ライター
Yuri フォトグラファー

大阪在住。「ふんわりかわいい写真」をテーマに、旅先の魅力やカメラの楽しみ方を発信中。フォトグラファー・ライターとして、メディア取材や地方自治体との観光PR、ウエディング/家族写真の撮影やイベント登壇などを行う。

工夫・ポーズ

ときめく景色、撮りたい構図が出来上がったら、最後にエッセンスを加えるのは自分。「旅と私」の写真は人も主役なので、被写体の少しの変化で写真全体の印象が大きく変わります。

自分自身が景色に魅力を加えるスパイスになれるように、様々な工夫をしてみてください。

景色に映える服を着る

photo by Yuri

海外旅行といえば、「最後に捨てて帰れるボロボロの服を着る」というのも大切な考え方ですが、自分も被写体となるのであれば、服にも少し気を遣いたいところ。

行く前に自分がどんな写真を撮りたいのか、そのスポットの写真を見ながらイメージして、その場所にどんな色が足されたら素敵かを考えてみてください。

同じ色を着て行って同化してしまったり、逆に合わない色を着て行って悪目立ちをしてしまったりがないように、事前にSNSでいろんな人の写真を見ておきましょう。

photo by Yuri

女性はスカートがなびく姿が映えるので、可能な限りロングスカートやワンピースを選んでみてもいいと思います。肌寒いシーズンは着やせするロングアウターを選んでもGOOD。

小道具を用意する

photo by Yuri

イメージ通りの写真を撮るために、小道具を持っていくのも一つのアイデアです。例えば、私はフランスのラベンダー畑で、絵画のような写真が撮りたいと思い、かごバックを購入して持っていきました。

非日常的な小物が入ることで、日常から離れた旅ならではの写真を撮ることができました。

小道具の良いところは写真のイメージを作るだけではなく、ポージングにもいい影響を与えてくれること。普段から撮られ慣れている人はいいのですが、私みたいに撮られ慣れていない人は、カメラの前でかなり不自然な写り方をしてしまうことも。

何かを持つことによって、ポーズが決まりやすくなるので、重宝しています。

photo by Yuri

簡単な小道具として、まずは麦わら帽子から試してみてもいいと思います。

歩くフリよりも歩き続ける

photo by Yuri

こちらもポージングの話。

私はよく景色の中を歩いている写真を撮るのですが、この時に実践してみてほしいのが「歩き続けること」。「歩いているフリ」をしているところを撮影していると、どうしても不自然になってしまうことが多いです。

ぶれないぐらいにゆっくりとしたスピードで歩き、連射モードで撮影してもらいましょう。自然に歩いている1枚が撮れるはずです。

時間帯を考える

photo by Yuri

「旅と私」の写真を撮る時に、大切なのが周囲の人の有無。どうしても人がたくさんいると、主役が伝わりづらくなります。

そこで、おすすめしたいのが朝活。海外の方は、日本人よりも早起きでない方が多いのか、日中はかなり混雑する有名スポットも、朝にはほとんど人がいないというパターンが多いです。

実際にエッフェル塔やサントリーニ島など有名な写真スポットも、朝に行くと結婚式の前撮りをしているアジア人しかしませんでした。

早朝は光量が少なく撮影難易度は少し上がりますが、撮影がスムーズに進みます。

海外で自撮りする時の注意点

最後に少し難易度が上がりますが、一人海外旅行で「旅と私」の写真を撮るコツを紹介します(カップルや友人で一緒に撮影したい場合も含みます)。

すでに理解されている方がほとんどだと思いますが、海外は日本とまったく違います。カメラ等の盗難は日常茶飯事なので、実行する際は自己責任でお願いします。

場所と時間帯を考える

photo by Yuri

三脚を立てて撮影する時は、「迷惑にならないこと」「盗難リスクを回避すること」を重点に置いて撮影します。

まずは、できるだけ人がいない朝の時間帯を選びましょう。人がいない時間でしたら、迷惑や盗難に繋がる可能性が下がります。

景観の良いホテルの中(宿泊していることが前提)もOK。もちろん治安に気を付けて、あまり長時間撮影しないように、早めに切り上げましょう。

ちなみにこの写真は、サントリーニ島で宿泊したホテル「Alta Mare by Andronis」の敷地内にある道で撮影しました。

Wi-Fi/インターバル撮影を使い分ける

photo by pixta

最近のカメラはWi-Fiを繋ぎ、スマートフォンで画面を確認しながらシャッターを押す機能が付いていることが多いです。

自撮りする際には使いやすく、使い勝手が良いのですが、途中でWi-Fiが切れてしまったり、シャッターを自分で押すので不自然なポーズになってしまったりすることも。

そんな時に使えるのが、インターバル撮影機能。

自分で設定した間隔で何度もシャッターを自動的に切ってくれるので、自然な動きを撮影することができます。いちいちシャッターを押す必要もないので、うまくいけば早く撮影を終わらせることも可能です。

ただし、撮った写真をすぐに確認できないので、背景をボカすなどピントにシビアになる場面には向いていません。

Wi-Fi機能での撮影、インターバル撮影ともにメリットデメリットがあるので、撮影の際に下記の内容を心がけて、使ってみてください。

・Wi-Fi機能で撮影する時:2秒セルフタイマーなどを設定することで、ポーズを作る時間を設ける
・インターバル撮影をする時:ピントがずれないように、ある程度F値を上げて撮影(上げすぎ注意)

誰かにお願いする前に、自分で撮影した写真を見せる

photo by pixta

結局のところ、安全で周囲に迷惑がかからない方法は「誰かにシャッターを押してもらう」こと。

しかし、撮ってもらった写真が「思っていたのと違う」という結果になることは少なくありません。そうならないためにも、最低限の工夫をしてみましょう。

まず、自分のイメージを正確に伝えるために、撮ってほしい写真に近い構図の写真を自分で撮影します。それを相手に見せて「同じように撮影してほしい」とお願いすることで、少しはイメージに近い写真を撮ることができます。

お願いする時に頭に入れておいてほしいのが、できるだけ自分と似ている人を探すこと。当たり前ですが、自分と身長がまったく違う人にお願いすると、アングルが変わってしまいます。

photo by pixta

また、自撮りが大好きな海外の方にお願いすると、かなり顔をアップにして撮影されることも多いです(iPhoneで撮影をお願いするとポートレートモードに勝手に変更して、人物メインの写真になってしまったことも結構あります。相手側の親切なので、難しいところですが……)。

そのため、感覚が近い日本人、さらには同じメーカーのカメラを持っている人に声をかけると成功率が上がります。

もちろん、海外でそんな人を見つけること自体難易度が高いので、あくまで参考までに。

コツをつかんで、自分ならではの旅写真を残そう

photo by Yuri

ずっと夢に見ていた景色が目の前に現れた時の感動、肌で感じた空気感、誰かに伝えたい衝動。旅をしていたら、そんな忘れたくない瞬間に巡り合うことが何度もあると思います。

美しい景色を自分の目にじっくり焼き付けることは、もちろん素敵なことだと思います。ただ、そんな時に自分ならではの旅写真も残すことで、その旅で感じたことを思い出す機会になったり、その場所の魅力を他の人に伝えるためのコミュニケーションツールになったり、旅が終わった後も、何倍も旅を楽しむことができます。

少しの工夫で魅力的な旅写真を残すことができるので、次の旅でぜひ実践していただけたらうれしいです。

ライター
Yuri フォトグラファー

大阪在住。「ふんわりかわいい写真」をテーマに、旅先の魅力やカメラの楽しみ方を発信中。フォトグラファー・ライターとして、メディア取材や地方自治体との観光PR、ウエディング/家族写真の撮影やイベント登壇などを行う。

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