第2のふるさとプロジェクト「一生に何度も訪れたくなる琴平」
写真引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000010950.html
ー国内の取り組みについても教えてください。
長く関わっている地域のひとつに、香川県の琴平があります。国内の仕事は、海外の観光プロモーションとは少し異なり、「旅行・観光」に加えて「地域・ローカル」というテーマが大きく関わります。そのため、単なる観光振興だけでなく、まちづくりや人材育成、関係人口の増加、移住促進など、包括的な相談を受けることが多いですね。
琴平には、「大学生や20代の若い世代にもっと訪れてもらいたい」という課題がありました。琴平といえば金比羅山が有名で「一生に一度は金比羅参り」という言葉があるのですが、多くの人は金比羅山に登って、うどんを食べて、そのまま日帰りしてしまう。宿泊率は低く、リピーターも少ないのが現状でした。
この課題に対して、地元の企業や関係者と意見を交わしながら、若者が何度も訪れたくなる仕掛けを作ることに取り組んでいます。例えば、実際に学生を連れていくツアーを企画・運営し、地域の人々と交流する機会を設けるなど、コロナ後から継続的にプロジェクトを進めています。

清水
現在は、「一生に何度も訪れたくなる琴平」を目指して、観光庁が推奨する「第2のふるさと」というコンセプトに沿った取り組みを強化しています。
これは、「地元以外にもふるさとがあると、自然と何度も足を運ぶようになる」という考え方です。実際、僕自身も昨年だけで5〜6回琴平を訪れました。
もちろん、金比羅山は琴平の大きな観光資源ですが、それだけではなく、地域の魅力をより多角的に発信していくことが重要だと考えています。僕らは「新しい旅のスタイル」を琴平でどのように形にできるかを模索しながら、地域の人との交流を軸に、琴平を“第2のふるさと”として訪れたくなる仕組みを作っていくことに挑戦しています。

清水
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雄大な自然が残る、道東のあたらしい旅を若者へ
ー他にも思い出に残っているお仕事はありますか
道東での取り組みも、とても印象に残っています。北海道というと、多くの人がまず札幌を思い浮かべますが、じつはそれ以外にも魅力的な場所がたくさんあります。とくに道東は、手つかずの大自然やユニークな文化が残るエリアで、もっと多くの人に訪れてほしいと感じています。
僕たちは、北海道エアポートが運営する道東エリアの空港と連携しながらプロジェクトを進めています。
北海道エアポートは道内12空港のうち7空港を運営しており、たとえば釧路空港から入り、女満別空港から帰るようなルートを活用すれば、道東のさまざまなエリアを巡る旅が可能になります。ただ、現在の観光客は40代以上が中心で、若者にどうやって道東の魅力を届けるかが大きな課題でした。

清水
写真引用元:https://tabippo.net/hokkaido-yokota/
そこで僕たちは、「余白をえがく道東旅」というコンセプトを立て、プロモーションやツアーの企画を実施しました。この取り組みの一環として、標茶(しべちゃ)という比較的ニッチなエリアでは、「THE GEEK」というサウナ付きのクラフトホテルの事業プロデュースにも関わりました。
また、知床では、観光船事故の影響で観光客が減少した地域をどう再生するか検討したり、阿寒摩周国立公園では、サステナブルツーリズムの視点から新しい旅のあり方を模索したりする取り組みも進めています。

清水
◆関連特集:余白をえがく道東旅 圧倒的な自然の美しさに出会う旅
僕らは「風の人」。地域の人とともにつくる未来
ー地域の人とお仕事をするときに意識していることはなんでしょう?
地域の方々との関係性は、僕たちにとって何よりも大切です。そのなかで、僕らにしかできない役割があると思うんです。
僕らは東京に拠点を構える小さな会社なので、毎日道東や琴平に滞在することはできません。そのため、地域に根付く「土の人」と、外部から新しい風を吹かせる「風の人」という役割があると考えています。僕らは「風を吹かせる人」として、外からの視点や新しいアイデアを届けることに集中することが、自分たちにとっても地域の皆さんにとっても価値があると思っています。
具体的には、他の地域での成功事例を共有することが多いですね。国内だけでなく、タイやハワイなど世界各地での取り組みを紹介しながら、地域ごとの課題に応じたヒントを提供することを意識しています。

清水
写真引用元:https://note.com/shiminao/n/n174e27d15296
もうひとつ大切にしているのは、TABIPPOが大切にする「旅で世界を、もっと素敵に」というビジョンに共感してくださる方々と、一緒に仕事をすること。
最近の事例で言うと、富山県黒部市の宇奈月温泉での取り組みがあります。黒部市や関西電力からの依頼を受け、TRAPOL合同会社様と連携しながら、宇奈月温泉の地域ビジョンを策定する仕事をしています。
ここでは、単なるコンサルティングではなく、ハワイの観光戦略など海外の事例も交えながら、地域の方々と一緒に未来を描くプロデュース的な役割を担っています。

清水
ー各国の成功事例を「風の人」として伝えているのですね。
具体的なパンフレットやウェブサイトの制作を依頼されることもありますが、もっと上流の段階で「まずは相談したい」という形で関わることも多いです。
たとえば、香川県の豊島ではアドバイザー的な立場で関わっています。マーケティングは単なる広告やPRにとどまらず、地域コミュニティの作り方や人材育成、移住促進、ビジョンの策定など、幅広い視点が求められます。そうしたなかで、自分の経験や他地域の事例をもとに、地域ごとに最適な形を一緒に考えていくことを大切にしています。

清水
旅で世界を、もっと素敵に
TABIPPOは創業当初から海外を中心に活動し、コロナを機に国内の地域活性にも力を入れてきたことを、事例を交えて語っていただきました。
観光や旅を単なる娯楽ではなく、文化や地域を深く知る手段、また人生に大きな影響を与えるものとして捉え、あたらしい旅のあり方を提案しているTABIPPO。
「風の人」として持ち込む視点が、地域に新しい可能性を生み出し、そこに根付く「土の人」とともにより良い未来を創っていく未来が楽しみです。
Photos by TABIPPO
「旅」に「一歩」踏み出すきっかけを。世界一周を経験した僕らが立ち上げたTABIPPOの軌跡
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