ライター
桃(Momo) フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

旅人だったら誰でも知りたいあんな疑問やこんな疑問を、プロフェッショナルたちに直撃してみた「プロフェッショナルに聞いてみようシリーズ」。今回は成田税関支署の方に税関に関する疑問を聞いてきました!

今回のプロフェッショナル:成田税関支署・梶原さん

梶原さん

大学のときに一人旅が好きになり、休学し世界一周しました。旅行中にテロや不正薬物を身近にある脅威だと感じたことがきっかけで、空港や港の取締を行う税関職員を目指すようになりました。現在は税関検査官として、成田空港で日々旅客の手荷物の検査、徴税などの業務を行っています。

質問1:意外と見落としがちで税関検査の時引っかかりやすいものを教えて!

毎回ドキドキする税関申告……。あんなお土産やこんなお土産は引っ掛かるのかな?

回答1:肉製品、果物、ワニ革バッグなどは要注意です!

土産品を買うときに注意していただきたいものとして、輸出国の検疫証明書が必要なジャーキーなどの肉製品や果物などの植物製品、ワニ革バッグなどワシントン条約に該当する物品、銃刀法により国内での所持が規制されている刀剣類などがあるでしょうか。

事前に十分確認していただきたいので、詳しくは所管する省庁へお問い合わせください。また、関税法で輸入してはならない貨物に指定されている偽ブランド品などの知的財産侵害物品、いわゆるコピー商品も要注意です。

質問2:意外と知られていない「国内への持ち込みが制限されているもの」を教えて!

日本に持ち込めないものに関しては、ちゃんと把握しているつもりだけど、意外と知られていない国内への持ち込みが制限されているものってあるの?意外なものとか、見落としがちなものってある?

回答2:医薬品・化粧品の輸入数量をご確認ください

海外で購入し国内へ持ち込まれる身の回り品としては化粧品などがありますが、医薬品、化粧品などは、個人が使用するものであっても輸入数量の制限があります。

例えば、処方せん医薬品は1カ月の使用分以内、それ以外の医薬品、医薬部外品は2カ月分以内、化粧品は1品目24個以内などとなっています。これらの基準を超えるものについては、厚生労働省の手続きが必要となります。しかし、手続きを行わず所有権を放棄する方も少なくありません。

また、個人用であっても重大な健康被害の起きるおそれがある製品については、輸入が制限されていますので、事前に所管する厚生労働省へ確認をしてください。

質問3:税関検査などで国内に持ち込めなかったものは、その後どうなるの?

見落としてしまって、日本には持ち込めないお土産を買っちゃった……。そもそも持ち込めなかったものってどうなるの?

回答3:裁断や焼却などで処分します

Photo by 成田税関支署

国内への持ち込み(輸入)が禁止・制限されているものだけでなく、支払うべき税金を納めず旅客が所有権を放棄したものなどは、裁断や焼却などの方法により処分されます。品物によっては所管する省庁(例えば肉製品であれば動物検疫所)で処理されるものもあります。

質問4:海外で買ったものを税関の申告書に記入するとき、気を付けたほうがいいことは?

税関の申告書に記入する時、どこまで詳しく書けばいいんだろう。お土産が多すぎて欄が足りなくなってしまうかもしれないから簡単に書いてもいいのかな?現地通貨から日本へのレートって、買った時?それとも到着した時?

回答4:申告書の欄が足りなければメモの添付でもOKです

海外で購入した土産品など個人的に使用するものに限り、一定の範囲内で免税となります。

帰国時に税関へ申告する際、手続きをスムーズに進めるため、携帯品・別送品申告書に具体的な品名、数量及び購入価格を記入してください。もし申告書の欄が足りなければ、それらを纏めたメモを添付していただいても結構です。

また、領収書、クレジットカードの利用控などは、価格確認のため必要となる場合がありますので、大切に保管し、すぐに出せるようにしておいてください。現地通貨から日本円への換算は、決められた公示レート(税関ホームページでご確認いただけます。)によって行われます。

質問5:旅行先の国で購入したものを、海外のお店から日本の自宅に郵送するとき、税関への申告は必要?

お土産を思った以上に購入しすぎてしまって、現地から郵送で送ることに。でもこれって手荷物ではないからもしかしたら空港での税関手続きって要らない?でも後から税金がかかったら嫌だなあ…。

回答5:別送品手続きが必須です

海外で購入した土産品などを郵便や宅配便を利用して自分宛てに送る場合には、携帯品とともに免税範囲が適用されるように「別送品」として手続きを行ってください。

具体的には、①自分宛に送る郵便物の外装などに「別送品」と記載してください。②帰国時に税関へ携帯品・別送品申告書を2通提出してください。1通に確認印を押印してお返しするので、それを別送品の輸入手続きの際に提出してください。

帰国時に別送品申告をしなかった場合や確認印を受けた申告書を紛失した場合は、一般の貿易貨物と同様の輸入手続きが必要となりますので注意が必要です。詳しくは税関へお問い合わせください。

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桃(Momo) フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

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