ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

メキシコ人の夫と2人の娘と世界中を引っ越し&旅行三昧の日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数30ヵ国。現在は10年ぶりにドイツ滞在中。

④いざ新たな道に入ったら、ひたすら自分を信じる

photo by Wolfram Stempel

いざ憧れのワイナリーに研修生として入れたものの、何の経験もないWolfiさん(ちなみに、Wolfiさんの修行先は「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」にも選出されたことのある200年の歴史ある「ドクター・ローゼン醸造所」)。

ここドイツでは、働きながら職業学校に通って専門知識を学ぶことができる研修制度があり、彼も3年間研修生として働いたそうです。

その間、給料は月に500ユーロのみ。奥様も日本に残してきて、精神的にもつらい。この選択は正しかったのかと、悩むことも多かったそう。

そんな時に、繰り返し見ていたのが、かのスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での伝説のスピーチ動画。その中で「You have to trust that the dots will somehow connect in your future.(いまやっていることが、いずれ人生のどこかでつながって、実を結ぶと信じるしかない)」という一文があるのですが、その部分を繰り返し見て、自分を奮い立たせていたそうです。

誰もが新たなことを始めたとき、「この決断は正しかったのか」と悩むかと思います。しかし、一度決めたからには、自分をとことん信じてあげることも大事、ということを忘れずにいたいものです。

⑤決断する勇気をもつ

photo by Wolfram Stempel

そんな研修期間も無事に終わって、そのまま研修先のワイナリーに就職できたWolfiさん。そんな矢先に、知人から、ブドウ畑を売却するが興味はないか?と話がやってきます。

やっと研修も終わったばかりのタイミングで、自身での畑の所有は、もう少し待ちたかったそう。しかし、そこのブドウの木の樹齢は30~40年と、ワイン作りに理想的。こんなにいい畑はなかなか見つからないため、「これはチャンスだ」とブドウ畑の購入を決断したんだとか。

人生を変えるほどの、大きな決断は迷うし、できることなら先送りにしたいもの。しかし、自分を信じて決断する勇気もときには必要ということですね。

⑥人の優しさを受け入れる

photo by Wolfram Stempel

ブドウ畑を購入し、元ワイナリーだった物件にも引っ越したWolfiさん。しかし、ブドウ畑の管理や、ワイン作りの過程で必要な機器もすべては持っていない。フルタイムで仕事をしている以上、時間的制約もある。

そんなときに手を差し伸べてくれたのが、同業者でもあるご友人の面々。畑の管理やワイン醸造過程で必要な機器を貸してくれたりと、こころよくお手伝いをしてくれたそう。

自分だけでやろうとすると、キャパオーバーになったり、行き詰まってしまったりすることも多いもの。人に迷惑をかけるのも悪いし……と、なかなか人に頼れない人も多いのではないでしょうか。

「人の優しさを信じて、ここまで道を進むことができた。まわりの人の優しい気持ちを受け止めて、大切にすることです」とWolfiさん。ここまで関わってくれた人たちへの感謝の気持ちを、何度も口にしていた姿が印象的でした。

⑦感謝の気持ちを忘れない

photo by Yu Villegas

現在Wolfiさんは、奥様の麻理子さんとの間に可愛い娘さんにも恵まれて、温かい家族に囲まれ生活しています。

しかしWolfiさんの研修期間中は、「生活が安定するまでは」と麻理子さんは日本に残ってお仕事を続け、Wolfiさんを支えていたそう。

また、ワイン業界への転職を考えていた際、まわり中が反対する中、唯一、背中を押してくれたのも彼女。麻理子さんは、「本人は石橋を叩いて、叩いて、叩きすぎて、渡らない性格だから、あの時は何かの一押しが必要だった」と笑いながら当時のことを話してくれました。

photo by Wolfram Stempel

安定した生活を捨て、遠距離での結婚生活。そんな中でも、ずっと夢を応援し続けてきた麻理子さんと、インタビュー中にも、何度も彼女への感謝の思いを話していたWolfiさん。

つらいときに支えてくれたことはもちろん、異国での子育てをはじめ、家庭を守ってくれていることへの現在形での感謝の気持ちにあふれていて、とても素敵だなぁと思いました。

「そもそも日本人が優しい民族じゃなければ、いろいろ難しかったです」と、日本にいた当時のことも振り返ります。

そんな彼の夢は、日本にモーゼルワインを広め、いつか自身が作ったワインを日本で売ることだそう。日本国内で、彼が作ったワインを見かける日もそう遠くない気がします。

Wolfiさんのワインはどこで手に入る?

photo by Wolfram Stempel

店頭で手に入るのは、ミュンヘンにあるワインショップ「Wineslingers」。そこから、周辺のレストランにも卸しているそう。ミュンヘン近郊にお住まいの方や、ミュンヘンに旅行に行く機会がある方は、ぜチェックしてみてくださいね。※在庫状況はお店に要確認

■詳細情報
・名称:Wineslingers
・住所:Milchstraße 10, 81667 München
・地図:
・営業時間:平日15:00~20:00、土曜12;00~20:00
・定休日:日曜
・電話番号:+498924597652
・公式サイトURL:Wineslingers – Wine & Events

オンラインショップでは、Werners Weinwelt(ドイツのオンラインストア。サイトは近日完成予定)  source/material(若手のワインメーカーに力を入れた、ニューヨーク拠点のオンラインストア)、Vinifikant(デンマークのオンラインストア。デンマーク国内のワインバーにも卸しているそう)など。

毎年、数百本の限定生産のWolfiさんのワイン。チャンスがあれば、ぜひ各サイト・店舗をチェックしてみてくださいね。情熱のこもった、感動の味が待っていますよ!

新しいことをはじめると、また世界が広がる

新しいことをはじめることや、新しい環境に飛び込むこと。どれも勇気がいることで、決断するのは難しいものです。しかし、勇気をもってスタートすると、今までとはまた違った世界・可能性が広がります。

転職・海外留学・世界一周、はたまた新しい趣味や勉強をはじめる、などなど、どんな小さなことでも、新たなチャレンジは自分自身の可能性を広げてくれます。勇気を出して、飛び込んでみませんか?

もっと伝えたいドイツがある

ファンが多い人気の旅先、ドイツ。2021年6月6日からは、日本から観光目的でのドイツ渡航が認められて、胸が高まるばかり。

有名な観光地へは足を運んだけれど、大好きだからこそもっと深くドイツを知って訪れたくなる。文化、食、建築、自然など、知られざる魅力あふれるドイツを、旅好きライターがお届けする特集がスタートします。あたらしい発見、ユニークな体験がきっとみつかるはず。

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Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

メキシコ人の夫と2人の娘と世界中を引っ越し&旅行三昧の日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数30ヵ国。現在は10年ぶりにドイツ滞在中。

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