ライター
小林邦宏 旅するビジネスマン

月に1回世界一周する“旅するビジネスマン”。1977年東京都出身。大手総合商社を経て、2005年に株式会社グリーンパックス設立。これまでに訪問した国は100カ国以上。現在も、50か国程度と取引をしている。大企業が手掛けないようなニッチなビジネスを得意とし、眠っているビジネスの種を探して日々世界を飛び回る。世界の花屋チーフバイヤーとしてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』・NHK「あさイチ」など、テレビ・ラジオ出演多数。 著書『なぜ僕はケニアのバラを輸入したのか』(幻冬舎)

こんにちは。小林邦宏です。私の自己紹介は「毎月1回世界一周をしながら働く、フリーランス商社マンの生き方とは!?」からご覧ください。さて、今回取り上げるのは、台湾です!


こちらは台中の花博にて

旅好きな方にとって、きっと身近な台湾。でも、まだまだ知らない台湾がたくさんある。それが、台湾好きな方が多い理由でしょう。「こんな台湾があったのか!」といつも素敵な発見に溢れている場所で、僕も台湾にハマっています。

洋蘭が咲き誇る台中エリアへ

さて、今回はお花の話から入ります。花バイヤーとして台湾のポイントを一言で表現すると、それは多様性。日本の九州ほどの面積に、驚くほど多様な気候があるのです。専門用語では「Micro Climate」と呼ぶのですが、ここでは省略します。

お花の産地は、主に台湾島の西側で、台中から南へ広がるエリアです。1年を通じて、比較的温暖な台中からはじまり、熱帯気候ともいえる屏東まで。


台中の花博にて、その2

ちなみに、台中から屏東まで車で移動すると約2時間かかります。それでこれだけの気候変化があるのは、本当に驚きです。この温暖とも熱帯ともいうべき台湾の気候が、洋蘭の栽培には最適なのです。

そんな世界的な“洋蘭天国”である台湾の台中では、2018年に花博が開催された場所としても知られています。


台中の花博にて、その3

気候変化の多い地域ならではの洋蘭・オンシジューム

そして、そんな台湾と日本はお花を通じて深いつながりがあります。日本のお花関係者の多くが台湾の天気をチェックしているように、台湾の生産者さんも日本の気候やら市況ならに精通。日本国内で取引しているような感覚に陥ります。

いくつか代表的なものをご紹介しましょう。まずは、オンシジューム。漢字表記では文心蘭と書きます。


オンシジューム農園の様子

ビタミンカラーの黄色が特徴的な洋蘭の1種で、日本では冠婚葬祭の様々なシチュエーションで多用され、なくてはならない花です。

実際、台湾はなんと3,000万本近いオンシジュームを輸出しているのですが、そのうち9割(!)がなんと日本向け。最盛期、黄色に染まるオンシジュームの畑は絶景とも言えます。

そんなオンシジュームで台湾を代表する有名な作り手が洪志文さんです。

オンシジュームは本当に奥が深い花。生産者さん各人が同じように栽培していても、出来上がるお花には大きな差が生まれるのです。

その中でも、洪さんのオンシジュームは“アート”とも言うべき美しさ。一つ一つのお花が力強さを持ちながら美しい。実際、台中を中心に、洪さんの栽培技術を慕う生産者が老若男女問わず多いのも納得です。

実はオンシジュームにもいろいろな種類があるのですが、そんな洪さんが開発した品種がベビーフェイス。

他のオンシジュームと比べて花弁が厚く長持ちすることが特徴です。機会あれば、ぜひ手に取ってみてください。

色鮮やかな屏東の花々に魅了されて

もう一人、生産者さんを紹介しましょう。屏東を代表する李進明さんです。

熱帯に近い屏東はオンシジュームを栽培するには少し暑すぎるところもあるのですが、李さんも見事な調整力で美しいオンシジュームを仕上げてくるのです。

そして、屏東らしいのは、熱帯性気候だからこそ育つ洋蘭も育てていること。赤色が印象的なレナンセラや、

青・紫色を中心に日本でも安定した人気を誇るバンダなども。

これが不思議なのですが、レナンセラやバンダは、台中では栽培することは不可能なのです。繰り返しになりますが、車でたった2時間の距離です。それでもこの大きな違い…台湾は本当に面白い。

台湾といえば、美食と団欒タイム

話は変わりますが、台湾の生産者に欠かせないものって、何だと思いますか? 答えは、なんと”飲みにケーション”(笑)!

昼間はこうして、お茶を飲みながら花談義をするところから始まります。

台湾茶の世界はホストがサーブすることが基本ですから、お花の生産者さんになりたければ良いお茶を淹れられるようにならないといけない、なんて冗談もあるほど。

特に、フルーツの産地としても有名な屏東では、台湾茶と共に名産の美味しいフルーツを食べることもよくある楽しみ。

ちなみにこちらは、李さんのご自宅にあるヤシの木で採れるヤシの実。

ご高齢の李さんですが、ひょいと木に登り、ヤシの実を収穫してくれる。彼より20歳も若い僕には、決して真似できない身のこなし…。熱い屏東、ココナッツジュースが火照った身体を冷やしてくれます。

そして、夜は夜で「乾杯」の掛け声が飛び交う宴会が台湾流。

生産者さんのご家族も交え、楽しい会話が夜中まで弾みます。僕はあまりお酒に強くはないのですが、場の楽しい雰囲気に流れを任せて、いつも気合いで乗り切っています(笑)。

実際、台湾の人は本当に情に厚い。こうして台湾の生産者さんたちと昼も夜もと人間関係が構築され、それが、良いお花の買い付けに繋がる世界なんです。ウソのような本当の話ですが。

だから、僕も台湾に頻繁に足を運ぶわけです。

知る人ぞ知る漢方料理を食べに行ってみて

お花にグルメにとにかく楽しい台湾の旅。最後に、僕の最もお気に入りのレストランをご紹介。それは、台湾の漢方料理「山羊鍋」です。

特に、中部・嘉義県の大林鎮という村にある「日日興羊肉爐」さんがお気に入り。

店には「羊肉」と書かれていますが、実際には「山羊肉です」。念のためご注意を。

ここは、日本であまり知られていませんが、実は台湾では人気スポットで、日日興の山羊鍋を食すべく、遠く台北から通う人もいるのだとか。

見た目と異なり、あっさりしていて結構食べれます。余談ですが、山羊の胃袋の炒め物など一品料理も美味しい。機会あれば、ぜひ訪ねてみてください!

台湾には親近感を持ち、特別な思いを持つ人も多いと思います。私たち「世界の花屋」でも定期的に台湾のお花を取り上げていますので、ぜひ、台湾のお花を通じて台湾の魅力を知ってもらえたらと思います。

では、今回はこの辺で。

All photos by Kunihiro Kobayashi

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