ライター
小林邦宏 旅するビジネスマン

月に1回世界一周する“旅するビジネスマン”。1977年東京都出身。大手総合商社を経て、2005年に株式会社グリーンパックス設立。これまでに訪問した国は100カ国以上。現在も、50か国程度と取引をしている。大企業が手掛けないようなニッチなビジネスを得意とし、眠っているビジネスの種を探して日々世界を飛び回る。世界の花屋チーフバイヤーとしてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』・NHK「あさイチ」など、テレビ・ラジオ出演多数。 著書『なぜ僕はケニアのバラを輸入したのか』(幻冬舎)

こんにちは。小林邦宏です。私の自己紹介は「毎月1回世界一周をしながら働く、旅するビジネスマンの生き方とは!?」からご覧ください。

今回は、ニュージーランドを取り上げてみましょう。

突然ですが、”ニュージーランド”という国名の語源、ご存知ですか? 元々は、オランダのゼーランド(Zeeland)地方から来ている言葉なんです。

なぜこの話をしたかというと…お花の世界は、まさにこの語源を体現化したような世界だからです。

なんと今から60年前も昔の話になりますが、オランダの切り花生産者が南半球にオランダ同様の栽培環境を求め、探し当てた場所…それがニュージーランドなんです。

ニュージーランドの代表花・シンビジウム

その中でも、当時も今も中心にあるのがシンビジウムというお花。大輪で連なって咲く様が本当に美しい洋蘭です。

ケニアのように赤道直下のような気候的メリットはなく、どちらかといえば、オランダの切り花のプロたちが海外を見据えたときに地理的メリットを見出したというのが、ニュージーランドの切り花産業です。

実際、かつて業界をリードしたオランダ人たちの目論見は当たり、この南半球で育つシンビジウムというのは、今でもニュージーランドの独壇場です。

5-10月頃は日本だけでなく、アメリカにも沢山のお花が出荷されています。さて、そんなニュージーランドのお花の世界を今日は旅していきましょう。

オークランド郊外の素晴らしさを探検

中心は、北島です。僕の買い付けの旅は、中心都市オークランドから始まります。ここでレンタカーを借りて、美しい景色に囲まれながらのドライブ。

オークランドからちょっと郊外に出ただけでも、青い海と緑のコントラストが印象的なカワカワ・ベイ(Kawakawa Bay)や、川のせせらぎに癒されるカイマイ・ママク(Kaimai Mamaku)など、とにかく素晴らしい景色が広がります。

ニュージーランドでこんな自然に囲まれたナチュラルライフに憧れる人が多いことは、ただただ納得です。

さて、そんな中でも僕のお気に入りは郊外の朝です。お花の季節は現地の秋-冬の季節で、凛とした静けさがあります。

草原一面にかかる靄。これは幻想的ともいえる空間・時間です。車を停めて、その場で美味しい空気を胸一杯に吸いたくなる。

そして、そんな朝を更に充実したものにしてくれる、僕が世界一大好きなカフェがオークランド郊外の小さな村、クレーブドン(Clevedon)にあります。カフェの名前は”The Corner Kitchen & Bar”。

この村の中心に位置し、言ってみれば、”村のたまり場&台所”といった感じです。店内に一歩足を踏み入れると、木のぬくもりを感じられるような温かみのある雰囲気があります。

入った瞬間からホッとできる、リラックスできる空間です。実際、店舗で眺めていると、お客さん同士はほぼ顔なじみの様子で、そんなところがリラックスできる空間を生み出しているのかもしれません。

まずは、冷えた身体を温めるべくFlat Whiteのコーヒーを。。。

ここは何でも美味しいのですが、僕のお気に入りはエッグベネディクト。気取らない、素朴な味がこのカフェに似合います。食事を終え、Long Blackのコーヒーをおかわり。読書をしながら、至福のひと時です。

このカフェでニュージーランドの美しい朝を存分に堪能し、「さあ、仕事に行こう」と目的地に向かうのが僕の現地でのワークスタイルです。

シンビジウムを育てる北島ニュープリマスの農家へ

そして、いよいよ仕事場もご紹介。シンビジウムの生産者さんは北島のどこかに集中しているのではなく、各地各地に点在しています。

なので、各地を廻りながら生産者さんたちに「ハロー」と声をかけていくイメージです。こちらは、ボンベイ・ヒルズ(Bombay Hills)のインド系生産者、パーマさんご一家。

繊細なシンビジウムの栽培は、電力を含めてコストがとてもかかるのですが、限られたコストをやり繰りしながら、少しでも良いシンビジウムを出荷しようと、日々努力されている姿には本当に頭が下がります。

さらにドライブ旅を進めましょう。今回ご紹介する生産者さんは、ドン・スレイターさん。北島の中部ニュープリマス(New Plymouth)の町で農園を経営されています。

機械による空調管理などがメインで(バラやカーネーションなどと異なり)、それほど人出を必要としない洋蘭栽培。お子さんたちと一緒に取り組まれているファミリービジネスが印象的です。

実際、既に30年近く取り組まれており、日々、良質なシンビジウムの出荷に全力投球されています。

ちなみに、みなさん、優しそうな写真につられてはいけません! 好々爺と思うなかれ。そう思うと痛い目に遭います(笑)。

僕がニュープリマスに行くと、当然長話になり、次から次へと質問攻撃を受けます(笑)まるでインドにいるかのように…油断すると、僕の隙をどんどん突いてきます。

「ちょっと待て、あとは○○についてだが〜」と次から次に交渉をしかけてくるタフネゴシエーター。見た目とそのギャップには苦笑いです。

そして、ドンと僕のやり取りで、彼のタフさに僕が参っている姿を眺めているお子さんたちはいつも大爆笑…。そんな家族の笑顔の中で育ったのがドンのシンビジウムです。

きっと、受け取ったみなさんにも笑顔が広がってくれるはずです。長々とした交渉が終わり、ようやく解放される僕。ニュープリマスの美しいビーチでボーっとするのが束の間のひと時です。

各地でたくさんの笑顔と出会いながら、僕のニュージーランドドライブは続きます。

✳︎✳︎✳︎

実は今回で、こちらの連載はゴールとなります。半年にわたり、お付き合いありがとうございました! コラムを通じて、一人でも多くの方に世界のお花への興味を持っていただけると嬉しいです。

世界中の素晴らしい生産者さんからのお花を販売する「世界の花屋」はこちら。また、世界中のリアルを旅やビジネスを切り口にご紹介する僕のYouTubeチャンネルもお時間あればご覧ください。

All photos by Kunihiro Kobayashi

連載の記事を見てみる

ライター
小林邦宏 旅するビジネスマン

月に1回世界一周する“旅するビジネスマン”。1977年東京都出身。大手総合商社を経て、2005年に株式会社グリーンパックス設立。これまでに訪問した国は100カ国以上。現在も、50か国程度と取引をしている。大企業が手掛けないようなニッチなビジネスを得意とし、眠っているビジネスの種を探して日々世界を飛び回る。世界の花屋チーフバイヤーとしてNHK『世界はほしいモノにあふれてる』・NHK「あさイチ」など、テレビ・ラジオ出演多数。 著書『なぜ僕はケニアのバラを輸入したのか』(幻冬舎)

RELATED

関連記事

RANKING

人気記事ランキング