編集部
Asuna エディター

元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

みなさんこんにちは、ひとり旅を決意したのは高校2年生のときだったAsunaです。高校生のとき、「世界文化史」という授業で知った建造物や街を実際に自分の目で見たい!と思うようになりました。

初めてのひとり旅は大学3年生、ヨーロッパ周遊。右も左もわからず、地図も読めない私を助けてくれたのは、地元の人たち。

ひとり旅を通して、【人を頼る】というのはこんなにもフラットで良いのだと気付かされた経験をお伝えしていこうと思います。

誰かを頼りたい、そんなとき


「人はひとりでは生きていけない」こんな言葉をよく耳にします。そして、私自身もそう思っています。道に迷ったなどの場面でなく、日々の生活で【誰かに頼りたい】瞬間は訪れるもの。


「苦しい」「つらい」「助けてほしい」「話を聞いてほしい」その一言が言えたらどんなにか……と悩むこともあるのではないでしょうか。

私はありました。誰かに相談するのも申し訳ない気がして、そもそも誰に話したら良いのかもわからない。「なんだ、こんなことか」と思われてしまうかもしれない……と。


もともと誰かを頼ることは苦手な性格で、どちらかというと相談を持ちかけられることは多くても、自分の相談することは少ない方でした。


幼い頃のちょっとした悲しい思い出から、“人の痛みは人のもの、自分の痛みも自分のもの”と、少し他人と距離を置いてしまっていたのです。

それからは、思ったことをうまく言えなかったり、モヤモヤしたことを打ち明けることができずにいたりしました。そもそも「頼るとか信じるとか、それどういう意味だっけ?」と自問自答するほどに。


きっかけはどうあれ、その後の自分の生き方を狭くしていた私は、その自分を脱出しようと思いました。少し勇気のいる選択、今までの自分の中では大きな選択、ひとり旅に出る決意です。

「見捨てられ不安」を抱えていた私に、当時の彼が「俺は何も変わらないよ、いっておいで」と言ってくれたことが、一番背中を押してくれたのだと思います。

「助けてほしい」その一言は重いもの?


わたしの大好きな友人にも、【助けてほしい】と伝えることが苦手な人がいます。自分が頼ったせいで相手に辛い思いをさせてしまっていないか、話した悩みが自分の知らないところで笑われたりするのではないか、そもそも相談するなんておこがましい――。

そんな風に思うことなんてないのに……と何度伝えても、人の心は人のもの。なかなか“大丈夫”は訪れませんでした。


人のことならこう思えるのに、自分のときはできなかった。だからこそ彼女の気持ちが痛いほどわかりました。だからこそ、後は彼女自身がそう思えるようになるまで待つことしか、私にはできませんでした。

ひとり旅で実感した「頼る」ことのフラットさ


私自身が“大丈夫”になったのは、大学3年生になる春のこと。ずっとこの目で見てみたかったヨーロッパへの、ひとり旅でした。

これだけさまざまな国や地域に足を運んでいるくせに、地図を読むのは苦手な私。でもせっかくなら自分の力でどうにかしたい。最初はそう思っていました。


でも、計画を綿密に組む方ではなく、いくつかの行きたいところを決める以外は気分で旅するスタイルの私。だからこそ、地図は必須でした。なのに読めない、自分がどこにいるのかわからない、どっちが北ですか?状態。


そこで考えたのは「地元民っぽい人に声をかけよう」でした。店員だともしかしたら地元民じゃないかもしれない。そこで狙ったのは、「犬を散歩している人」「ベビーカーを引いている人」「日用品を買っている人」でした。


最初は勇気がいることでしたが、意を決して尋ねてみるとみんなとても親切でした。自分の携帯を出してマップを開いてくれたり、途中まで付き添ってくれたり、それでもわからなかったらまた別の人を呼び止めてくれたり……。

頼ることはフラットなもので良いということに、気付かされた瞬間でした。

“ひとりだけど、ひとりぼっちじゃない”


初めてのひとり旅、ホテルやユースホステルでのひとりの夜。道を歩いていても、素敵な景色に出会っても、ひとりきり。不安がないと言ったら嘘になります。でも不思議と怖くはありませんでした。

それは、「わからなかったら、誰かに聞けばいい!」と、このひとり旅が、私に教えてくれたからです。勇気を出して頼ったその先に待ち受けているものが“優しさ”や“親切”だと信じる経験ができたからなのでした。


だからこそ、【ひとりだけと、ひとりぼっちじゃない】感覚を味わうことができる、ひとり旅の虜になったのは言うまでもありません。だって寂しくなんてないんですもの。きっと誰かが助けてくれるから。

この気持ちは、日本に帰国してからも強く自分の中に根付いていました。たった2週間のひとり旅だったけれど、いろんな人に助けられた旅。知らない土地で、知らない人に優しくしてもらった心温まる思い出。


大丈夫、きっとうまくいく。

ひとり旅を終えた私は、もう“ひとりぼっち”だなんて思うことはなくなっていました。

「頼って生きていいんだよ」今あなたに伝えたい言葉


「そんなの、旅先での出来事でしょ」
「普段の辛いことには、なにも通用しないじゃない」

そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。そして、細かく見たらそうかもしれません。でも、共通点があるんです。


それは、自分で自分を許すこと。わからないことをわからないと認めて、不安なときに不安だと表現する。自己表現をしていいんだと、自分自身に聞かせてあげること。


一見たやすいようで、当たり前のことのようで。でも実は難しかったりする、そんなこと。他人にどう思われるか……ではなくて、自分自身の気持ちを大切にして生きること。

誰かを頼ることって、案外重くないんです。


旅が教えてくれた、誰かを頼ることの大切さは、自分を大切にすることにつながっていました。

誰かを頼りたい、そんなとき、まずは自分を許してあげましょう。大丈夫、きっとうまくいく。

All photos by Asuna Igari

編集部
Asuna エディター

元小学校教諭。大学在学中に「海外ひとり旅」にハマる。現在はTABIPPOの編集部に所属。ほかにも取材・美容・食・コラムライターとして活動しつつ、個人でFamily photographerとして、お宮参り・七五三・前撮りなどを撮影している。週末は夫と旅三昧の日々で、長野〜福島県は庭。東北が大好きで、地方に行きつけの店を作るのが趣味。

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