ライター

大学卒業後、世界一周の旅に出発し、1年半かけて45カ国を周る。帰国後、株式会社アマナに入社。2016年よりフリーランスとなり、想像もできない風景を多くの人に届けるために世界中の極地、僻地を旅しながら撮影を行なっている。 近年はヒマラヤの8000m峰から水中、南極まで活動範囲を広めており、2021年にはエベレスト(8848m)を登頂した。 受賞歴 2017年 Canon "SHINES" 2017 品川一治選 書籍 2018年 写真集「Ama Dablam」 2022年 写真集「空と大地の間、夢と現の境界線 -Everest- 」 2022年 新書「エベレストの空」 写真展 2019年 キヤノンギャラリー銀座、名古屋、大阪 「Ama Dablam」 2020年 キヤノンギャラリー品川、大阪  「Manaslu」 2022年 代官山蔦屋書店「空と大地の間、夢と現の境界線 -EVEREST-」

こんにちは。写真家の上田優紀です。一眼レフカメラの扱いにも少しずつ慣れてくると、写真を撮るのがどんどん楽しくなってきますよね。さらにもう一歩写真がうまくなるためにはきちんとカメラや写真についての知識を持っていることが鍵になってきます。

そこで今回は、カメラ好きの旅人なら知っておくべきカメラ用語をまとめてみました。

これからカメラをはじめたい旅人たちも、これさえ知っていればきっと役に立つ基本的な用語ばかりなのでぜひマスターしてみてくださいね!

 

カメラの基礎知識

photo by Zorah Olivia

絞り値(F値)

レンズを通って撮像素子に写る像の明るさのこと。絞り値を大きくすると写真は暗くなり、被写界深度は深くなります。逆に小さくなると写真は明るくなり、被写界深度は浅くなります。

シャッタースピード

カメラのシャッターが開いている時間のこと。シャッタースピードを早くすると光が撮像素子に当たる時間が短くなるので、写真は暗くなります。逆にシャッタースピードが遅くなると、より多くの光を集めるので写真は明るくなります。

ISO感度

デジタルカメラが光をとらえる能力を表す値です。例えば、ISO感度を100から200に変更すると写真の明るさは2倍になります。

ホワイトバランス

被写体に当たる光の種類に応じて変わる色味を調節して、白いものをより白く見せる機能です。肉眼では無色に見える光も、実はさまざまな色を持っています。例えば、白熱球は青く、太陽光は黄色い、などがあります。

オートホワイトバランスに設定しておくと、自動でカメラがより白く見せるための調整を行います。また、ホワイトバランスを自分で調整することで星空撮影のようにあえて青っぽい写真にしたり、温かい色味の写真にすることもできます。

被写界深度

ピントが合って見える範囲のことで、よりピントが合っている範囲が広ければ被写界深度が深い、狭ければ浅いと言います。F値が小さいとより被写界深度は浅くなっていきます。

焦点距離

ピントを合わせた時のレンズから撮像素子までの距離のことです。レンズには100mmや24-70mmのように表示されています。一般的にこの数字が小さければ小さいほど広角に、大きければ大きいほど望遠に撮影することができます。

構図

写真を撮る時に、被写体を画面のどの部分に配置するか、というデザインの考え方のこと。構図に正解はありませんが、三分割構図や対角線構図など基本的な構図をマスターしていれば、より魅力的な写真に近づくことができます。

 

カメラの操作について

photo by Akairom

マニュアルモード(Mモード)

シャッタースピード、F値、ISO感度、露出補正、ホワイトバランスなど全ての設定を自分で行うモードです。慣れてくると意外に簡単で、より安定した撮影をすることができます。

プログラムモード(Pモード)

シャッタースピード、F値はカメラが自動的に設定してくれるモード。ただし、オート撮影のような全自動ではなく、ISO感度やホワイトバワンスなどは自分で設定することができます。

絞り優先モード(Avモード/Aモード)

絞り(F値)を自分で設定し、シャッタースピードはカメラに任せて撮影するモードです。初心者だけど、背景のボケ感を自分で調整したい人におすすめの設定。よりぼかしたい時にはF値を小さく設定し、逆に背景までくっきりと撮影したい時にはF値を大きくします。

ISO感度やホワイトバワンスなどは自分で設定することができます。

シャッタースピード優先モード(Tvモード/Sモード)

シャッタースピードを自分で設定し、絞り(F値)はカメラに任せて撮影するモード。動いているものを止まっているように撮影する時はシャッタースピードを早くし、ものが流れているように撮影したい時には遅く設定します。

ISO感度やホワイトバワンスなどは自分で設定することができます。

オートフォーカス

カメラが自動でピントを合わせる機能のことです。レンズにはAFと記載されています。

マニュアルフォーカス

レンズのフォーカスリングを回すことで、自分でピントを合わせること。星空撮影や接写、丸ボケなどを撮影する時にはマニュアルフォーカスでピントを合わせましょう。

フォーカスロック撮影

特定の部分にピントを合わせて、そのままピントは固定したまま構図を変えて撮影する手法です。

 

撮影の幅がぐっと広がる知識

photo by Onejoshuatree

開放F値

レンズの絞りをもっとも開いた状態のことを開放絞りといい、その時のF値を開放F値と呼びます。つまり、開放F値が自分のレンズで設定できる最小のF値になります。一般的には開放F値が低ければ低いほど、レンズの性能が良くなり、高価になっていくことが多いです。

露出補正

カメラが決めた適正露出から自分で露出を変えて、写真を明るくしたり暗くしたりすることです。

ノイズ

ISOを高くしたり、シャッタースピードを長時間に設定して撮影すると現れやすくなる写真のざらつきのことです。

画素数

撮像素子がどれだけの数の画素で構成されているのかを表す数値のことです。

JPEGデータ

画像を圧縮し、データ量を小さくしてSDカードなどの記録メディアにたくさん記録できるようにしたデータ形式のこと。L、M、SやFINE、NORMAL、BASICと表示され、Sサイズまで圧縮するとたくさんの写真を撮影できますが、そのぶん画質の劣化も目立つようになります。

RAWデータ

JPEGデータと異なり、圧縮されていない生のデータのことです。そのため、撮影時に設定したホワイトバランスや露出補正、明度などを後からパソコン上で変更することができます。ただし、圧縮されていないためデータ量は大きくなります。

逆光

被写体の背後から撮影者に向かって、光が当たっている状態のこと。輪郭などが綺麗に写り、立体感をより表現しやすくなるため、人物や食べ物などを撮影する時に使うことが多いです。

順光

撮影者の後ろから被写体に向かって光が当たっている状態のことです。被写体に対して、均一に光が当たるため、被写体の形や色を明確に写すことができます。影ができにくいので平面的な写真になってしまうのがデメリットです。

サイド光

被写体の横から光が当たっている状態で、立体感や質感を表現するのに向いています

ライター

大学卒業後、世界一周の旅に出発し、1年半かけて45カ国を周る。帰国後、株式会社アマナに入社。2016年よりフリーランスとなり、想像もできない風景を多くの人に届けるために世界中の極地、僻地を旅しながら撮影を行なっている。 近年はヒマラヤの8000m峰から水中、南極まで活動範囲を広めており、2021年にはエベレスト(8848m)を登頂した。 受賞歴 2017年 Canon "SHINES" 2017 品川一治選 書籍 2018年 写真集「Ama Dablam」 2022年 写真集「空と大地の間、夢と現の境界線 -Everest- 」 2022年 新書「エベレストの空」 写真展 2019年 キヤノンギャラリー銀座、名古屋、大阪 「Ama Dablam」 2020年 キヤノンギャラリー品川、大阪  「Manaslu」 2022年 代官山蔦屋書店「空と大地の間、夢と現の境界線 -EVEREST-」

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