ライター
シャンディ (岡村龍弥) TABIPPO学生支部ディレクター

合同会社ギルド代表。トラベルプロデューサー/フォトグラファー。学生時代に海外旅の楽しさに魅了され、大手IT企業に就職後も旅を継続、退職して世界一周後、起業。自分のやりたいをみつけ実現までサポートする「タビゼミ」主催。場所を選ばないノマドワーカーという働き方を広めることで人生の選択肢を増やしてほしい。大学講師、チェコ親善アンバサダー。

「道東トラベルウィーク2023 冬」とは?

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
2023年1月29日(日)〜2月22日(水)、冬の道東を舞台にした「道東トラベルウィーク2023 冬」が開催されました。

・参考:余白あふれる道東で、大自然を遊び尽くす旅を。道東トラベルウィーク2023冬を実施します|TABIPPO.NET(募集終了)

過去開催を含め、定期開催されているトラベルウィークですが、今回の特徴は「十勝・帯広」「釧路」「知床」「北見・網走」のテーマが異なる4エリアにわかれていること、「Tour Plan」と「Event Plan」の2種類が用意されていることです。

はじめての冬の北海道旅が不安な方や、一緒に旅する仲間が欲しい方は「Tour Plan」に参加して「仲間と旅する、余白をえがく道東旅」を。

旅慣れた人や、現地の方で参加したい方は希望するコンテンツ単位で参加可能な「Event Plan」で「ライフスタイルに合わせた、余白をえがく道東旅」が楽しめました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
今回、筆者は2/2(木)〜2/6(月)の釧路エリア「Tour Plan」に参加して、「道東トラベルウィーク2023 冬」の魅力ある数々のコンテンツを存分に楽しんできました。

個人的には、2回目となる釧路への旅行でしたが、冬の釧路ははじめて。夏とはまた違う魅力がたくさん詰まっており、グルメ、アクティビティ、景色、そしてなにより出会う人たちの温かさが最高でした。

釧路エリアの特徴

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
釧路空港へは、成田・羽田の両空港から約2時間のフライト。釧路空港から釧路市街地までは、バスで1時間ほどで到着します。

釧路のトラベルウィークのテーマは、『冬ならではの “道東遊び” を知る、釧路「森と遊び」旅』。道東で活動する人たちとの交流を通して、サウナやワカサギ釣りなど地元民の遊びが楽しめる内容となっています。

真冬の最低気温は-20℃を下回ることもある釧路ですが、だからこそ、釧路湿原や阿寒摩周国立公園をはじめとする自然豊かな場所、この季節にしか体験できないことがたくさんです。

実際に体験したプランや、内容について

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
4泊5日の旅行プランには、あらゆる「余白」がツアー行程に散りばめられていました。そのため、「旅程をこなすだけで精一杯」の状況にはなりません。

簡単にいうと、昼に1つ、夜に1つコンテンツがある、くらいのイメージです。そのほかの時間は、ほかの参加者メンバーと観光をするのもよし、疲れたから休憩するのもよし、仕事をするのもよし、という自由な具合です。

以下では、筆者が参加したプランをダイジェストで紹介したいと思います。

「余白案内人」による釧路の楽しみ方レクチャー

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
釧路到着後は、「港まちベース946BANYA(くしろばんや)」にてツアー参加者たちの顔合わせ。ローカルフレンド(地元の詳しい人)・清水たつやさんから、釧路を楽しむための情報をたくさんインプットしてもらいました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
またこの時は、ワンドリンクサービスならぬ、「ワン三平汁サービス」がついてきました。三平汁は、塩漬けにされた魚と人参や大根などの野菜を一緒に煮込んだ郷土料理だそうです。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
今回は、「昆布森」とよばれる地域の漁師さんたちが直々に、鱈(たら)の塩漬けで三平汁をつくり振舞ってくれました。

■詳細情報
・名称:港まちベース 946BANYA
・住所:〒085-0016 北海道釧路市錦町2丁目4 フィッシャーマンズワーフMOO 2階
・公式サイトはこちら

レトロな純喫茶や気になるお店探索

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
こちらは、釧路駅前にある、旧北洋銀行跡地にある私設博物館「なつかし館蔵イランカラプテ」。館長の中野さんが55年かけて収集したコレクションを見せていただきました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
1階は、アイヌ民族の博物館でも見られないような貴重な資料がたくさんある!と思いきや、2階はガラッと雰囲気が変わって昭和レトロなレコードから、かつての初等教育期間「尋常小学校」時代の教科書まで、その時代を生きていない人間ですらどこか懐かしさを感じてしまう、そんな場所でした。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
見学と一緒に、「なつかし館」で販売している「世界で2番目においしい!よっちゃんのおやき」もいただきました。ちなみに、世界で1番おいしい食べ物は、それぞれのお客様の心の中にあるため、その次においしいものという思いで2番目だそうです。

■詳細情報
・名称:なつかし館イランカラプテ
・住所:〒085-0015 北海道釧路市北大通13丁目1-6
・公式サイトはこちら

Welcome Party|板前スナック

夜は、釧路のローカルフレンドと参加者たちとで交流会。釧路で活躍する人たちや、たまたま釧路に帰省していた地元出身の人たちが参加者を迎え入れてくれました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
オーナーが寿司屋で働いていた経験を活かした「寿司 × お酒 × カラオケ」が楽しめるスナックを貸切に。

また、じつはこのお店は2022年に実施したトラベルウィークでも利用させていただいた場所。「ただいま」と言える場所が増えていくことのは嬉しいことですね。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
ぷりぷりの北海道ならではのおいしいお寿司をいただきながら、ときにはみんなで一緒になって歌ったりと、熱い夜を過ごしました。

■詳細情報
・名称:板前スナック(BUKU・BUKUあわ家)
・住所:〒085-0014 北海道釧路市末広町5丁目13 オリエンタルプラザ6階

釧路の森の空気を吸う・楽しむ「THE GEEK」

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
「THE GEEK」は釧路駅から電車で30分、塘路(塘路)駅からすぐの場所にある、サウナのために作られたと言っても過言ではないゲストハウスです。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
2020年オープンと比較的新しいゲストハウスですが、今や新サウナ聖地として名高い長野県にある「the SAUNA」をプロデュースしたサウナビルダーの方も関わっているとか。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
サウナ内の大きな窓ガラスから見える雪景色の釧路湿原、広大な自然の中、雪に囲まれながら音のない世界の外気浴を楽しめます。冬ならではの景色を堪能しましたが、また別の季節に来たいと思える場所でもありました。

■詳細情報
・名称:Kushiro Marshland Hostel THE GEEK
・住所:〒088-2264 北海道川上郡標茶町塘路原野北7線49番43
・公式サイトはこちら

ディープな釧路のフライデーナイト

ツアー2日目の夜は、釧路市内にあるJAZZ SOUL & KITCHEN「HOT SAUCE」を貸切り、地元の人と旅行者での交流会の第二弾を開催。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
交流会に参加するために東京からきた学生たちや、道内別エリアで活躍するローカルフレンドたちも合流し、釧路エリアのローカルフレンドがおもてなしとしてDJで場を盛り上げました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
通常時の店内ではジャズが常時あふれ、地元食材や旬の食材をふんだん使用した料理と、音楽とが調和する場所なのだとか。この夜は特別な空気にあふれていたので、次に行く際はぜひ通常営業の魅力も味わいたいです。

■詳細情報
・名称:HOT SAUCE
・住所:〒085-0014 北海道釧路市末広町7丁目2
・公式サイトはこちら

熱いコミュニティに触れる「Community Leaders Summit」

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
道東トラベルウィークと同時期に釧路で開催された別イベント「Community Leaders Summit in 道東」は、従来の枠を超えてつながる「コミュニティ」で活躍する人たちが一同に集まり、コミュニティ運営について交流する企画でした。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
トラベルウィークの運営者の中でも、「TABIPPO代表・清水直哉」、HafH創業者である「株式会社遊行代表・大瀬良亮」の2名が登壇し、「Z世代の旅とコミュニティ」について話しました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
イベント後はツアー参加者たちと、各コミュニティの代表たちと一緒に懇親会。日本各地で活躍する人たちが釧路に集まり語り合う、熱い夜になりました。

地域が復活を待ち望んでいたカレーランチ

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
屈斜路湖のほとりに昨年2022年にオープンした、貸切専用のプライベートサウナ「屈斜路湖サウナ倶楽部」。直径と⾼さがともに170cmの「樽⾵呂」は、冬は温泉、夏は⽔⾵呂として楽しめます。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
サウナ後のご飯、通称「サ飯」として提供される「無水カレー」は、以前同エリア内にあった飲食店「花ふらり内まる山カリー」で提供されていたメニューで、地元の方々から大人気だったカレーが復活したもの。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
2021年に開催されたトラベルウィークのコンテンツとしても提供された無水カレーは、旅人からも大人気。地元の人からの復活を待ち望む声も多かったようです。

ほかにもCBD入りのバナナスムージーなどのメニューがありました。

■詳細情報
・名称:屈斜路湖サウナ倶楽部
・住所:〒088-3331 北海道川上郡弟子屈町美留和1−33
・公式サイトはこちら

移動型サウナで「ととのい」|サウナバス

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
サウナ尽くしな釧路エリアの最後を飾るサウナは、弟子屈(てしかが)町の「民宿美里」で。なんとこのサウナは、バスの中で体験できます。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
「つながる民宿」がモットーである、民宿美里。リモートワークに集中できるモニター付きワーキングルームも併設している、中長期滞在向けに最適な宿泊施設の庭にバスサウナはあります。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
「摩周ブルー」色のバスのなかには極上の薪サウナが。「ロウリュ」は薬草をたっぷり煮出した水を使用し、水風呂は北海道らしいミルクタンクを活用しているという豪華っぷり。しかも、夜には満点の星空のもとで外気浴が楽しめました。

■詳細情報
・名称:民宿 美里
・住所:〒088-3215 北海道川上郡弟子屈町美里2丁目11−1
・公式サイトはこちら

弟子屈エリアを盛り上げるローカルヒーローが勢揃いした夜

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
弟子屈エリアを盛り上げる、「ローカルヒーロー」が勢揃いする賑やかな夜。「ダイニングBAR ましゅうぶるー」にて、地域の熱い方々と一緒に食事をしました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
本ツアー2回目となるカラオケもあり、盛り上げ上手な方々のおかげで場に一体感が生まれます。ローカルフレンドの川上椋輔さん、元アナウンサーなこともありマイクパフォーマンスはさすがすぎでした。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
最後はみんなで集合写真を。ツアーでめぐった「THE GEEK」の方や、「屈斜路サウナ倶楽部」の方々も遊びにきてくれました。和気藹々とした空気が伝わりますでしょうか。

■詳細情報
・名称:ダイニングBAR ましゅうぶるー
・住所:〒088-3203 北海道川上郡弟子屈町湯の島3丁目2-3
・公式Facebookページはこちら

心と身体に余白をたっぷり届ける「THINK’A Day」

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
「道東トラベルウィーク2023 冬」の釧路エリア最後のコンテンツは、農園とカフェが一体化したドーム型のカフェ「THINK’A」を貸切にして行われました。日の光が差し込む大きな窓越しには、雪をかぶった白樺の森が。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
農園を見せていただいたあとは、景色を見ながらボーッとする参加者、仕事に精を出す参加者など、思う存分「余白」と美味しい食事、ヨガ体験などを堪能しました。

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
最後はツアー参加者全員で円になり、「道東トラベルウィーク2023 冬」釧路エリアの振り返りを。みんなが旅を通して育んできたものを共有して、なんだか1つになれた、そんな旅の締めくくりとなりました。

■詳細情報
・名称:THINK’A
・住所:〒088-3222 北海道川上郡弟子屈町弟子屈原野465−2
・公式サイトはこちら

そのほかの体験プラン

コンテンツが盛りだくさんの「道東トラベルウィーク2023 冬」。筆者は体験しませんでしたが、ほかにもたくさんプランがありました。ここでは、簡単にそのほかのプランを紹介します。

アロマオイルで楽しむ嗅覚診断

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
嗅覚反応分析士の川内さんによる、匂いを用いた新感覚のヘルスチェック。「香り」の好みから体と心の状態がわかる、アロマオイルを使ったメンタルアクティビティです。

雪景色とレトロな雰囲気を楽しむ、SL冬の湿原号に乗車

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
2023年車内をフルリニューアルしたSL冬の湿原号。道東トラベルウィーク2023では、釧路湿原を眺めるサウナのがるゲストハウス「THE GEEK」がある塘路駅までの移動手段として参加者たちが利用しました。

氷の世界に降る宇宙の声を聞く達古武湖(ワカサギ釣り)

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
朝が強い参加者は釧路市内から車で30分、凍結した達古武湖(たっこぶこ)の上でワカサギ釣りを楽しんだそう。

早朝の透き通るような空気、そして静けさ、忙しい日常から離れた非日常空間での余白時間にみなさん満足した様子。

旅の終わりに

選べるからこそ生まれる「余白」

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
この記事で紹介したコンテンツは、あくまでも事前に準備されていたもの。

紹介したプランのほかにも、余白の時間を使って、釧路名物の「緑のソバ」を食べに出かけたり、この時期しか見られない凍った川に沈みゆく、「世界3大夕日」と呼ばれる釧路の夕日を見たり、北海道ならではの締めの文化「締めパフェ」を堪能したりと、自分のペースにあわせて濃密な日々を過ごしていました。

ほかのメンバーたちも、早起きしてカヌーにいったり、市内のサウナにいったり、夜飲みに出かけたりと各々楽しんでいたようです。

余白をえがく道東旅を通じて

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
個人旅行と団体旅行のちょうど間にあるような、あたらしいカタチの旅のスタイル。なかなか体験しないと理解しにくいかもしれません。

詰め込みすぎて疲弊するような旅でもなく、集中したエリアに押しかける、いわるゆるオーバーツーリズムにもならない旅のスタイルだと言えます。

「同じ時期に、同じ場所にいること」が大切で、だからこそ生まれるものがあるのかなと。個人的には、サステナブルツーリズムの観点からも、今後の一般的な旅のスタイルになることを願っています。

おまけ:「道東トラベルウィーク2023 冬」に関わる会社

道東トラベルウィーク・釧路 photo by シャンディ
「道東トラベルウィーク2023 冬」の運営には、複数の企業や団体が関わっています。

・TABIPPO.NETを運営する、株式会社TABIPPO
・北海道内の7つある空港の運営を行う、北海道エアポート株式会社
・旅行者と現地に住む人とをつなげ、現地の暮らしに溶け込む旅を提供する、TRAPOL合同会社
・旅のサブスクサービスを展開する「HafH」を創業した大瀬良亮さんが独立して作った、株式会社遊行

4社のほか、現地で旅行者をあたたかく迎えいれてくれる、ローカルフレンド「Hokkaido Design Code」代表 四宮 琴絵さん、「港まちベース 946BANYA」清水 たつやさん、「弟子屈JIMBA」川上 諒輔さんを筆頭に、おおくの道東の方々の協力により実現しました。

本当にありがとうございました。

All photo by シャンディ

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ライター
シャンディ (岡村龍弥) TABIPPO学生支部ディレクター

合同会社ギルド代表。トラベルプロデューサー/フォトグラファー。学生時代に海外旅の楽しさに魅了され、大手IT企業に就職後も旅を継続、退職して世界一周後、起業。自分のやりたいをみつけ実現までサポートする「タビゼミ」主催。場所を選ばないノマドワーカーという働き方を広めることで人生の選択肢を増やしてほしい。大学講師、チェコ親善アンバサダー。

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