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小林邦宏 フリーランス商社マン

月に1回世界一周するフリーランス商社マン。1977年東京都出身。大手総合商社を経て、2005年に株式会社グリーンパックス設立。これまでに訪問した国は100カ国以上。現在も、50か国程度と取引をしている。大企業が手掛けないようなニッチなビジネスを得意とし、眠っているビジネスの種を探して日々世界を飛び回る。世界の花屋チーフバイヤーとしてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』・NHK「あさイチ」など、テレビ・ラジオ出演多数。 著書『なぜ僕はケニアのバラを輸入したのか』(幻冬舎)

こんにちは、小林邦宏です。私の自己紹介は「毎月1回世界一周をしながら働く、フリーランス商社マンの生き方とは!?」からご覧ください。

今回は、中近東の国・イスラエルを取り上げます。僕も世界で100か国以上訪れてきましたが、イスラエルほど、イメージと実際のギャップが(良い意味で)大きい国はありません。そんなイスラエルのリアルな世界をご紹介したいと思います。

イスラエルの醍醐味は郊外にある

僕が初めてイスラエルを訪ねたのは、今から5年ほど前でしょうか。事前にインターネットなどで調べ、少し緊張しながら現地入りしたことは今でも忘れません。

あのときは、たしかヨルダンのアンマンから入ったと思うのですが、いざイスラエルの地に降り立ってみると…「あれ、思っていた雰囲気と違うかも??」と感じました。

あまりにもあっさりとイミグレーションを通過したので、あれこれ質問されたりするらしいなど、インターネットで注意喚起されていた情報とは全く違うと呆気に取られたのは今でも良い思い出です。

さて、そんなわけで、世の中の多くの人が想像している印象とは異なり、本当は安全でとても美しい国・イスラエル。緑豊かでとてもフレンドリー。

さて、イスラエルというと、大半の人は経済の中心テルアビブ(現地の言い方だとテル・アビーブ)やエルサレム(現地の言い方だとジェルーサレム)を訪れると思うのですが、もし次の機会に時間があれば、ぜひ、エルサレムやテルアビブ以外へも行ってみてほしいです。

「イスラエルの醍醐味は郊外にある」と言っても過言ではなく、そこでは、リアルなイスラエルの姿を堪能できるのです。

郊外にあるカフェで、美しい景色と朝食を楽しむ

例として、僕のお気に入りのカフェを紹介しましょう。場所は、テルアビブから北へ車で30-40分ほどの村、たとえば、テルアビブの北のベネシオン(Bnei Zion)にあります。

ここに、お気に入りのカフェ「Gouges and Daniel」があります。テラスからはオリーブの木などが見渡せる、なんとも美しい景色。ここの朝食が僕の大のお気に入り。

まずはイスラエルコーヒーをいただきます。そして、コーシャーの戒律に則った、チーズ・フルーツ・野菜中心のビュッフェ。そしてメインはもちろん、イスラエルのソウルフード、シャクシュカ。

ヘルシーでかつエネルギーにあふれるイスラエルの朝ごはんです。ちなみに、このビュッフェを一緒するのはアモス・レヴィさん。

その辺にいる気のいいおじさんに見えるかもしれませんが(笑)、実は凄腕の生産者。

イスラエルを代表するグリーンでルスカスというものがありますが、アモスさんはこのルスカスの亜種であるルスカススパイダー(Ruscus Spider)を開発した方なのです!

イスラエルは世界トップの農業技術大国

ルスカススパイダーとはこんなグリーンです。

通常のルスカスと異なり、葉がクルックルッとカールしているのが特徴で、実はこれが凄いこと。ブーケにしたときにも独特の躍動感を与えてくれるのです。


世界の花屋で販売しているブーケの例

日本でも大人気のグリーン。そして、世界で唯一、このルスカススパイダーを栽培しているのがアモスさんなのです。

このルスカスが良い例ですが、切り花業界では、ヨーロッパへの草花の出荷拠点として知られるのがイスラエルです。ただ、生育環境は、正直言ってアフリカや南米には劣ります。

何といってもイスラエルの夏は暑すぎるし、マイルドな気候の冬は短い。そんなイスラエルが生き延びる術は…そう、品種開発にあるのです! ITベンチャーばかりが着目されるイスラエルですが、農業技術も世界トップクラス。

そんな“新しいイスラエル”を代表する生産者の一人にアビ・ジェフナーさんという方がいます。

テルアビブ・ベングリオン国際空港近くに畑を構えるアビさんの代表的な生産物が、グレビレア・ゴールド(Grevillea Gold)。世界で唯一といっても過言ではないでしょう。

葉がゴールドに輝くので、名前にもゴールドが入っている種です。美しい、本当に美しい!

特に、このゴールドはドライフラワーになっても色を保つため、この数年で日本でも大人気となり、今では日本でも欠かせないアイテムの一つです。


世界の花屋で販売しているブーケの例

実際、現場でグレビレアゴールドの景色を見ると圧巻です。青い空とゴールドの葉。こんな景色は世界でもイスラエル、そして、イスラエルのアビさんの畑でしか見ることができません。

これだけでもイスラエルへ来た甲斐があったと思う瞬間です。実際に、イスラエルには他にもグレビレアゴールドの生産者さんがいます。でも、アビさんのゴールドは葉の強さが全く違います。

この技術は、「企業秘密だよ」と絶対に教えてくれないアビさんですが(笑)、何度も会って話しているので何となく分かります。新芽を出すタイミングが絶妙なのです。この辺の技術論は、ぜひ「世界の花屋」のサイトをご覧ください。

温かい人々や魅力的な特産物にあふれた場所

そして、とにかくイスラエルにはフレンドリーな人が多いです。生産者さんを訪ねれば、イスラエルコーヒーにお菓子が必ず付いてきます。

そして夜は、生産者さんや取引先のご自宅へ招かれることも多いです。写真は、僕のパートナーの一人であるオランダ人のレーンさんの自宅での一コマ。

奥様がイスラエル人なので、英語もヘブライ語も堪能なレーンさんご一家。

イスラエルワインとフムス・ピタパン・ファラフェルなどの定番イスラエル料理で、もてなしてくださいます。ホスピタリティにあふれた本当に温かい国です。

余談になりますが、僕は安心・安全で良質な美容オイルの買い付けも行っており、「精油とわたし」というブランドを展開しています。ここでも、イスラエル産ホホバオイルを扱っています。

ホホバオイルの元であるホホバツリーの産地は、かの有名なガザ地区の近く。草花とはまたちょっと異なるイスラエルの魅力にあふれた世界です。良かったらこちらのサイトも覗いてみてください。

次回は、アジアの話をしてみたいと思います。

All photos by Kunihiro Kobayashi

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月に1回世界一周するフリーランス商社マン。1977年東京都出身。大手総合商社を経て、2005年に株式会社グリーンパックス設立。これまでに訪問した国は100カ国以上。現在も、50か国程度と取引をしている。大企業が手掛けないようなニッチなビジネスを得意とし、眠っているビジネスの種を探して日々世界を飛び回る。世界の花屋チーフバイヤーとしてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』・NHK「あさイチ」など、テレビ・ラジオ出演多数。 著書『なぜ僕はケニアのバラを輸入したのか』(幻冬舎)

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