会社に確認してみてください。

photo by Shoko_Jyaiko

ロングイェールビーンを出発したのが午前11時ごろ。あたりはうっすらと明るく、ブルーライトの景色を見ながらツアーはスタートしました。

180度見渡す限りの雪の世界。しんと静まりかえっている空間の中、スノーモービルのエンジンの音を響かせながら、一列になって道なき道を駆け抜けていく気分は、なんとも特別なものでした。

photo by Shoko_Jyaiko

途中何か所か停車して、昔この地域で狩猟していた人たちが建てた家や、トナカイを見学することもできました。

約2時間半かけて到着したテンプルフィヨルド。遠目で見るとお寺のような模様に見える岩山があることからこのように名付けられたと言います。

photo by Shoko_Jyaiko 後方に見えるのがテンプルフィヨルドです。到着時は若干吹雪いていたので鮮明な写真ではありませんが……。

ここには狩猟の拠点として昔住んでいた人の家があり(こんな道も電気もない厳しい自然の中にずっと一人または二人で住んでいたと思うと想像を絶しますが……)、その家の周りのベンチで探検家用フードを食べてランチ休憩をとりました。

photo by Shoko_Jyaiko お湯を注いで3分まてば温かいパスタやクスクスのできあがり!

帰りは同じ道を戻るのですが、午後3時過ぎであたりは真っ暗。行きとはまた違ったスヴァールバル諸島の雰囲気を味わいながら帰路につきました。

ライター
Jyaiko カタール在住/約100ヵ国渡航

横浜生まれ中東育ち。現在はカタール在住。今まで住んだことのある国はエジプト、アメリカ、カタール。人生の約半分は海外暮らし。高所恐怖症で飛行機も苦手なのに、旅がしたくてなぜか客室乗務員として空の上で働いている。現在行ったことのある国は約100ヵ国。興味あることは国際協力とモアイとラーメン。

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