こんにちは、TABIPPO編集部の伊藤美咲です。
この記事は、2022年6月3日に行われたオンラインイベント『温泉と生まぐろと世界遺産の町。「観光DX」で宿泊の概念を変えたWhyKumanoオーナーが描く観光のこれから』のレポート記事です。
このイベントでは、ゲストに和歌山県南部・熊野エリアの観光拠点となる那智勝浦(なちかつうら)で、ホステル・カフェバー「WhyKumano(ワイクマノ)」を経営されている後呂孝哉さんをお迎え。TABIPPO代表の清水と観光の未来についてトークセッションをしていただきました。
温泉と生まぐろと世界遺産の街とは一体どんなところなのか? 不便だからこそ行きたくなる熊野エリアの魅力や、観光業界におけるオンラインの活用法をたっぷりと聞くことができました。
ぜひ最後までご一読ください。読み終わることには、今すぐ熊野に行きたくなること間違いなしです。
(以下、トークイベントより抜粋)
日本全国・世界に伝えたい、那智勝浦のポテンシャル
後呂
清水
後呂
那智勝浦はマグロのセルフ販売があって、景色のいいところでマグロを食べる「マグロピクニック」が流行っています。みなさんもぜひ訪れた際には、ぜひ「マグピク」を体験してくださいね。
そんな那智勝浦があるエリア、熊野でしかできない経験 “This is Kumano!” を届けたいという想いで、「WhyKumano」というゲストハウスを作りました。
引用:「WhyKumano」公式サイト
後呂
清水
熊野エリアの魅力は、先人の道や歴史を自分も歩けること
後呂
「人が良い」というのは当たり前の前提として、熊野の地域の魅力でいうと歴史なのかなと。神武天皇による日本統制の話にも出てくる場所ですし、これまで積み重なってきた長い歴史を肌で感じることができます。
一般的な観光地は、何かを「見る」ところですが、熊野古道は「歩く」ところなんですよ。先人たちがずっと歩いてきた道を、自分たちも歩けることが価値だと思っています。
清水
後呂
清水
後呂
清水
後呂
全60回が満床で話題になった「オンライン宿泊」とは
引用:「WhyKumano」Facebook
清水
後呂
清水
後呂
清水
後呂
そうです。オンライン宿泊の前に、まずはゲストハウスについて説明しますね。泊まることが目的であるホテルに対して、ゲストハウスは旅先での出会いや交流を目的にしている方が多くいます。
「WhyKumano」では、地元民と観光客を自然につなぐ場をつくることで、「Why Kumano(なぜ来たの?何があるの?)」を「This is Kumano(これが熊野)」にしたいと思っています。
そんなときに、コロナ禍で予約が全てキャンセル。同業者が次々と休業する中、ほかと違う動きをしたら目立てるのではないか?と考えたときに、たまたまYouTubeで見つけたのが「オンライン銭湯」でした。
清水
後呂
清水
後呂
引用:「WhyKumano」Facebook
清水
後呂
清水
後呂
清水
清水
後呂
清水
後呂
「旅の醍醐味は不便に集約される」これから提供していきたい旅
清水
後呂
そうですね。
熊野は大阪からでも4時間ほどかかるアクセスが悪い場所なので、どうしたらそこまでしても熊野に来たいと思ってもらえるか?をよく考えるんですね。時間をかけてでも行きたいと思ってもらうためには、やっぱり既存のコンテンツだけではダメだなと思っていて。
清水
後呂
オンライン宿泊にさまざまな地域の方が参加してくださったことで、オンラインなら立地に関係なくフラットにコンテンツだけで勝負できると思ったんですね。むしろアクセスが悪い場所ほど、価値があるというか。
さらに面白かったのは、同じ日にオンライン宿泊に参加したふたりが、後日偶然同じ日に泊まりに来てくれたんです。
清水
後呂
清水
後呂
あと、コロナに関係なく、ペットを飼っていたり、小さなお子さまがいたり、何かしらの都合でなかなか旅行に行けない人もいらっしゃいますが、そういった人々にもオンライン宿泊は参加していただけました。
これまではどうしたら旅行に来てもらえるかしか考えてませんでしたが、これからは旅行するハードルが高い方たちが、どうしたら旅行に行けるかを視点に持つべきだなと感じましたね。
清水
オンライン宿泊がこの先どうなるかはよく話題になりますが、僕は元々ある旅の体験価値がオンラインに置き換わることはないと考えています。熊野古道を写真で見るのと、実際に歩いてみるのは違うじゃないですか。
ただ、今回のようにオンラインが旅の動機づけや、地域との接点を持つ良いきっかけにはなるとは思います。
後呂
清水
便利で益を得ることは多くあるけど、便利すぎて損をすることもあると最近よく話していて。もちろん不便で損をすることもあるんですけど、旅の醍醐味って不便に集約されると思うんですよね。
旅はお金も時間もかかるから、コスパで考えたらYouTubeやネットフリックスに勝てないし、そもそも戦うべきではないじゃないですか。でもこれまでの観光業界は、とにかく安くしたり、アクセスが良いことをアピールしたりしていたから、旅の魅力が伝わらない要因になってしまっていたのかなと。
不便なところに行くことの良さを、熊野は分かりやすく伝えられる気がします。
後呂
清水
「WhyKumano」オーナーが考える、今後の展望
清水
後呂
清水
後呂
宿は上層階の方が値段が上がることが多いですが、マグロの競りは最下階となる2階の部屋からしか見えないんです。なので、2階が一番の売りになるという世界初の面白さがあります。
あとはアクティビティや二次交通手段として、レンタサイクルも準備中です。
清水
後呂
宿泊してくださった方から、飲み屋で出会った人と仲良くなった話をよく聞くんですね。僕自身も旅をしていたときのことを振り返ると、思い出すのって観光地よりも人との出会いなんです。
なので、地域の日常と交わえる接点をどんどん作っていきたいと思いますし、旅行者の人たちももっと飛び込んでほしいなと思います。熊野の人たちも、「よく来たね」と誇りを持って言えるような街にしていきたいですね。
清水
質疑応答[1]:一人旅の目的や行き先の決め方は?
後呂
清水
後呂
清水
質疑応答[2]:那智勝浦の「シビックプライド」についてどう思う?
清水
後呂
清水
後呂
清水
参加者へのメッセージ
後呂
那智勝浦の方は、地元の人としてどう良い街にしていくかをぜひ一緒に考えましょう。そのほかの地域の人はぜひ那智勝浦に来ていただいて、旅行者としてどうして行くべきかを話せたらいいなと思います。
今日で1が作れたと思うので、100にするために今日の話の続きができれば嬉しいです。
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