この国際色豊かなみんなで、同じ景色を見て、同じ食事をして、同じ場所に泊まるのだからとても不思議な感覚だった。
メキシコ人は5人組だったのだが、凄い自由な感じで、Sweetでお馴染みのガイドのKyleが説明をしている時も、大体写真撮影をしているし、インドの2人組のカップルの英語は、凄い訛りが強くて、聞き取れなかったし、フィリピンのCarmは、常に買い物をしていて笑っているし、韓国人のSumは米が食べたいと言っていたり。
バスが予定の時刻より遅延しても、車内で歌ったり、夜は遅くまでパーティーをしながら、騒いでいたり、最高にいいメンバーだったと思う。
いい意味で意外だった事は、みんな時間をしっかり守る事だった。これだけの人数がいて、甚だ失礼な話ではあるが、日本人が一番時間に厳しくて、他の国はまあ自由でしょ。という感じなのかと思っていたが、集合時間に皆が遅れた事は殆どなかった。
最後のパリの自由時間の集合の際に、6人組がタクシーを使ってまで集合場所に来た時には、感動すらした。15:45集合ピッタリにタクシーが止まり、その日一番の拍手を6人組に送った。
イギリス、オーストラリア英語の苦悩
今回の旅の中で、一番大変だった事を挙げるとすれば、イギリス、オーストラリアの英語の聞き取りだった。これには、最後まで苦戦した。本当に。
僕は2年前にフィリピンで2ヶ月英語を勉強したのだが、このレベルというのは、第二外国語を話す外人の英語なら大体聞き取れるレベルである。話す事も日常会話なら特に問題は無い。
例えば、今回のツアーでパリの香水店に行く事があったのだが、その店員さんが話す英語は聞き取れるし、ちゃんと笑いのツボも分かる。
「ひざ裏にこの香水をつければ、沢山の男が後ろから寄って来るわよ」
このシーンに一番みんなが盛り上がった事も覚えている。
ただ、その先のネイティブ、さらにイギリス、オーストラリアの英語はまた特殊なのである。ある日、19歳でギャップイヤーで参加していたイギリス人のジョーが僕に何かを言ったのだか、聞き取れずに「Sorry?」と聞き返した時があった。
彼は、ただ僕に「How are you?」と言っていたのだが、それが聞き取れなったのには、軽く絶望した。
その時、体調はすこぶる良かったのも関わらず「Not Good」と言ってしまった。
ただ、こんな時も助けれくれる人は現れるのである。
NYCに住んでいるMaxとキャビンアテンダントをしているDaniellaは僕が困っているとさりげなく話してくれる。
Maxは日本に2年間住んでいた事もあって、日本人の特徴を良く知っていたし、Daniellaもキャビンアテンダントをやっているからなのか、とても綺麗な英語だったので、僕は非常に助けられた。
コンチキに参加する際、勿論英語を話せた方がいいのだが、50人近くも人がいるので、誰かが僕らを助けれくれる。誰かがきっと。
Jが突如として消えた日
コンチキのツアーの朝は、早い。6時から7時の間に朝ごはんを食べて、移動。15時位にその日の目的地へと辿り着くというのが基本である。
勿論、日中のヨーロッパの景気とご飯はとても素晴らしいのだけれど、僕らの1日の最後の楽しみと言えば、やはりお酒である。このコンチキでは、それは大体パーティーとなるのだが。
大体泊まっている宿の1階にバーがあったりするので、自然とみなそこに集まる。大体PM10時頃から始まり、AM1時2時頃まで飲んでいる。なので、大体朝のバスの中ではみんな寝ている。
ツアーが半分くらい経った6日目。僕らは、イタリアのベニスにいた。水の都として有名な場所だが、この日は、ゴンドラと言われるベニスが栄えるキッカケになった水路を渡るカヌーのようなもので街を周り、大雨の中宿に戻った。
その日も相変わらず、夜にパーティーが始まった。僕は、ハングオーバーが好きなMitchですと自己紹介をしたのだが、実はメンバーの中にライバルがいた。カナダから来たジェイソン、通称”J”と呼ばれている男である。今回が初の海外旅らしく、非常に楽しみだと最初の自己紹介では語っていた。
実は初日からこのJと友人のEmilとずっと行動をしていて、2人とは仲良くなったのだが、このJは少しおかしい。まず、笑い方がおかしい。声がでかい。そして何かを待っている時、大体口が空いている。
間抜けな感じが愛らしいJはお酒が本当に好きで、毎日パーティーの最後まで飲んでいるのだ。
ただ、このベニスの日の夜、Jは部屋に戻って来なかった。辺りが明るくなりだしたAM5時。ドアが静かに空いた。そして、そこにはJが立っていた。なぜか泥だらけで。
その後、猛烈な勢いでベッドにダイブして寝始めるJ。この日の出発時刻は、6:30。1時間程の仮眠をとったJは、バスの中へと移動した。
「どうしたの?」みんな彼に尋ねた。
「HA-HAHAHAHA」
といつもの、バカでかい笑い声で彼は話し始める。
「いや〜、気づいたら知らない場所で目を覚ましてさ~。その周りの人に英語が通じなかったから、面倒くさくなってその場の原っぱで寝てたんだ〜」
これを人はハングオーバーと呼ぶ。初海外のJにとって、怖いものは無いらしい。
ヨーロッパの良さ。自然の豊かさと文化と近さ
僕が参加したコンチキツアーだが、10日で7カ国を周るという、お察しの通り凄い過密スケジュールである。
最初、ロンドンから始まり、オランダのアムステルダム、ドイツのラインバーレ、マインツを進むのだが、ここで感じるのは、自然の豊かさと街の共存である。
オランダ、ドイツという国の名前は知ってはいるが、国のイメージに関しては程んど皆無だったのかもしれない。建物はヨーロッパ特有の彫刻のような家が立ち並び、緑豊かな自然がそこにはあった。
街を歩くだけで、なんと気持ちがいいのだろう。そして、バー、レストランが数多く並び、通り過ぎる人もにこやかに笑みを返してくれる。
2.3日という少しの時間しかいる事が出来なかったのが、悔やまれるくらいに良かった。また、戻りたい国のランキングの堂々上位に組み込まれる。
さて、他にもオプションのツアーでラフティングと呼ばれる川下りが出来たり、皆が夢に見るパラグライダーがオーストリアでは出来る。小さな国だが、こちらも自然が豊かでパラグライダーから眺める青い空と緑の大地を眺める気分は筆舌に尽くしがたい。
パラグライダーのインストラクターに、「もっとダイナミックに動いてくれ!」と注文をしたのだが、揺れ過ぎて降りた後に、車酔いのような状態になった事はココだけの話しとしたい。
10日という短期間でこれだけの場所を周れたのは、勿論ヨーロッパならではだし、国ごとの変化を楽しめるのも醍醐味だと思う。
パリでのfarewell partyとキャバレー
このツアーのファイナルとなる地点は多くの人の憧れの場所パリ。シャンゼリゼ通り、凱旋門、エッフェル塔、ルーブル美術館等挙げればきりの無い程の観光地を持つ、パリ。9日目に僕らはこの街へと辿り着く。
この頃には、みんなと仲良くなっているから、最高に楽しい時間になる事は間違い無かった。午前と午後は、みなの自由時間。各々好きな場所を周り、19時に最後の会場へと足を運んだ。
皆、お洒落をして、女性は少しパーティーモード。男性も何名かはネクタイを付けていた。フルコースにワインもボトルで赤白ついてくる。
アコーディオンを引く女性が会場を盛り上げ、最高のフィナーレとなった。体力があるメンバーで最後キャバレーと呼ばれるショーに行き、コンチキツアーは最終日を静かに終えた。
そして、僕は今ノートルダム大聖堂へと移動し、旅の思い出に浸っている。
外国人の友達が欲しいなら、絶対にコンチキツアー
こんなにも多様な人種の人達と一緒に旅を出来るのは楽しい。最初の時に感じた不安は、いつの街か無くなり、最後のパリでは終わってしまう事が悲しくなってしまう程だった。
日本でも50名近くの全く知らない人と旅をする機会は殆ど無いと思う。さらに、それを海外で行う訳なので、これ以上ない程にワクワクする。そして、勿論どんな人が乗っているかは分からない。
自分と気が合う人もいれば、勿論合わない人もいる。それは、国柄なのかその人個人によるものなのかは分からない。ただ、このツアーを終えて、ヨーロッパは勿論、参加していた人達の出身国へも非常に興味を持つ機会になった。
旅をする程、国境が無くなっていくとどこかの空港の通路に書いてあるのだが、まさにその通りだと思うし、それこそが旅の醍醐味であると思う。
今回、僕はいくつの境が無くなったのだろうか。
英語を話したい。外国人の友達を作りたい。そして、ヨーロッパを周りたい。そんな人に取っては、これ以上ない最高のツアーであると思う。
さて、またノートルダム大聖堂の鐘が街中に鳴り響いているので、ここらで筆を置こうと思う。
それでは、また世界のどこかで。
Sweet As.
追記:
今回の飛行機の往復は、カタール航空でとても快適な移動だったのだけれども、帰りの機内食で日本食を無意識に選び蕎麦を食べている自分にびっくりしました。海外に行くと、いつも日本食が恋しくなりますね。そして、友人がカタール航空で働いているので、いつかその友達が添乗する便に乗れる事を夢見て。
コンチキツアーに興味のある方はこちらから
http://www.statravel.co.jp/english-guided-tours.htm
ご予約の際に、TABIPPOの記事を見た or 紹介等言っていただくと特典がつきますので、是非仰って下さい!
日本ではまだあまり馴染みがないコンチキツアーですが、僕が自信を持ってオススメします!