こんにちは。ドイツ在住トラベルライターのYuです。
みなさんは「ドイツ」と聞いて何を思い浮かべますか?
ソーセージにプレッツェル?いやいや、ビールでしょ!という方も多いのではないでしょうか?(私もその一人です)
今回はドイツとは切っても切れない関係である「ビール」をテーマにした旅を、全力でプレゼンしていこうと思います。
TABIPPO読者でビール好きのみなさん!次の旅行先はドイツで決まりですよ♪
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旅の前に、ドイツとビールの歴史を知ろう
photo by Yu Villegas
旅の前にドイツとビールの歴史を知っておくと、旅の楽しみもビールの味もUPすること間違いなし!ここでは歴史上の重要なポイントを紹介していきます。
まずビールの起源についてから見ていきましょう。
諸説ありますが、メソポタミアやエジプトで紀元前8000~4000年にはすでにビールは誕生したと言われています。
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ドイツではじめてビールが作られたのは8世紀前後から。
そう、ビールの起源はドイツではないんです。では、なぜドイツがここまでビール大国として知られるようになったか気になりませんか?
そのきっかけとなったのが、16世紀に発令された「ビール純粋令」にて「ビールの原料は大麦・ホップ・水・酵母のみ」と定めたビールの品質に関する法律が公布されたことと言われています。
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この法律によって、ビールの高品質が標準化され、ドイツ国内どこでも美味しいビールを飲めるようになりました。
その評判が近隣諸国へも広がっていたといいます。(当時ビールには香草・香辛料など不純物が多く用いられ、毒草さえ混じる粗悪なものまで横行していたそう)
そして400年以上たった今でも、ほとんどの醸造所がこの法律に沿ったビール造りを続け、変わらぬ高品質を守り抜いているのです。
こうした伝統を守り続けるマイスターたちの努力とプライドによって、 “ドイツビール”という確固たるブランドができあがったんですね。
地域ごとのビールを楽しもう
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現在ドイツには1,200以上もの醸造所があり、国内に流通しているビールの種類はなんと常時5,000種類以上なんだとか。
またどの街へ行っても、レストランやバーではその地域で愛されるビールがメニューに並ぶことが多いドイツ。
日本のように大手のビールがメニューを独占することは、まず見かけない光景なのです。
ドイツを旅行する際は、ぜひその地域を代表するビールを注文してみましょう♪
ケルンの「ケルシュ」は、まるでわんこそばのようなスタイル!
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例えば「ケルン大聖堂」で有名なケルンでは、「ケルシュ」というビールが外せません。
ケルンを代表するビールなのですが、「ケルシュ」と名乗ることができるのは「ケルシュ協約」に調印している24か所の醸造所のみ。
協約の内容は、製造場所・方法・原材料・グラスの形まで16種類にも及びます。
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注文の方法も独特なのが特徴。たくさんのビールをお盆にのせたウェイターがテーブルを回ってくるので、まずはほしい個数を注文します。
そしてそのグラスが空になると、ウェイターがエンドレスで新しいビールを持ってくるという、“わんこそばスタイル”なのです。(グラスも200mlの小さいサイズなので、エンドレスで飲みがち)
「もういらない」というときは、コースターをグラスにかぶせてフタをすれば合図になります。頼んだ個数は、ウェイターがコースターに線を引いてカウントしているので、お会計の時に困ることもありません。
ベルリンの「ベルリーナーヴァイセ」は女性に大人気!
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ドイツの首都・ベルリンで楽しみたいのは「ベルリーナーヴァイセ」。ベルリンで製造されたものだけがその名前を名乗ることができる、ご当地ビールです。
ビール酵母だけでなく乳酸菌や野生の酵母が使われているので、とても酸味のある味が特徴的。
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フルーツのシロップで割って、ストローで飲むのがベルリン流の楽しみ方。カラフルな色がとても可愛く、カクテルのような感覚で楽しめるため、女性にも人気があるビールなんですよ。
こんな可愛い見た目ですがその歴史は古く、16世紀に製造が開始され19世紀に人気最盛期を迎えました。
当時は50以上もの醸造所がベルリーナーヴァイセを生産していましたが、現在ではわずか2つの醸造所のみが生産。存続の危機を迎えているとも言われる、とても希少価値の高いビールという一面もあるのです。
朝ごはんにもビール!?バイエルン地方ではマストな体験
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ドイツでは地域ごとに楽しむビールの味がある一方、地域ごとに異なるビールの楽しみ方も。
例えば、ミュンヘンがある南ドイツ・バイエルン地方ではとてもユニークな伝統があります。
それは「ビールと白ソーセージの朝ごはん」。
近年では毎日このスタイルをとる人はいないようですが、特別な週末や家族の集まりではこの朝食スタイルが定番中の定番なんです。
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この地方のレストランでは、朝食メニューとして「ビール・白ソーセージ・プレッツェル」のセットが提供される場所も多く、旅行中に朝からビールを飲むドイツ人たちを見てびっくりされる方もいるかもしれません。
なぜこのような伝統が生まれたのか。一説によると、中世のバイエルン地方ではビールは重要な栄養源として考えられていたからなのだそう。
酵母菌を使われているビールは腸に優しい発酵飲料でもあり、原料の麦はビタミンやミネラルも豊富。栄養源の乏しかった当時、朝いちばんにビールを飲むことで1日を元気に過ごすという目的もあったのです。
そして一緒に提供されるのは、ミュンヘン名物の白ソーセージとプレッツェル。
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白ソーセージも、南ドイツでは大定番の朝食メニューです。
このソーセージが誕生した18世紀は、冷蔵技術が発達していなかった時代。白ソーセージは塩不使用でとても傷みやすいことから、「午前中に食べる」という伝統が生まれたんだとか。
今でも歴史のあるレストランでは白ソーセージの提供は「正午まで」と決まっていて、1分でも過ぎると注文を受け付けないところもあるんですよ。
バイエルン地方を訪れる際にはぜひバイエルン流の朝ごはんを食べて、ドイツのビール文化を体験してみるのはいかがでしょうか。