そう言って彼はそのままインドのカースト制度についても語ってくれた。インド社会に根強く残る身分制度で、生まれた家の家業によって、人生が決まってしまうというもの。教科書では知っていたが、現実に話を聞くとかなり動揺してしまった。「死ぬことが、夢」。
聞いたことのない夢だった。世界にはこんな環境で生活している人がいるのかと、現実を目の当たりにした瞬間だった。
世界には、やりたいことがやりたくてもやれない人たちがいた
世界には、やりたいことが、やりたくてもやれない人がいる。生まれたときから人生のレールがほとんど決まっていて、夢が夢のままで終わってしまう人たちがいる。旅の途中で、そう感じる場面は多々あった。
インドでボートを漕いでいた男の子も、クスコでゲストハウスの掃除をしていたおばちゃんも、モロッコで裸足でサッカーしていた人たちも。でも、だからといって、彼らが幸せじゃないかと言われると、そうは見えなかった。
たしかにお金はないし、夢の実現は遠いけれど、みんな笑顔で、毎日を楽しく、一生懸命に生きていた。僕なんかよりよっぽど、自分の人生を歩んでいるように感じた。
旅するように働き、旅するように生きる
ただ旅が広まっても、自分たちが理想とする働き方や生き方が実現できていなかったら、意味がない。だからこそ僕たちが思う理想を自分たちから実践していこうと、会社のカルチャー、制度やルールをみんなでつくっている。
「旅するように働き、旅するように生きる」。
TABIPPOが目指している働き方であり、これが一番、楽しい生き方だと思っている。時間や場所に縛られず、ストレスやシガラミもなく、毎日を刺激的に。そんな働き方と生き方だ。
例えば、「旅をするならいつでも会社を休んでよい」という制度と、「旅する人を社内で評価しよう」という制度。働くメンバーができるだけいつでも世界中を、日本中を旅できるようにみんなで考えてつくった。僕らは成果を出すことや、目標を達成することと同じくらい、「旅をし続けること」を大切にしている。
「旅をしながら、成果を出す」。これが、TABIPPO内では一番カッコいい!と思われて、評価される。実際に一緒に働くメンバーについて評価し合うときには「最近あんまり旅していない」と、指摘のコメントが入るくらいだ(笑)。
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今回紹介した清水直哉さんは、旅から帰国して世界一周中に出会った仲間とTABIPPOを起業しました。
「もっとたくさんの若者に旅をしてほしい」という思いと、「旅」に「一歩」を踏み出すきっかけを作りたいという意味で「TABIPPO」と名付けました。
「旅するように働き、旅するように生きる」この理念を基にTABIPPOは今日も活動しています。