ツアーのハイライトはホテルにあるシェルター?
Photo by Nitta Hiroshi
少しツアーを早送り。ガイドブックでおなじみのヴァーツラフ広場に着きました。ここではチェコスロバキア現代史の舞台となってきました。
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そんなヴァーツラフ広場沿いにホテル「ヤルタ」があります。一見するとごく普通のホテルに見えますが、実は地下には共産主義時代につくられた核シェルターが残っています。核シェルターは「冷戦博物館」として保存されています。
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分厚い扉を開くと、天井の低い地下空間が広がります。このシェルターは150名も収容できるとのこと。最初に案内された部屋は医務室です。ここで注目して欲しいのが写真右側にある穴です。
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穴は狭い地下トンネルになっており、こっそりと地上に上がれる仕組みになっているのです。スパイ映画さながらですね。
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博物館として整備されているシェルターには作戦室のような部屋もありました。注目したいのは奥にあるディスプレイマップです。ガイドが熱心に説明してくれました。
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こちらはチェコスロバキアの地図です。赤線はオーストリアとの国境線、つまり自由主義陣営と共産主義陣営の境界線です。青点や黄点は地対空ミサイルなどが実戦配備されていた地点を表しています。半円はミサイルなどの兵器が届く範囲を示しています。
このディスプレイマップを見るだけでも、冷戦時代の緊張感が感じられますよ。
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チェコスロバキア・オーストリア国境では、このような国境審査官が厳しく人々をチェックしていました。荷物のチェックはもちろんのこと自動車の床下もチェックされたとか。共産党政府は西側からの情報や文化の流入を極度に恐れていたことがわかります。
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国境線は鉄条網が張りめぐされ、見張り台から警察が見張っていました。もしチェコスロバキアからオーストリアから亡命しようとする者がいたら、すぐに連行、もしくは射殺。亡命者を騙すためにフェイクの国境線もつくられました。
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核シェルターはホテルの宿泊客を監視する役割も果たしていました。西側からの政治家やジャーナリストは盗聴、監視しやすい部屋に案内。ここで客室からの会話を盗聴していました。もちろん、現在は盗聴は行われていないのでご心配なく。
このようにホテルヤルタの地下にある冷戦博物館には興味深い展示物がたくさんあります。共産主義ツアーだけでなく、博物館が行うツアーもあります。いずれにせよ、冷戦博物館を見学する際には何かしらのツアーに参加する必要があります。ツアーの予約は公式ホームページから申し込めます。
なお共産主義ツアーはアプリ「GetYourGude」から申込みました。所要時間は約3時間。しっかりと楽しめて学べるツアー内容です。このようにプラハは「可愛らしさ」と「ディープ」が同居している街ですが、後者は見つけにくいのが現状。「ディープなプラハ」を探し求める旅もおもしろいですよ。
・名称:The Cold War Museum(Boutique Hotel Jalta)
・住所:Václavské nám. 818/45, 110 00 Nové Město, チェコ
・地図:
・アクセス:地下鉄A号線・B号線「Můstek」、地下鉄A号線・C号線「Muzeum」から徒歩約10分
・営業時間:ガイド付きツアー、予約必須。ツアーは13時、14時30分、16時、17時30分~。
・料金:70コルナ
・所要時間:約90分
・オススメの時期:いつでも
・公式サイトURL:http://en.muzeum-studene-valky.cz