第三砲台跡弾薬支庫(和歌山県友ヶ島)
ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

かつてミステリーハンターに憧れた、好奇心旺盛、タフさ、度胸、鉄の胃腸とフットワークの軽さ、何より悪運の強さが持ち味の女ひとり旅88カ国。秘境絶景地球のワンダー、日本人になじみの薄いマニアックなスポット、B級グルメに屋台飯が大好物。世界は驚きに満ちている、老いも若きも男女の別なく、"外に出たい"その一歩を後押しする何かを提供できたら嬉しいです。

日帰り散策コースと注意事項

ここからは、友ヶ島で推奨されている3つの散策コースと来島の際の注意事項をご紹介します。

なお、友ヶ島マップは船着き場横にある友ヶ島案内センターでも配布されていますよ。

滞在時間と目的に合わせたコース選び

友ヶ島案内センター(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
友ヶ島散策で用意されているコースは以下の3パターンです。

・名所探訪コース(1周約3.3㎞/約3時間目安):主な砲台跡、弾薬支庫、灯台、展望台などを漏れなく巡る、もっともポピュラーなコース

・ちょこっとコース(1周約2.5㎞/約1時間40分目安):短時間で回りたい人向け。第三砲台跡とタカノス展望台、第5砲台跡を巡るコース

・自然散策コース(1周約6.1㎞/約3時間30分目安):島北端にある虎島を目指すコース(虎島自体は立入禁止)。第四砲台跡と大蛇伝説が眠る深蛇池(しんじゃいけ)、自然散策が楽しめます。コース終盤には、修験道で使われた井戸跡の「閼伽井(あかい)の碑」があります。

友ヶ島では、日帰りで滞在できる時間は最短で1時間程度、最長で7時間となります。ご自身の滞在時間と興味・目的に応じたコースを選びましょう。迷ったら、友ヶ島案内センターのスタッフに相談しても。

なお、「名所探訪コース」と「ちょこっとコース」については、スタート地点からまず第三砲台跡を目指す“時計回り”ルートのほうが全体的に下りが多く、足への負担が少ないのでおすすめです。

履きなれた靴と動きやすい服装で

標識(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
友ヶ島の散策路は非常によく整備され、道しるべも要所に設置されているため、迷うことはまずありません。ただし、足元は岩が多めの凸凹道もあったり、未舗装の山道だったりするため、スニーカーや運動靴などといった履きなれた靴を選びましょう。

また、島内には虫が多いため、虫除けと日除け対策を兼ねて長袖・長ズボンを推奨します。とにかく動きやすい服装がおすすめです。

懐中電灯のご用意を

懐中電灯が必要(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
前述の通り、第三砲台跡の弾薬支庫など、内部が真っ暗闇なスポットがいくつかあります。それらを見学する予定の方は懐中電灯を用意しましょう。お手軽なのはやっぱり手持ちのスマートフォンのライトですね。

食事や水分補給に便利な「らぴゅカフェ」

らぴゅカフェ(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
友ヶ島に唯一存在する飲食スポットの「らぴゅカフェ」。メニューは主にカレーライスやオムライス、パスタ系などの軽食から、アルコールやジュースなどのドリンク、スープ類、ちょっとしたデザートまで提供されています。

季節限定メニューもある、ぜひ立ち寄ってみてほしいカフェですが、観光客が多い土日祝日は長蛇の列になりやすいため注意が必要です。広場には自動販売機もありますが、価格は本土より若干高め。たくさん水分補給したい方は乗船前に多めに購入しておくことをおすすめします。

友ヶ島で見つけた、その他の絶景スポット

ここでは、戦争遺構だけではない、友ヶ島で見つけた絶景スポットをご紹介します。

並木(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
照葉樹林を中心にたくさんの木々に囲まれた友ヶ島。草木に飲み込まれたようなノスタルジックな廃墟も絵になりますが、散策路に覆いかぶさる天然樹木のアーケードもまた必見です。ちなみに、上の画像は旧海軍聴音所跡へ向かう山道の途中で見かけた風景です。

他にも木々に覆われたフォトジェニックなスポットがいくつもありました。ぜひ、時々ふと立ち止まって見上げてみてくださいね。

ビーチ(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
時折、木々の切れ間から絶景ビーチが現れます。美しい海はいつ見ても癒やされますよね。

絶景ベンチ(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
野奈浦広場から東の方角にある「海の家」。その前に広がるビーチには、流木で組み立てられた素敵なベンチが置かれていました。青い海をバックに、実に“映える”一枚です。

現代アート(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
こちらは、2021年秋に開催された「紀の国わかやま文化祭2021」の「カダハク2021」にて制作された屋外アート作品のうちの一つ、タイトル「タイトツキ(鯛と月)」(彫刻家・岡﨑由璃子さん作)。

一つひとつが鯛の形をした魚たちの集合体で、白い月の形をしています。島内にはこのほか2作品が展示されているので、ぜひ探してみてくださいね。

友ヶ島へのアクセス

友ヶ島汽船(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
友ヶ島へ就航する「友ヶ島汽船」は和歌山市北西部に位置する加太港から出航しています。

フェリーは定休日の水曜日を除く、原則毎日1日4便。ただし、繁忙期(4/29~5/5、7/20~8/31)は1日6便に増便され、冬季は年末年始を除き、原則土日祝日のみの運航となります。

乗船券は現地にて当日券のみ販売です。繁忙期はとにかく混雑必至で整理券が配布されるほど。余裕を持って行動しましょう。

詳しいスケジュールは、友ヶ島汽船ホームページか、和歌山市ホームページをご参照ください。

サマータイムレンダ(和歌山県友ヶ島)Photo by Mayumi
ちなみに友ヶ島は、「少年ジャンプ+」で連載され、2022年4月~9月にTVアニメ化もされた人気漫画『サマータイムレンダ』(通称サマレン)に登場する島のモデルとされています。まちおこしの一環で、メインキャラクターを「和歌山市アニメ観光大使」に就任させるなど、今、和歌山はサマレンが熱い!

友ヶ島でもコラボ企画として期間限定・数量限定の特別乗船券を販売したり、聖地巡礼マップやポスター、野奈浦広場にはヒロイン・小舟潮さんの等身大パネルも設置したりされています。

気になる方はぜひ、聖地巡礼を楽しんでみては。

「訪れてはじめてわかること」がある

戦争の悲惨さを語れる世代が減少する中、全国各地に遺された戦争遺跡はまさに「生きた教材」です。

今の時代はネットでかんたんに動画や画像、情報が手に入って、つい行った気、知った気になれますが、やはり実物を目にするのとそうでないのとでは、感じ方、捉え方、受け止め方がまったく異なると思っています。「訪れてはじめてわかること」が確かに存在します。

こうした戦争戦跡を、“映える”とか“ラピュタっぽい”とか“サマレンの聖地”として気軽に遊びに来られる今の平和な世の中に感謝しながら、ぜひ今度、友ヶ島に遊びに行ってみませんか。

■詳細情報
・名称:友ヶ島
・住所:和歌山県和歌山市加太 友ヶ島
・地図:
・アクセス:電車の場合、南海加太線終点「加太駅」より加太港まで徒歩約20分。車の場合、阪和自動車道「泉南IC」を下車、府道752号経由で加太港まで約50分
・友ヶ島汽船定休日:水曜日(祝日・繁忙期は出航)
・電話番号:073-459-0314(友ヶ島案内センター)
・友ヶ島汽船公式サイトURL:https://tomogashimakisen.com/
ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

かつてミステリーハンターに憧れた、好奇心旺盛、タフさ、度胸、鉄の胃腸とフットワークの軽さ、何より悪運の強さが持ち味の女ひとり旅88カ国。秘境絶景地球のワンダー、日本人になじみの薄いマニアックなスポット、B級グルメに屋台飯が大好物。世界は驚きに満ちている、老いも若きも男女の別なく、"外に出たい"その一歩を後押しする何かを提供できたら嬉しいです。

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