前回は世界の絶景について書いていきましたが、今回のテーマは旅中に出会った「世界の美しい街並み」。
旅の醍醐味の1つは、街をゆっくりと歩き「日本ではないどこか」を体験することではないかと思います。街並みにこそ、その土地の歴史や文化を感じる要素がいっぱいに詰まっています。
これまでに訪れた北米、中米、南米、ヨーロッパの、約90都市の中から6つピックアップしてご紹介していきたいと思います。
ハルシュタット / オーストリア
オーストリア中部、ザルツカンマーグート地方の奥地にある小さな町ハルシュタット。
ハルシュタット湖の湖畔に広がるこの町は「世界で最も美しい湖畔の町」としても知られており、ユネスコの世界遺産にも登録されています。
10月末に訪れた時はちょうど紅葉のシーズンに差し掛かっており、色づいた木々と急な山の斜面に並ぶ家々がとても美しかったことを覚えています。
ここハルシュタットは景勝地として知られているザルツカンマーグート地方の最奥地にあるため、周りは山と緑で囲まれた、都会ではなかなか味わうことのできない静かで穏やかな時間が流れています。
こちらは街の中心にあるマルクト広場。ヨーロッパらしいカラフルな街並みに加え、湖と急な斜面の間にある狭い土地のため、どの家もコンパクトで可愛らしい造りになっています。
そんな立地のためか、街歩きをしていてふと、日本の田舎と同じ雰囲気を感じました。
よく見ると家の大きさもさることながら、屋根の形や材質、家の前を通っている石畳の階段まで、日本の山間部にある村の様子とそっくり。
ヨーロッパに居ながら、どこか日本の山奥の小さな村を感じさせてくれる不思議な場所です。
街の裏手にある山へは、ケーブルカーもしくは歩いて登ることができ、そこからの眺めも素晴らしいので訪れた際は是非足を運んでみて下さい。
トレッキングに関しては様々なコースが用意されているので、登る際はインフォメーションセンターで相談するといいかと思います。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となった場所としても有名なハルシュタット。この静かな湖畔の町で都会の喧噪を忘れて、自分だけの時間をゆっくり過ごすのもいいかもしれませんね。
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チェスキー・クルムロフ / チェコ
チェコ南部にある、今なお中世の面影をそのまま残す場所チェスキー・クルムロフ。
モルダウ川(ヴルタヴァ川)の湾曲部に作られたこの町は、鮮やかなオレンジ色の屋根と白い壁のコントラストがとても美しく、またボヘミアの森の奥にひっそりと佇む様子から世界で最も美しい町とも称されています。
この場所も「チェスキー・クルムロフ歴史地区」としてユネスコ世界遺産に登録されています。
こんな美しい場所ですが、20世紀の産業革命による都市化の流れで人々は町を離れていき、一時は誰も住んでいない廃墟となっていた時期もあったのだとか。
20世紀後半の民主化によって歴史的価値が再興したことにより、再び町に人々が戻り、今では周辺国のドイツやオーストリアから多くの観光客が訪れるまでになったのだそうです。
ただ逆にいうと、廃墟の時代があったからこそ近代化の流れに左右されることなく、今なお美しい中世の街並みを残しているのだと思います。
僕が訪れた時は毎日のように団体のアジア人観光客が押し寄せてきていたので、ここ数年でヨーロッパ以外からも広く認知されてきたのかもしれません。
街自体は1、2時間もあれば回り終えてしまうので、ガイドブックを見て細かくルートを決めるのではなく、自分の感性に任せて気ままに街を「迷う」のもいいもしれません。
そうすることで、中世にタイムスリップしたような感覚を楽しめるかと思います。
また、この場所に来て是非試して頂きたいのが、この地方の地ビール。チェコはビールの本場として有名ですが、各地方へ訪れた際はその土地の地ビールを飲んでみるのもこの国の楽しみ方の1つ。
僕は普段お酒を飲まないタイプですが、ここで飲んだビールだけは「美味い!」と唸ったのを今でも覚えています。
チェコの首都プラハからはバスで3時間の距離。観光も1日あれば十分なので、プラハ観光の中に1泊2日でここの観光を組み込んでみるのもいいかもしれません。
プラハとは違ったまた雰囲気が楽しめるオススメの場所です。
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グアナフアト / メキシコ
メキシコ中部に位置するグアナフアト。
銀山という豊富な資源に恵まれたこの街は、それを象徴するかのようなカラフルな家々が建ち並ぶ、メキシコを代表する美しい街並みの1つです。
グアナフアトは18世紀に銀の産出量が世界の約3分の1を占めていたそうで、その時のシルバーマネーとも言うべきお金がこの街をここまで華やかにしたのでしょう。
そしてその美しさからこの街とその周辺の銀鉱群はユネスコの世界遺産にも登録されています。上の写真は街の中心部にあるバシリカ教会。この街のシンボルとも言うべき建物です。
また、ここグアナフアトは芸術や音楽が盛んで、 街のあちこちで合奏団による演奏が行なわれています。