ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

グリュースゴット(こんにちは)!ほんの少し音楽経験がある阿部サキソフォン(@abesaxophonist)です。先日、音楽の都として今でも多くの音楽家に愛される、オーストリアの首都ウィーンを旅してきました!名前に「サキソフォン」と入っているだけあり(?)、一応ピアノやサックスを演奏していた時期もあったのですが……

いかんせん、詳しい知識があまりありません(お恥ずかしい)。音楽をかじっていたけれどクラシックはよくわからない。少し前に「のだめカンタービレ」は読んだけれど、その程度。そんなわたしみたいな人、きっと他にもいるはず!そう信じてる!

実際に音楽の都ウィーンを旅してみると、歴史的な一面だけでなく現代の音楽にも革新的な影響を与えていることがわかりました。「音楽」をテーマに、ウィーンの歴史をたどってみたいと思います。

唯一現存する家「モーツァルト・ハウス」


p▲モーツァルトの最期の家があった場所は、今はデパート「STEFFL」になっている。

音楽室に必ず肖像画が飾ってあった、モーツァルト。くるくるした「いかにも貴族!」のようなユニークな髪型の姿を覚えている人も多いと思います。本名はヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756〜1791)。オーストリアのザルツブルクに生まれ、ウィーンでその生涯を終えました。

幼い頃からその才能を発揮し、はじめて作曲をしたのはなんと5才。音楽家として活動し人気を集めたモーツァルトですが、お金の使い方が派手だったことや素行の悪さから仕事が激減したために、晩年は借金に追われていたといわれています。

そしてある日、正体不明の人物からレクイエムの作曲を依頼され、その作曲中に35歳の若さで亡くなったことから、「死神から依頼されたのでは?」と伝説になっています(本当に死神だったのか、気になった人はググってみてね)。

そんな彼の歴史をたどることができる、「モーツァルト・ハウス」にお邪魔してきました。モーツァルトは何度も引越しを繰り返したことでも有名で、こちらの家には約2年間住んでいたそう(彼が住んでいた住居の中で、唯一現存するもの)。

住んでいた部屋を再現したものや、彼の楽譜、そして衣装のレプリカなどが展示されています。


▲窓からは、当時と同じ景色を見ることができる。

2階の窓から見える景色は、当時モーツァルトが見ていたものと変わっていないそう。今まで歴史上の人物でしかなかったモーツァルトですが、「本当にウィーンで生きていたんだ」と不思議と近くに感じてきました。

かつて彼が住んでいた場所で同じ景色を見てるなんて、なんだかどきどきしちゃう。

■詳細情報
・名称:Mozarthaus
・住所:Domgasse 5, 1010 Wien
・地図:
・営業時間:10:00 – 19:00
・電話番号:+43 1 512 17 91
・料金:大人€11、19才未満€4,50
・公式サイトURL:www.mozarthausvienna.at

結婚式と葬儀が行われた「シュテファン大聖堂」

ウィーンの観光スポットとして有名なシュテファン大聖堂。107.2mの高さを誇る大聖堂はウィーンのシンボルであり、街の中心部に位置しています。実はこちらもモーツァルトにゆかりがあることをご存知でしたか?


▲地下の納骨堂につながる小さな礼拝堂で葬儀が行われたそう。

モーツァルトの結婚式と葬儀が行われたのが、シュテファン大聖堂だったのです。数々の名曲を残し人気を博した彼でしたが、葬儀は壮大なものではなくひっそりと行われました。

遺体は共同墓地に葬られ、お墓のランクも一番安いものだったとか。今でもモーツァルトの命日である12月5日は、毎年「レクイエム」が演奏されます。

■詳細情報
・名称:Stephansdom
・住所:Stephansplatz, 1010 Wien
・地図:
・営業時間:月 – 土06:00 – 22:00、日07:00 – 22:00
・電話番号:+43 1 515 52 3054
・公式サイトURL:www.stephanskirche.at

「ベートーヴェン・ハウス」で彼の生涯を知る

ハイドンやモーツァルトの後輩にあたるルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1828)。教皇や貴族をパトロンに持ち、彼らからの支援を受け音楽活動をしていたハイドンやモーツァルトなどとは異なり、ベートーヴェンは大衆向けの音楽を多く発表しました。

幼少期は酒好きの父親によって厳しい生活を強いられ、「モーツァルト2世」になれるよう1日15時間もの練習をしていたのだとか。スパルタ教育すぎませんか……!

そんな彼の歴史を学べるのが、ハイリゲンシュタットにある「ベートーヴェン・ハウス」です。

彼はモーツァルトと同じく引越しが多かったことが有名で、その理由としては近所付き合いがうまくいかなかったことや、同じ洋服を洗わずに何度も着るなど不潔のイメージがあったことが挙げられるそう。え、ベートーヴェンって不潔だったんですか……ガラガラ(彼のかっこいい像が崩れ落ちる音)。

クラシックに詳しくない人でも、彼が難聴に悩まされていたことはなんとなく覚えているはず。症状は20代後半から始まり、聴こえづらくなると写真のように「プロンプターボックス」という囲いで音波を強化し、頭を突っ込んで音を聴いていたそう。

40歳頃にはほとんど聴こえなくなったといわれており、耳をピアノに当てて、骨で聴いたとされています。


▲実際の彼の毛髪も展示されている。近くには「ベートーヴェンの散歩道」も。

オーケストラの人数を増やしたり曲を複雑化するなど革新的な音楽を生み出したベートーヴェンは絶大な人気を博し、彼の葬儀には2万人ものウィーン市民が集まりました。

その人気から、生前より彼の一部を手に入れようと髪の毛を狙う人もいたのだとか!正直、ベートーヴェンがそこまで人気だとは思っていなかったので衝撃でした(超失礼)。

■詳細情報
・名称:Beethoven Museum
・住所:1190 Vienna, Probusgasse 6
・地図:
・営業時間:火 – 日10:00 – 13:00・14:00 – 18:00、祝祭日10:00 – 13:00・14:00 – 18:00
・電話番号:+43 (0)664 889 50 801
・料金:大人€7
・公式サイトURL:https://www.wienmuseum.at/en/locations/beethoven-museum.html

彼の息吹を感じる?「ベートーヴェン・ホテル」

今回のウィーン旅で宿泊していたのは「ベートーヴェン・ホテル」という、いかにも彼に関係がありそうなホテル。

このホテルがベートーヴェンと命名された理由は、彼が数多くの曲の初演をしてきた「アン・デア・ウィーン劇場」がホテルの真横にあることに由来しています。

ベートーヴェンは1803〜1804年の約2年間、劇場の2階に住んでいたこともあるのだとか。すぐ隣の劇場にベートーヴェンが住んでいて、数々の曲を演奏してきたと考えると……それだけで歴史の一部を垣間見ているような気分。


▲内装は各部屋で異なる。オーナーのバルバラさんとレオポルドくんは仲良く出勤。

ホテルは各フロアごとに「強い女性」「ウィーンと愛」などテーマが設けられており、わたしが宿泊した2階のテーマは偶然にも、クリムトの傑作「ベートーヴェン・フリーズ」が展示されている「セセッション」だったのです!(セセッションとは、クリムトらが立ち上げたウィーン分離派の展示会館)

あれ、これってもしかして「運命」?(ダダダダーン)

■詳細情報
・名称:HOTEL BEETHOVEN
・住所:Papagenogasse 6, 1060 Vienna,
・地図:
・電話番号:+43 158744820
・公式サイトURL:https://www.hotel-beethoven.at/en/
ライター

高橋歩さんの「BELIEVE YOUR トリハダ」という言葉に影響を受け、自身も人の心を動かせる仕事をしたいと決心。サックスとジャズへの愛が止められず、メンフィスとニューオーリンズを訪れたことから旅に目覚める。好きなものはお酒といちご。

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