編集部

三重県うまれ、気づいたら住民票は茨城県。旅をこよなく愛し、放浪するあまり「どこにいるかわからない」と聞かれる始末。2023年にTABIPPOへジョイン。Instagramでは#miiitrip_〇〇というオリジナルハッシュタグで旅情報を発信中。さつまいもとカヌレ、きらきら光る水面が好き。

ゼロ・ウェイストを体験する

少しでも、私たちが生活するこの地球を愛している人、今の温暖化に対して「このままではまずいのかな……」そんなことがふっと頭をよぎる人。

ぜひ上勝町へ行ってみてください。

ゼロ・ウェイストを体験し、日々の暮らしを見直すヒントが、上勝町ゼロ・ウェイストセンターにはありました。

日々の暮らしを見直すヒント①HOTEL WHY

HOTEL WHYでは滞在中に上勝町のゼロ・ウェイストに関する取り組みを体験できる仕組みがたくさん!
HOTEL WHYこちらも廃材で「HOTEL WHY」と作られている
例えばチェックイン。

宿泊者は滞在中に使用する石鹸の量を自ら考え、セルフカットしてお部屋へ持ち込みます。

石鹸のセルフカットカッティングする道具はバターカットを改造して手作りしたものだそう
石鹸のセルフカット1日に使う石鹸の量って意外と少ない?それとも多い?
普段どれくらい使っているか意識すらしていない石鹸ですが、本当に自分にとって必要な分はどれくらいなのか?……ということを見つめ直すきっかけになります。

例えば滞在中に出た、ごみの処理。

滞在中にでたごみは、まず部屋に置いてあるごみ箱に分別をして捨てます。


お部屋での分別は6種類。コロンとしたかわいいごみ箱に分別していきます。

そして宿泊した翌日、分別したごみ箱をかわいいカゴバッグへ入れて、ごみ分別所&ストックヤードへ持ち込み、自分で45分別に挑戦。

ゴミステーション
普段の私なら、ごみ袋を下げてごみ捨て場までいくのはなんとも憂鬱な時間で、ごみ捨て場が歩いて回収しにきてくれたらいいのに……とさえ思うほどですが

カゴバッグを持つだけで気分が上がるので人間不思議なものです。

気分を上げてごみ捨てをするヒント、ここにありました。

日々の暮らしを見直すヒント②くるくるショップ

くるくるショップ説明子どもから大人までみんなでゼロ・ウェイストに取り組んでいる様子が窺える
ほかにも、上勝町ゼロ・ウェイストセンターにはユニークな施設がありました。

それがここ、「くるくるショップ」です。

小学生のアイデアから生まれたこのお店は、いわば物々交換ができるお店。

ものを手放したい人はくるくるショップに持ち込み、ものを必要としている人はくるくるショップにあるものをいただいていきます。

くるくるショップのお皿くるくるショップに置かれているお皿たち
くるくるショップ実績訪れた5月末にはすでに550kg近いものがくるくるショップによって新たな使い手のもとへわたっていっていた
ものが無駄なく、無理なく循環(くるくる)するように、という想いを込めて名付けられたこのお店は、上勝町ゼロ・ウェイストセンターに訪れる人を巻き込みながらごみゼロに挑戦する上勝町を支える大切な場所になっています。

2023年5月(※25日段階)では、既に549kgのものが廃棄とならずにくるくるしていました!とても良い、素敵な循環ですよね。

水平リサイクル「ボトルtoボトル」

サントリーグループ
そんなごみゼロを目指し、活動する上勝町は新たにサントリーグループと協定を結び、水平リサイクルを推進させていきます。

知られざる日本のペットボトルリサイクル率

じつは日本、ペットボトルのリサイクルでは世界有数の先進国。

ペットボトルの回収率は94%、そしてリサイクル率は86%を誇ります。みなさんが普段何気なくペットボトルの回収ボックスに入れている成果が、数値として表れているのです。

一方で、リサイクルされるペットボトルのうち、また新しいペットボトルに再生されるのは約20%(※)というまだまだ少ない数値なのです。

大半はトレーなどの別の用途向けに加工されたり、資源として活用されており、一度加工されてしまったものはペットボトルの姿に戻ることはできず、リサイクルの輪がストップしてしまっているのが現状です。

※2021年度の数値/出典:PETボトルリサイクル推進協議会年次報告書2022

ペットボトルのリサイクルは次のステージへ、「ボトルtoボトル」

水平リサイクルペットボトルが水平リサイクルを経て新たに生まれ変わる流れがよくわかる
サントリーグループは、2030年までにペットボトルの素材をリサイクル素材と植物由来素材に100%切り替え、化石由来原料の新規使用をゼロにする「100%サステナブル化」を宣言しました。

目標へ向けての推進力を担うのが、使用済みボトルを新たなボトルに再生させる取り組み、「ボトルtoボトル(BtoB)水平リサイクルプロジェクト」です。

サントリーグループの取り組み

サントリーグループは、2012年に国内清涼飲料界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入し、それ以来長年に渡って水平リサイクルの推進に努めてきました。

そして2023年5月、サントリーグループは徳島県上勝町と協定を結び水平リサイクルをさらに推進させていきます。

サントリーグループと上勝町が目指す未来

協定締結式上勝町とサントリーグループが協定を締結した様子
上勝町とサントリーグループが協定を結んだ、水平リサイクルを推進するための「ボトルtoボトル(BtoB)」。

2024年4月より上勝町で分別回収された使用済みペットボトルはすべてリサイクル事業社で新しいペットボトルに生まれ変わり、サントリーの飲料製造に使用される予定です。上勝町はこれまでも分別回収を行ってきたものの、全てのペットボトルが新しいペトボトルに再生されることはなく、焼却されてしまうものもあったといいます。

今回、このサントリーグループとの協定により、何度も再生可能なペットボトルの水平リサイクルを二人三脚で目指していくといいます。

私たちにだってできる、ちょっとしたこと

日本で初めてゼロ・ウェイストを宣言し、常にごみを45分別しているという徳島県・上勝町のひとたち。

そう聞くとどうしてもとてもすごいことをしていて、手が届かないように思えてしまいますが、みなさん自信を持ってください。日本のペットボトルのリサイクル率86%という数値を作り上げているのは紛れもなくみなさん一人ひとりです。

いきなりの多分別は難しいし、負担に感じて継続が難しかもしれません。

まずはペットボトルの中身は全て飲みきる。水できちんと濯いで、乾かす。ラベルとキャップは外して分別をして回収に出す。

これを意識して過ごしてみませんか?

地球への思いやりとちょっとした自己肯定感、みんなで育んでいきましょう。

■詳細情報
・名称:上勝町ゼロ・ウェイストセンター
・住所:徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7番地2
・地図:
・アクセス:徳島阿波おどり空港から車で約1時間5分/徳島県徳島市から車で約45 分
・営業時間:9:00〜17:00 (※ゴミステーションは町民の利用時間(月~金:14:00/土・日:15:30)以降で見学可能。)
・定休日:なし
・料金:スタディツアー30分 大人1,500円(税込)/大学生~中学生1,000円(税込)
・公式サイトURL:https://why-kamikatsu.jp

All photos by Misako Yoshida

編集部

三重県うまれ、気づいたら住民票は茨城県。旅をこよなく愛し、放浪するあまり「どこにいるかわからない」と聞かれる始末。2023年にTABIPPOへジョイン。Instagramでは#miiitrip_〇〇というオリジナルハッシュタグで旅情報を発信中。さつまいもとカヌレ、きらきら光る水面が好き。

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