ライター
小林邦宏 旅するビジネスマン

月に1回世界一周する“旅するビジネスマン”。1977年東京都出身。大手総合商社を経て、2005年に株式会社グリーンパックス設立。これまでに訪問した国は100カ国以上。現在も、50か国程度と取引をしている。大企業が手掛けないようなニッチなビジネスを得意とし、眠っているビジネスの種を探して日々世界を飛び回る。世界の花屋チーフバイヤーとしてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』・NHK「あさイチ」など、テレビ・ラジオ出演多数。 著書『なぜ僕はケニアのバラを輸入したのか』(幻冬舎)

こんにちは。小林邦宏です。私の自己紹介は「毎月1回世界一周をしながら働く、フリーランス商社マンの生き方とは!?」からご覧ください。

さて、今回取り上げるのは南米大陸! コロンビアの話をご紹介してみたいと思います。

切り花産業が盛んな首都・ボゴタ

みなさんの中にも、母の日などに、”コロンビアのカーネーション”を耳にされたことがある方はいるのではないでしょうか。

日本はコロンビアからどのくらいのカーネーションを輸入していると思いますか? なんと… その数、年間2億本なんです! 想像もつかない数量ですね。

実は、日本に流通しているカーネーションの約半分がコロンビア産なのです。なぜかというと、コロンビアがお花を栽培するのに適した環境にあるためです。

首都ボゴタの標高は約2,600m、そして赤道にも近い。一年を通じて安定した気候の中、強い紫外線を浴びてお花がグングンと育つわけです!

そしてもう一つ、世界最大のお花の消費地といえるアメリカ合衆国が近いこと。


ボゴタの街並み

南米大陸でも最北部に位置するコロンビアからアメリカ・フロリダ州のマイアミまでは飛行機で3時間ちょっと(この近さは意外に思われるかもしれません)。

これはもう、産地直送状態です。お花によっては輸送に弱い品種もありますがさすがにこの程度なら耐えられます。そんなわけで、コロンビアでは切り花産業がとても盛んなのです。

ちなみに、こちらの写真は首都ボゴタにあるパロケマオ市場(Plaza de Paloquemao)というところで、僕もコロンビアに行くたびに訪れています。

早朝からたくさんのフレッシュなお花が並び、たくさんの人がお花を買い求めている景色を目にすることができます。

これだけ見ても、「ああ、コロンビアの人は本当にお花が好きなのだな…」と思わずにいられません。

実際、私の取引先の男性からも言われたことがあります。「今日はバラを買って帰ると言ってるから、朝から妻のテンションが高いんだよね」…お花屋さんとしては羨ましいエピソードです。

カーネーション農家のホルヘさんを訪問

さて、そんなわけでまずはカーネーションについて触れましょう。

冒頭に触れた母の日だけでなく、お盆やお彼岸など、実は日本の花文化にコロンビアは欠かせません。

機会があれば、首都ボゴタの空港に着陸直前、窓から外の景色をぜひ見てみてほしいです。見渡す限りのグリーンハウス(=カーネーション農園)が広がっています。

僕も、ボゴタでこれまで数えきれないカーネーション農園を訪れてきました。一人、僕のパートナーであるホルヘ・ウマーニャさんを紹介したいと思います。


中央の男性がホルヘさん

親日家でもあり、昨年の夏休みは日本の直島で美術鑑賞三昧の日々を過ごしていたとか。このホルヘさん、コロンビアのカーネーション業界では知らない人はいない有名人なんです。


ボゴタのカーネーション

栽培に取り組む姿勢が本当に素晴らしい! 毎日現場へ行ってお花の生育状態を自らチェックしているそう。

ホルヘさんくらいの大物となると何かと抱える仕事も多いはずですが、それでも”現場主義”を欠かさない姿勢には、ただただ尊敬の念を覚えずにはいられません。

そんな頑張りのお陰ですが、実際、長い旅を経て日本に着いた後、ホルヘさんのカーネーションの持ちは他社とは全く違います。日本の生花市場などでも、彼の農園名”Agromonte(アグロモンテ)”を指名買いされる方はとても多いんです。

そんなホルヘさんと真剣に向かい合うと、常に口にされるお話があります。

「コロンビアの経済発展や、国民みんなの生活が豊かになるために僕は日々ベストを尽くしている。農園で働いているみんなも社員ではなく、“ファミリー”なんだ。私はお花を通じ、お花を買う・お花を受け取るという行為を生むだけだけでなく、そんなファミリーにも幸せになってほしいと思っている」

地球の裏側、コロンビアから長い時間をかけて旅してきたカーネーションを見つめると、僕は、そんなコロンビアのみなさんの熱い情熱や思いを感じずにはいられません。


日本へ旅立つカーネーションの絵

コロンビア第二の都市・メデジンのアジサイ

コロンビアにはもう一か所、お花の産地があります。それが、第二の都市であるメデジンです。ここはボゴタより標高は少し低くて2,200mくらい。ボゴタより温暖なため、異なる草花が栽培されています。

そんなメデジンを代表するお花が、私たち「世界の花屋」でも安定した人気を誇るコロンビア産のアジサイです。農園の写真を見てみてください。

斜面に、見渡す限りのアジサイが広がっています。

そして、こちらは人気のアンティークカラーのアジサイ。本当に色鮮やかで素敵ですね!

さらに、アジサイはドライフラワーとしても楽しめるため、商品を長く楽しんでいただくことができます。色鮮やかなアジサイが生花からドライフラワーとなる過程を、ぜひ楽しんでもらいたい…! その美しさにハッとされるはずです。

そんなコロンビア産アジサイの第一人者がアンドレス・ポサダさん。

ここメデジンにはたくさんのアジサイ農園がありますが、アンドレスさんの育てるアンティークカラーのものは特に大型なんです。

なんでこんな大きく育てることができるのだろう…!

技術的なことを言えば、非常に繊細なアジサイは太陽光と与える水分量のバランスが重要なのですが、アンドレスさんのアジサイはこのバランスが絶妙!


顔の大きさと比べても、大きなアジサイの花

ちなみに、「僕はアジサイから目を離すことができないから、農園を離れることができないんだよ」と自虐的に語ることもあるアンドレスさん(笑)。

さらに、ここ数年、アンドレスさんはたくさんのアジサイの新品種の開発も進めています。

世界の花屋」でも順次リリース予定なので、ぜひ公式サイトやインスタグラムなどをチェックしてみてくださいね。

コロンビアの旅の醍醐味は、ラテンの雰囲気を楽しむこと

お花の話が長くなりましたが、ここで旅の楽しみについても触れましょう。南米といえば、やっぱりラテン!

テレビ・ラジオ出演などの影響もあり、世間では僕は”アフリカ派”と思われていますが(笑)、正直言えば一番好きなのはラテンです。

幸いスペイン語もそれなりに話せるせいか、一度このラテンの空気に染まってしまうと、帰りたくなくなるし、日本に帰ってもなかなかペースが戻らない。

そして、このコラムを読んで南米に興味を持ってくださった方に、南米を代表するレストランをおすすめしたいです。それが、”Andres Carne de Res”(通称アンドレス・カルネ、アンドレス)。

ガルシア・マルケスをはじめ、コロンビアの文化人にも永く愛されるレストランです。実際に、チリやペルーの友人ですら店名を知っているくらい、南米では知らない人はいないような有名店なのです。

仲間と楽しい会話を弾ませながらコロンビア名物の肉料理に食いつく。コロンビアのビール”Club Colombia”や、コロンビアの強烈(!)な蒸留酒アグアルディエンテを飲む。

そして、店内に流れるラテンミュージックとともに夜な夜なダンスにふけるのです。

首都ボゴタなどコロンビアに数店舗構えるアンドレスですが、時間があれば、ボゴタ郊外の町チア(Chia)にあるアンドレス本店は、特におすすめ。

昼間っから飲んで歌って踊るラテンの真髄を堪能できること間違いなしです!

元々は麻薬カルテルなど危険なイメージが強かったコロンビア。でも、ここにきて治安が良化し、アメリカからも近く物価も比較的安いことから、もしこれから「南米旅を極めてみたい!」という場合、コロンビアは“入門編”として最適な場所かもしれません。

ぜひ一度、みなさんにも降り立ってほしい場所です。

では、今回はこの辺で。

All photos by Kunihiro Kobayashi

連載の記事を見てみる

ライター
小林邦宏 旅するビジネスマン

月に1回世界一周する“旅するビジネスマン”。1977年東京都出身。大手総合商社を経て、2005年に株式会社グリーンパックス設立。これまでに訪問した国は100カ国以上。現在も、50か国程度と取引をしている。大企業が手掛けないようなニッチなビジネスを得意とし、眠っているビジネスの種を探して日々世界を飛び回る。世界の花屋チーフバイヤーとしてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』・NHK「あさイチ」など、テレビ・ラジオ出演多数。 著書『なぜ僕はケニアのバラを輸入したのか』(幻冬舎)

RELATED

関連記事

RANKING

人気記事ランキング