世の中には、数奇な運命をたどった建造物が数多くあります。今や世界有数の人気を誇る「モンサンミッシェル」でさえ、一時期は牢獄として使用されていたほどです。それ以上に数奇な運命をたどっているのが、フランスにある「フォール・ボワヤール」でしょう。
フォール・ボワヤールの誕生
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フォール・ボワヤールは、大西洋岸のラ・ロシェルという街の沖にある島…というか建物です。フォール・ボワヤールはもともと、19世紀中ごろに完成をした要塞です。
フォール・ボワヤールは縦が31メートル、横が68メートル、高さが20メートルにも及ぶ、まるで戦艦のような要塞。対イギリスでは重要な拠点だったのですが、間もなく長距離砲が本土などに配備されると、その優位性は無くなりました。
テレビによって救われたフォール・ボワヤール
その後、反乱者をニューカレドニアへ流刑に処すまでの収監の地として使われ、20世紀になると砲台すら鉄くず業者に売り払われてしまいました。
第二次大戦後、国によって復興計画が立てられましたが、その後なぜか歯医者が落札して、要塞をホテルに改装しようとしましたが、結局それも頓挫。